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上司にパワハラされ、うつ状態になって休職。

竹内成彦心理カウンセラー(公認心理師)

こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

今日は、
「上司にパワハラされ、うつ状態になって休職」というテーマでお話したいと思います。


上司にパワハラされてうつ状態になった人は、「適応障害になった」と言っていいかと思います。こういった場合の適応障害は、基本、お薬では治りません。
1.パワハラ上司に会わなくて済むよう、会社を休むか、
2.パワハラ上司がいなくなるか、
3.パワハラ上司のパワハラがやまるか、
4.パワハラ上司のいない部署に異動になるか、
5.いっそのこと会社を辞めてしまうか、
6.パワハラに負けないだけの強靭な心、もしくはしなやかな心を持つか、
以上の6つ、どれかをしないと適応障害が良くなることはありません。

今言った6つ以外の方法で、適応障害であるうつが良くなることはありません。
「じゃあ、メンタルクリニックへ行くことは意味がないのか?」というとそんなことはありません。お薬は、一時しのぎ、環境が変わるまでの時間稼ぎの役割を果たしてくれます。

それと、医者が診断書を書いてくれるので、そのことによって、堂々と会社を休めるし、会社の上司もあなたに対する態度を改めてくれる可能性が大になるので、クリニックへ行く意味は大いにあります。

続いて、よくある勘違いですが、
医者があなたに「上司とどう接していけばいいのか?」助言してくれることは、ありません。プラス、医者が、あなたのパワハラにあった苦悩に共感してくれることはありません。

医者の仕事は、
1.弱った脳を、薬物を使って正常に戻すこと。
2.休職に必要な診断書を書いてくれること。
以上です。

よって、「薬を飲みたくない」とか「会社を休みたくない」と仰る人がメンタルクリニックへ行くのは、基本、無意味ということになります。

さて、
私の印象ですが、一昔前にくらべたら、パワハラ上司はうんと減りました。パワハラ上司がいる会社はうんと減りました。今の会社および上司は、昔から比べたら、うんと優しくなったと言っていいかと思います。
事実わたしのカウンセリングルームには、「部下にちょっと注意しただけで、『パワハラされた』と言って大騒ぎし、直ぐに会社に来なくなってしまう」と訴える、上司の立場にいらっしゃるクライアントのご来室がうんと増えました。
最近の若い者は、という言葉は嫌いなのですが、最近の若い者は、昔に比べれば、やっぱり非常に打たれ弱くなったのではないかなあ…と思います。
学生時代に、縦社会が非常に厳しい運動部などに所属していた人が、上司のパワハラによって、適応障害になるということは非常に少ないです。
上司のパワハラによって、適応障害になってしまう人は、怒られた経験が少ないという人である、ということが多いです。
「何度転職を繰り返しても、いつもパワハラ上司にあたってしまう」と仰る方は、「ひょっとして自分の心が弱すぎるのかも」という視点は、必要なのではないかなあ…と思う次第です。

もしもあなたが、少々の困難には挫けない、強い心、しなやかな心を持ちたいとおっしゃるのであれば、ぜひカウンセリングをご利用されることを、私はお勧めしたいと思います。性格心理学に詳しいカウンセラーであれば、きっとあなたの生まれつき性格に沿った形で、性格改善する方法を教えてくれることと思います。

最後に、上司のパワハラでうつ状態になった方へのアドバイスですが、まずは休職でもして、心と体を休めてください。どうぞお大事になさって下さい。
パワハラ上司のいない環境づくりは、そのあと。
そして、あなた自身の性格改善は、そのもっとあとです。

というわけで、今日は以上です。


今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。

      この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

心理カウンセラー(公認心理師)

1960年、愛知県名古屋市で生まれ育つ。1997年06月、地元愛知でプロのカウンセラーとして独立開業を果たす。カウンセリングルーム「心の相談室with」名古屋 の室長。臨床歴25年、臨床数15,000件を超える。講演・研修回数は800回、聴講者は10万人を超える。【上手に「自分の気持ち」を出す方法】など、電子書籍を含め、20数冊の本を出版している。カウンセリング講座などを開催し、カウンセラーを育てることにも精力を尽くしている。

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