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【傾聴とは?】話を聴く6つのコツと4つの技術を、心理カウンセラーが丁寧にお教えします。

竹内成彦心理カウンセラー(公認心理師)

こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

今日は、「話を聴く6つのコツと4つの技術」というテーマでお話したいと思います。

はじめに…。
話を聴くことは、意外に難しいことです。「自分は、話し下手だから聴き上手になろう」とおっしゃる方がいますが、実は、聴くことは話すことより難しいものです。それが証拠に、私(竹内成彦)は、話し上手な人には幾人も会ったことがありますが、本当の意味で、聴き上手な人に会ったことはほとんどありません。

そんな難しい「話を聴く」ということですが、今日は、プロの心理カウンセラーとして、あなたに、「話を聴くコツと技術」をお教えしたいと思います。

では、早速。

話を聴く6つのコツ

① ながら聞きしない。
話を聴くときは、しっかりその人に身体を向け、ながら聞きせず、話を聴くようにしましょう。新聞を読みながら話を聞いていたり、スマホをいじりながら話を聞いていると、話し手は、いっぺんに話をする気が失せるものです。

② 話をとらない。
聴くときは、話し手の話をとらないように注意しましょう。世の中には、「話を聴く」と言っておきながら、話を取ってしまう方が大勢います。「私なんかねえ…」等と言って、自分の話をし始めてしまうのです。

私は、「うちの子、全然、話をしてくれないんです」という訴えを、お母さん方から聞くことがよくあるのですが、そういうお母さんは、子どもの話を取っていることがほとんどです。くれぐれも自分が喋り過ぎないようにしましょう。

③ 否定しない。
「痛い」と言って泣いている子に向かって、「痛くない」とおっしゃるお母さんがいます。「お腹空いた」と言っている子に向かって、「空いてない」とおっしゃるお母さんがいます。
「どういうこと?」って思います。子どもが「痛い」と言っているのに、子ども自身が「お腹が空いた」と言っているのに、何を言っているんだ…という感じです。
また、「ムカつく」と言っている人に向かって、「そんなことで腹を立てるなんておかしい」とおっしゃる人もいます。人は、否定されると喋る気を失うのです。どうぞ、くれぐれも話し手の話を否定しないようにしていってください。

④ 質問しない。
これもまた難しいことです。例えば、子どもがケガをして、泣きながら家に帰ってきたとしましょう。多くのお母さんは、「いつ、どこで、誰と、何をして、ケガしたの?」と質問します。すると子どもは話す気がなくなります。覚えておいてください。子どもが訴えたかったことは、いつどこでケガしたということではなく、「お母さん、ケガしちゃった、とっても痛いよー」ということなのです。

⑤ アドバイスしない。
話を聴くときは、話を聴くことに集中することです。下手なアドバイスは余分です。あなただって、「こうすればよかったのに…」とか、「次からは、こうしなさいよ」等と言われたら、いい気持ちがしないのではないでしょうか。人の話を聴くときは、耳を傾けることに注意を向け、自分の意見は横に置いておくことです。アドバイスは、「どうしたらいい?」など、求められた時にだけ、するようにしましょう。

⑥ 理屈を言わない。
ごちゃごちゃ理屈を言わないことです。「あなたが腹を立てているのは、お腹が空いているからなのよ」などと、下手な分析をしたり、理屈を言わないことです。

以上です。
以上の6つが話を聴くコツです。

次に、話を聴く4つの技術についてもお話していきたいと思います。

① 表情
表情が大切です。「あなたの話に興味がありますよ」という顔をして、目をキラキラ輝かせて、相手の話を聴くようにしましょう。

② うなずき
話し手の話に対して、しっかりうなずくようにしましょう。時に大きく時に小さく、時にゆっくり時に小刻みに、しっかりしっかりうなずきながら話を聴くようにしましょう。

③ あいづち
「うんうん」とか「はい」とか「へぇー」とか、「なるほど」「それで」など、タイミングよく相槌を打っていくようにしましょう。音量にも注意して…。すると話し手はうんと話しやすくなります。

④ 繰り返し
相手の話を繰り返すことです。話し手が、「痛かった」と言ったら「痛かったんだね」、「悔しかったと」言ったら「悔しかったんだね」、と言ってあげることです。ここで注意点なのですが、必要以上に繰り返さないことです。必要以上に繰り返していると、それはオウム返しになり、話し手はバカにされたような気になるものです。どうぞご注意下さい。

以上です。以上の4つが。話を聴く技術です。

ねっ、簡単でしょう。でも知っていることと出来ることは全然違うことです。この記事をご覧のあなたには、知っている人から出来る人になって欲しいと思います。

尚、今日お話した「話を聴くコツと技術」は、あくまでも、「話を聴くコツと技術」であって、「話を引き出すコツや技術」「話を聞き出すコツや技術」および「相手の心を開かせる技術やコツ」「喋る気のない相手の口を割る方法」ではないので、その点はどうぞご留意ください。

というわけで、今日は、「話を聴く6つのコツと4つの技術」というテーマで、お話させていただきました。

今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。

      この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

心理カウンセラー(公認心理師)

1960年、愛知県名古屋市で生まれ育つ。1997年06月、地元愛知でプロのカウンセラーとして独立開業を果たす。カウンセリングルーム「心の相談室with」名古屋 の室長。臨床歴25年、臨床数15,000件を超える。講演・研修回数は800回、聴講者は10万人を超える。【上手に「自分の気持ち」を出す方法】など、電子書籍を含め、20数冊の本を出版している。カウンセリング講座などを開催し、カウンセラーを育てることにも精力を尽くしている。

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