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【高野町(高野山エリア)】高野ねぶた。3万枚以上の紙を使って連日作った想いの結晶が、もうすぐ輝きます

田中寛人地域のあしもとマイスター(橋本市・高野町)

今回は、和歌山県高野町で14日に開催される「高野ねぶた奉燈行列」の製作作業現場を訪問させていただきました。

「高野ねぶた奉燈行列」@6/14 17時スタート
高野町商工会青年部の主催で、ねぶたが高野山の街中を4時間かけて練り歩きます。
翌日開催の宗祖降誕会「青葉まつり」@6/15を盛り上げるためにスタートした取り組みで、30年以上続いています。

ねぶた製作の流れ

3月にその年のテーマ決定

5月のゴールデンウィーク明けから組み立て開始
メンバー間で完成イメージを共有して、まずは木と針金でおおまかなボディ作りから

木組みと針金がのぞいています
木組みと針金がのぞいています

本番はもうすぐの14日、取材時点(6/10)で80%程度の仕上がりだそうで、紙を貼る前のまだ針金が剥き出しの箇所や未塗装の箇所が見受けられました。

まだまだ作業箇所がたくさん・・・
まだまだ作業箇所がたくさん・・・

一番大変なところ

一番大変なのは、紙を貼るまでで、イメージした形に近づけるまでのボディ作りが大変とのこと。
終わらない時は当日まで作り込む年もあるようです。

今年のねぶたの見どころ

今年のねぶたのテーマは「弘法大師による伽藍創造」

伽藍(壇上伽藍)は、弘法大師・空海が高野山を開山した際、真っ先に造営に取り組んだ場所で、奥之院とともに高野山の二大聖地の一つです。密教思想に基づく曼荼羅(まんだら)の世界観を具現化したものといわれ、高野山全体の総本堂である「金堂」や高野山のシンボルともいえる高さ48.5mの「根本大塔」など19もの諸堂が建ち並んでいます。

新作ねぶたの見どころは中ほどにある巨大なカーブを描く〇〇で、表現するのが難しかったとのこと。
当日は今年の新作1台を加えた計5台が運行します。お楽しみに!

これは去年のねぶた
これは去年のねぶた

ねぶた製作には高野町のみなさん約50人の方が関わり、商工会に入会されていない方々も参加されて、みんなで製作しており、製作の始まるゴールデンウィーク以降は、和菓子屋、胡麻豆腐屋、ガソリンスタンド、役場、金剛峯寺職員、印刷屋、電器屋、屋根屋、土産物屋などなど、昼間は普段の仕事をしてから、夜に集まって夜中過ぎ、時には朝まで作業されているそうです。

真剣&集中
真剣&集中

それぞれが得意な部分を担当
それぞれが得意な部分を担当

光を目立たせたいところはパラフィンで描画
光を目立たせたいところはパラフィンで描画

A4換算で3万枚以上の紙を貼っていく
A4換算で3万枚以上の紙を貼っていく

塗装も同時進行で
塗装も同時進行で

台車の下では電気チームもセッティング中
台車の下では電気チームもセッティング中

高野山大学の学生さんも活躍
高野山大学の学生さんも活躍

後輩は先輩に教わりながら、それぞれが得意な部分を担当し、無心で、目の前に集中し、協力し合い、一心不乱にねぶたに向き合われていました。

そして、なんとなんと連日連夜製作するだけでも大変なのに、疲労が蓄積している中で運行当日は製作メンバーがねぶたを押し手も担当し、非常にハードなスケジュールで皆さん動かれています。

今年は弘法大師が誕生されて1250年目の節目の年でもありますし、是非想いの込もった力作を高野山で楽しんで頂ければと思います。

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「高野ねぶた奉燈行列」

6/14 17時スタート
高野町商工会青年部の主催で、ねぶたが高野山の街中を4時間かけて練り歩きます。

詳細は添付の画像をご覧ください

地域のあしもとマイスター(橋本市・高野町)

和歌山県高野町在住。現場のフィールドワークを通してその土地ならではの地域資源を掘り起こし、地域づくりにつながる高付加価値商品開発や体験プログラムの企画造成支援や実践を行っています。そのスキルも活かして皆さまのまだ見ぬ和歌山県をお届けしていきたいと思っています。民俗学と発酵と和の薬草と昆虫食と染色のイベントもしています。

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