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【高野町(高野山エリア)】地域にある資源を活かして挑戦!新しいコト、ユニークなモノに挑戦するお母さん

田中寛人地域のあしもとマイスター(橋本市・高野町)

高野山で毎月21日に行われている「報恩高野市」を覗いて来ました。

毎月21日開催
毎月21日開催

前回3月に伺った際の記事はコチラ。毎回お店の内容は少し変わるようです。

毎月21日を「お大師様(弘法大師空海)の日」として行われているミニマルシェで、高野町並びに周辺市町村の事業者が出店されています。

まずは地元高野町の花坂さくら会ブースを覗いてご挨拶。
午後来てみたら、既に色々売り切れている模様。

売ってる人がコンニャクも味噌も作られています
売ってる人がコンニャクも味噌も作られています

あ、売り切れ表示が葉っぱになっている・・・。ステキ。お父さんのアイデアかな、お母さんのアイデアかな?

隠しきれていないですが、隠しています
隠しきれていないですが、隠しています

地元の方が作った手作りコンニャクを使った味の浸みたコンニャク串がそのまま食べられて、高野山でのお手軽精進料理が味わえます。

他に何か面白いものは無いかと見ていたら、前回3月に見つけて(収穫時期が冬の)和歌山県かつらぎ町産「ジャバラ」が『熟ジャバラ』になって売られていました。貯蔵して随時出荷されているようです

珍しい柑橘です
珍しい柑橘です

ジャバラは和歌山県発祥で花粉症への効能が注目されており、皮に多く含まれているナリルチンという成分がアレルギー症状を抑える働きがあると言われています。
見つけた方は来年の花粉症対策で試してみる用に、果実酒にしてストックしておくと良いかもです。

季節の果物も並んでいました
季節の果物も並んでいました

他には、和歌山県紀美野町「生石加工グループ」のお母様方が来られていました。

持って来られている商品ラインナップを見てビックリ、攻めた商品ばかりでした。

今回のラインナップ
今回のラインナップ

普通イベント出店時には「認知度高い(みんな知ってる系)」「ニーズが高そう」な商品を優先させることが多いと思いますが、ココは一味違います。同じ和歌山県民、しかも山育ちでスーパーに並ばないような素材を食べている私から見ても、非常にアグレッシブな中身!。

なので、皆様全員には受け入れられないor興味持ちづらいかもしれませんが、実はとっても素敵なものづくりをされているので、今回の記事はその商品紹介をメインにさせていただきます。

①イタドリジャム

イタドリは生でも加工でもいける、おいしい山菜
イタドリは生でも加工でもいける、おいしい山菜

若い方、都会の方はご存じないであろう春の山菜「イタドリ」(地域名:ゴンパチ)を使っています。知る人ぞ知る山菜で、時期になると遠くからイタドリ採りの方々が遠征してくるぐらい人気の山菜で保存食にもなります。

今年春の採れたてイタドリを使って作られており、お母さん方が毎年研究を重ねて美味しさや食感をupさせているとのこと。まろやかな舌触りとその味をぜひご賞味ください。

②黒豆金山寺みそ

お母さん方のオススメでした
お母さん方のオススメでした

その名の通り、黒豆入り金山寺味噌。

金山寺味噌とは、中国から製法が和歌山県に伝わりアレンジされ、和歌山県の特産品で、大豆・米・麦・野菜から作られ3ヶ月程度熟成させた発酵食品、おかず味噌。味噌汁には入れません。少し甘めでおかずや酒肴として食べることが多い。

金山寺味噌をアレンジして、どこにも無いものを創り出されたのがスゴイ。

黒豆の皮に含まれるポリフェノール(アントシアニン)が体に良いと言われているものの、それは黒紫色の色素でもあり味噌ベースと混ざると微妙な色になってしまうため、色素が溶け出さず、その上で黒豆感がハッキリわかるように仕上げるのが大変だったとのこと

見た目の黒豆感を残すのに苦労されたそう
見た目の黒豆感を残すのに苦労されたそう

米麹を作るところから地元でされています。
作り手のお母さんいわく、普通の自分たちで作る金山寺味噌よりも、黒豆を入れた方が更に美味しいようです。

③焼肉のタレ

何にでも合いそう
何にでも合いそう

全ての材料をすりおろして栄養たっぷり、ドロッと系のタレ。甘すぎないのが特徴。

市販の焼肉のタレも美味しいのですが、手作りでイチから焼肉のタレを作れるお母さんの手料理は何でも美味しそう・・・。しかも焼肉だけではなく、野菜炒め、チャーハン、カレーの隠し味に使われるそうです。

ーーーその他、なかなかスーパーで見ないモノたちーーー
(ちなみに、私は日本中の直売所を600カ所以上回って様々なご当地商品を見た眼を持っています)

梅みそは私も手作りします。我が家のとは味が異なると思いますが、きっと美味しい。
梅みそは私も手作りします。我が家のとは味が異なると思いますが、きっと美味しい。

安心して買える原材料
安心して買える原材料

気になる商品・・・
気になる商品・・・

カヤの実は珍しいナッツです。油分が多く、凍らない油が採れるので昔は氷点下になる高野山の灯明にも使われていました。
カヤの実は珍しいナッツです。油分が多く、凍らない油が採れるので昔は氷点下になる高野山の灯明にも使われていました。

商品としては珍しくはないけれど、果汁を絞るのはかなり大変。地元の柚子を使用。
商品としては珍しくはないけれど、果汁を絞るのはかなり大変。地元の柚子を使用。

田舎には一般的なスーパーに並ばないような様々な食材(=資源)がまだまだ眠っているので、チャレンジ精神のあるお母さん方と関わって一緒に何か出来たら、とっても楽しそうです。現地でしか食べられていない素材や料理、気になります。

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「報恩高野市」

※毎月21日開催

和歌山県伊都郡高野町高野山348 大師教会前敷地内
開催時間:10時~15時
アクセス:南海高野線高野山駅からバス「金剛峯寺前」下車
実施団体:高野町観光協会
TEL 0736-56-2468

紀美野町「生石加工グループ」
16名の地域のお母さん方が手作りされているそうです。

今回の高野町のイベントには不定期出店で、基本的に商品の買える場所は以下の店舗になります。
・JAながみね とれたて広場(和歌山県海南市重根西2丁目3−5)
・産直市場よってって貴志川店(和歌山県紀の川市貴志川町前田166)
・丹生の都 美里の湯 かじか荘(和歌山県海草郡紀美野町菅沢6)
・紀美野町のかみふれあい公園(和歌山県海草郡紀美野町西野971−1)
・紀美野町ふるさと納税サイト: さとふる
※団体としての通販はされておりません

ジャバラやかつらぎ町のフルーツ
NPO法人かつらぎフルーツ王国振興公社
和歌山県伊都郡かつらぎ町丁ノ町2160番地(かつらぎ町役場内)
TEL・FAX 0736-22-8363

地域のあしもとマイスター(橋本市・高野町)

和歌山県高野町在住。現場のフィールドワークを通してその土地ならではの地域資源を掘り起こし、地域づくりにつながる高付加価値商品開発や体験プログラムの企画造成支援や実践を行っています。そのスキルも活かして皆さまのまだ見ぬ和歌山県をお届けしていきたいと思っています。民俗学と発酵と和の薬草と昆虫食と染色のイベントもしています。

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