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大谷翔平さんの元通訳・水原一平さんのギャンブル依存症と、その治し方について、カウンセラーが語ります。

竹内成彦心理カウンセラー(公認心理師)

こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

今日は、大谷翔平さんの元通訳・水原一平さんのギャンブル依存症について、心理カウンセラーの立場から語りたいと思います。

私は、基本、ニュース番組をほとんど見ません。理由は、こちらにも記しましたように、気分が暗くなることが多いからです。でも、土曜日の夜だけは、ニュースを観るようにしています。「この1週間、どんなニュースが世間を賑わしていたか?」知るためです。

一昨日初めて、そして詳しく、大谷さんが大きな事件に巻き込まれているのを知り、大きな衝撃を受けました。こんなことで、大谷さんの活躍が見られなくなるかと思うと、私はとても悲しいです。

さて、事件の張本人である水原一平さんですが、水原さんはギャンブル依存症です。これは病気なので、こらしめるだけではなく、しっかり治療を受けなければなりません。じゃないと回復には向かいません。

※この記事を書いているのは、2024年03月24日(日)の夕刻です。真相は、まだ闇の中です。本当のことは、よくわからないまま書いています。スミマセン。

ギャンブル依存症は、刑罰や周囲の説教、本人の強い意志で治るような、そんなヤワなものではありません。専門家の力を借りて、腰を据えて、長期に渡ってしっかり治療に取り組むことが必要です。それが、心の病であるギャンブル依存症を治すコツです。

水原さんは、もともと依存脳を持っていたのだと思います。
そして、その依存脳が、たまたまギャンブルにハマってしまったのだと思います。私は、決して水原さんを庇うつもりではありませんが、水原さんだって、好きでギャンブル依存症になったわけではないと思います。

私(竹内成彦)も、依存脳を持っています。何かにハマりやすい性格というか体質です。今までハマったものは、爪噛み、ギター、将棋、パチンコ、ファミコンゲーム、競馬、などいろいろあります。どれもこれも生活に支障が生じる程度までのめり込みました。よって、今は、全てやめています。

今の私の趣味は、読書とサウナと山登りです。読書やサウナや山登りは、普通に好きですが、メチャメチャ好きなわけではないので、生活に支障が生じるまでには至っていません。私は、「良かったなあ。ホントに良かった。この3つの趣味は、これからも大切に続けていこう」と思っています。

よく、「そんなに好きなら、ギターとか将棋とか、普通にやればいいのに…」と言われるのですが、依存脳を持っている私は、それらが適度に出来ないのです。ギターは、弾き出すと何時間も引き続け、指から血が出ても、弾くのをやめません。また、将棋は、勝てば勝ったで、調子に乗ってさらに指し続け、負ければ負けたで、悔しくって連勝するまで指し続け、睡眠時間をべらぼうに削ったりしてしまいます。
ギターも将棋も、やりだすと、一瞬のうちに時間間隔を失います。それは、金銭感覚を一瞬のうちに失うギャンブル依存症の方と同じです。
よって私は、自分が1番好きなものを趣味にすることが出来ず、2番目3番目に好きなものを、自分の趣味にしている…といった感じです。
ちなみに私は、プロのギタリストになろうと思ったことも、プロの将棋指しになろうと思ったことも、1度や2度はあるのですが、私の場合、圧倒的に才能がなく、泣く泣くあきらめました。

私が大好きだった、爪噛み、ギター、将棋、パチンコ、ファミコンゲーム、競馬、から足を洗えたのは、30代のときに、心理臨床に出会ったからです。私は、心理臨床にのめり込むことが出来たから、綺麗にやめられたのだと思います。今、思い返しても、大変に運が良かったです。

ギャンブル依存症を治すコツは、
1.有能な専門家から指導を仰ぐこと or 同じ仲間の力を借りることです。
2.「もう2度とやらないぞ!」と誓いを立てることです。
3.ギャンブル出来る環境に、自分の身を置かないことです。
4.動物脳(大脳辺縁系)が暴走しないように気をつけることです。
5.ギャンブルに代わる、適切な何かに分散させながらハマることです。

上記の4に関しては、こころではなく、脳という臓器の問題です。精神科医から処方される薬物が、役に立つこともあります。私は、脳を改善するために、条件反射制御法を使っています。
1から5まで、全て重要です。ひとつでも欠けると、特に依存症レベルまでいくと、治療はかなり難しくなります。

ギャンブル依存症は、アルコール依存症や性依存症と同じく、完治することはありません。←この事実は、知らない人が多いです。でも、やらない状態をずっと継続していくことは可能です。←これを寛解と言います。

依存症は、温厚な性格の方でも、非常に優秀で知的な方でも、なるときはなります。そう、依存脳の持ち主は、やっぱりなってしまうのです。それが依存症という心の病の怖さであり特徴でもあります。

ギャンブル依存症になった方は、もう一生、ギャンブルすることが出来ません。物が取れるか取れないかわからないクレーンゲームでさえ、もうやらないほうがいいでしょう。同じくアルコール依存症になった方は、もう一生、一滴もお酒を飲んではいけません。
そう、以前のように、遊び程度にギャンブルを楽しむ人、適度にお酒をたしなむ人には戻れないのです。

私は、依存症にかかった人をとても責める気にはなれません。彼らだって、好きで依存症になったわけではないのです。たまたま依存脳を持って生まれてきて、たまたま不適切なものにハマってしまっただけなのです。

私は、大谷翔平さんの無事を祈っています。水原一平さんが、しっかり罪を償い、ギャンブル依存症という心の病が寛解することを祈っています。

今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。

心から感謝申し上げます。

      この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

心理カウンセラー(公認心理師)

1960年、愛知県名古屋市で生まれ育つ。1997年06月、地元愛知でプロのカウンセラーとして独立開業を果たす。カウンセリングルーム「心の相談室with」名古屋 の室長。臨床歴25年、臨床数15,000件を超える。講演・研修回数は800回、聴講者は10万人を超える。【上手に「自分の気持ち」を出す方法】など、電子書籍を含め、20数冊の本を出版している。カウンセリング講座などを開催し、カウンセラーを育てることにも精力を尽くしている。

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