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【自分の心を開く方法】を、現役プロ心理カウンセラーが解説します。「開くと、どんないいことが起るの?」

竹内成彦心理カウンセラー(公認心理師)

こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

今日は、「自分の心を開く方法」についてお話したいと思います。

まず、はじめに、 「心を開くとは、どういうことか?」と言いますと、相手に警戒心を抱くことなく、ありのままの自分で接することを言います。
嘘をついたり自分の気持ちを偽ったりすることなく、素直な気持ちを相手に伝えられている状態なら、心を開いていると言えるでしょう。逆に、相手との間に心理的な距離感があるのならば、心を閉ざしている状態と言えるでしょう。

次に、「心を開くとどうなるのか? どんないいことがあるのか?」ということになるのですが、心を開くと、相手と親密になる可能性が大になります。そして、相手と親密な関係になることが出来れば、人間の持つ根源的な欲求【愛と所属欲求】が満たされます。そして、愛と所属欲求が満たされれば、食欲が満たされた時と同じように、人は幸せになれる…というわけです。

たった今、私は、「心を開いて、愛と所属欲求を満たすと、幸せな気持ちになれますよ」と言ったのですが、事はそう簡単ではありません。

というのは、実は、生まれつき、心を開きやすい人と心を開きにくい人がいるのです。もちろん、育った過程で、心を開きやすくなったり、心を開きにくくなったりはします。たとえば、相手を信用し、心を開いて、その結果、相手から裏切られた…という経験を持っている人は、やはり心を開くことに抵抗を覚えるでしょう。
けれど、心を開きやすいか開きにくいかは、半分ぐらいは、生まれつき決まっています。そう、生まれつき、心を開くことに抵抗がある人と、心を開くことに抵抗がない人がいる…ということです。

性格は、防衛機制です。自分の身を守るための防衛戦略です。威張っているほうが自分の身を守れると思っている人は威張っていますし、腰を低くしたほうが自分の身を守れると思っている人は腰を低くしています。性格とはそういうものです。防衛機制である性格は、生まれた時から人それぞれで違っていて、それを生まれつき性格というのです。

ですから「心を開けば幸せになれるよ」とは一概には言えません。生まれつき心を開くことに抵抗がある人は、無理して心を開くと、あとから不安な気持ちになります。よって、自分の性格をよく鑑みて、適度に心を開くことが大切です。
繰り返します。「心を開いて、愛と所属欲求を満たすことは大切だけれど、無理しない…ということも同じくぐらい重要だ」ということです。どうぞ、自分の生まれつき性格に逆らわないようにしてください。

続いて、ここからは、心を開くコツについて、お話していきたいと思います。

1番目は、自己肯定感をあげることです。
自分で自分のことが嫌いだと、相手に心を開くことは難しいです。「心開いて相手から嫌われたらどうしよう?」と思ってしまうからです。ですから、まずは自己肯定感をアップさせていきましょう。そうすれば、心を開きやすくなります。

続いて2番めは、心を開く相手を選ぶことです。
誰に対しても心を開けばいいってもんじゃありません。話しかけやすい人、「この人と親しくなりたいなあ」と思う人に、心を開いていきましょう。

続いて3番目は、リラックスすることです。
自分自身が緊張しているようでは、うまく心を開けません。ですから、「嫌われてもいいや」ぐらいの気持ちでリラックスして話しましょう。それから、沈黙を恐れないことです。会話の途中で沈黙が生じても、焦らないようにしてください。沈黙はひとりでは起こせません。相手も黙っているから沈黙が生じているわけで、自分1人で責任を感じる必要はないのです。

続いて4番目は、少しずつ自分の情報をオープンにしていくことです。
「どんな所に住んでいるのか? どんな仕事をしているのか? どんなことが好きなのか、嫌いなのか?」少しずつ話していくことです。相手が何も語ってないのに、自分だけ情報をオープンにするのは変な話です。また、自分ばかり、いっぽう的に話しても嫌われます。自分が少し心を開いて、相手も少し心を開いて、そうしたら、自分ももう少し心開くようにする…、その繰り返しが大切です。

以上4つ言いました。どうぞ、あなたも心を開いて、自分の愛と所属欲求を満たしていってください。というわけで、今日は、「自分の心を開く方法」というテーマでお話しをさせて頂きました。

今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。

      この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

心理カウンセラー(公認心理師)

1960年、愛知県名古屋市で生まれ育つ。1997年06月、地元愛知でプロのカウンセラーとして独立開業を果たす。カウンセリングルーム「心の相談室with」名古屋 の室長。臨床歴25年、臨床数15,000件を超える。講演・研修回数は800回、聴講者は10万人を超える。【上手に「自分の気持ち」を出す方法】など、電子書籍を含め、20数冊の本を出版している。カウンセリング講座などを開催し、カウンセラーを育てることにも精力を尽くしている。

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