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自分の性格がよくわからない…。「不自然な一部のエニアグラム」と「キャラ診断」と「血液型占い」

竹内成彦心理カウンセラー(公認心理師)

こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

今日は、「エニアグラムとキャラ診断」というテーマでお話しいたします。

はじめに、エニアグラムとは、性格類型論です。性格類型論では、血液型の4つの違いによる性格類型論が有名ですが、エニアグラムでは、人の性格をおおよそ9つに類型化出来ると考えています。

※ ついでだから言っておきますが、血液型と性格は、何ら関係がありません。
これは、心理学の世界では、ハッキリ結論が出ています。血液型と性格を関連付けて考えている人は、世界でも日本人ぐらいのものです。宜しければ、コチラもご覧ください。
よって、「〇〇さんは、A型だから几帳面よね」とか「〇〇さんは、O型だから大雑把よね」等というセリフは、お遊びとしては楽しいかもしれませんが、本気で言ったり思ったりするものではありません。

話を戻します。
エニアグラムは、90の質問に答えて、「自分は何タイプなのか?」知ろうとする性格診断です。大きな書店に行けば、エニアグラムの本はいっぱい売っているので、興味がある方は、自分でまたお調べいただければ…と思います。

私が初めてエニアグラムに出会ったのは、30年近く前です。当時の私は、「これで自分の生まれつき性格がわかる」と喜び勇んだのですが、それもつかの間、正直、そのときの私は、エニアグラムの本を熱心に読んでも、「自分が何タイプなのか?」よくわかりませんでした。


上記は、私が頭が悪いから…という理由もあるかもしれませんが、そうとばかりは言い切れない部分も多々あります。というのは、実際、私と同じような感想を抱く人は、少なくないからです。私は、「エニアグラムの本を読んだけど、『自分が何タイプなのか?』よくわからなかった」という声を、何度も聞いたことがあります。

また、わからないばかりではなく、タイプ判定を誤ったまま、自分を理解している人も、実際少なくないです。このような状態が続くようでは、エニアグラムが役に立つどころか、害にさえなりかねません。


そのような事態に憂いを感じていた私は、2018年にエニアグラムを進化発展させたキャラ診断というものを作りました。これは、90の質問に答えるというものではなく、キャラ診断アドバイザーから2~3つの質問を受け、それに答えることによって、自分のキャラを知ろうというものです。

エニアグラムのタイプ1を、キャラ診断では、長女タイプと呼んでいます。
続いて、タイプ2をお母さんタイプ、タイプ3を二男タイプ、タイプ4を末っ子タイプ、タイプ5をおじいさんタイプ、タイプ6を二女タイプ、タイプ7を長男タイプ、タイプ8をお父さんタイプ、タイプ9をおばあさんタイプと呼んでいます。
こう呼べば、単なる数字と違って、イメージがつきやすいかと思います。

お母さんを助けるしっかり者の長女タイプ、親切で面倒見のいいお母さんタイプ、バランス感覚に優れた二男タイプ、心細さを抱えた末っ子タイプ、書斎にこもって調べものをするおじいさんタイプ、可愛らしくてよく気が利く二女タイプ、明るくて面白い長男タイプ、いざとなったら頼りになるお父さんタイプ、いつも穏かで優しいおばあさんタイプ、ってな具合です。

また、エニアグラムの欠点として、流派によって、言っていることが全く違うということがあげられます。ある流派ではタイプ2の人が、ある流派ではタイプ1になっていたりします。「本当は、どのような人なのか?」よくわからなくなっているのが現状のエニアグラム界の実態です。

私がエニアグラムという言葉を使わず、わざわざキャラ診断という言葉を使っているのは、「自分がタイプ何か? わかららない」という、エニアグラム界で起こっている混乱を避けるためです。

エニアグラムとキャラ診断、似ているところもたくさんあるのですが、最大の違いは、人口割合の考え方です。多くのエニアグラムでは、タイプ1からタイプ9まで、それぞれ同じ数の人がいると考えています。
私は、そのようなことはあり得ないと思っています。全然違う性格の人たちが、それぞれ等分ずついるなどということは、不自然極まりないと思っています。もしも違う性格の人が等分ずついるのであれば、人間もゴリラもチンパンジーもオランウータンも、世界に同じ数だけいないと、おかしなことになってしまいます。

私(竹内成彦)は、おじいさんタイプとお父さんタイプが非常に少なく、お母さんタイプが非常に多いと考えています。そう、「タイプによって、人数が違う」と考えているのです。繰り返しになりますが、人口割合が違う、そのあたりが、エニアグラムとキャラ診断の最大の違いです。

さて、おじいさんタイプとおばあさんタイプ、お父さんタイプとお母さんタイプは、その名の通り、大人タイプと言われています。長男タイプと長女タイプと二男タイプと二女タイプと末っ子タイプは、その名の通り、子どもタイプと言われています。

このあたりも、エニアグラムのタイプ1タイプ2という名称では、わからなかったことです。保護者のいらない大人タイプなのか? 保護者がいる子どもタイプなのか? 名称だけでわかるようになっているのが、エニアグラムと違うキャラ診断の大きな特徴です。

本来、エニアグラムという性格形成論は、役に立つものでなければなりません。エニアグラムで迷子になった方は、どうぞ、今日私がお話したことを参考になさってください。特に、「9つの違うタイプの人が、同じ数だけいると考えるのはおかしいよ」という私の主張は、覚えておいてくださると幸いです。

というわけで、
今日は、「エニアグラムとキャラ診断」というテーマでお話しいたしました。

今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。

      この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

心理カウンセラー(公認心理師)

1960年、愛知県名古屋市で生まれ育つ。1997年06月、地元愛知でプロのカウンセラーとして独立開業を果たす。カウンセリングルーム「心の相談室with」名古屋 の室長。臨床歴25年、臨床数15,000件を超える。講演・研修回数は800回、聴講者は10万人を超える。【上手に「自分の気持ち」を出す方法】など、電子書籍を含め、20数冊の本を出版している。カウンセリング講座などを開催し、カウンセラーを育てることにも精力を尽くしている。

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