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【橋本市(高野山エリア)】幻の昭和のバタークリームケーキが食べたくて。コラボ企画

田中寛人地域のあしもとマイスター(橋本市・高野町)

前回「あずま袋」をご紹介させていただいた学文路の「さんかく」さん。

 →その時の記事はコチラ

お店では雑貨販売以外に手作りスイーツも販売されています。

私にはいろいろと食べたいものがあり、市販していない品も多いです。その中の一つがバタークリームケーキ。
私は洋菓子を作っているお店に伺った際にいつも、「バタークリームケーキありますか?」「バタークリームケーキ作れますか?」と聞いて見るものの、紀ノ川沿いではどこも今は作っていないお店ばかり。
都会ではニーズがあるのでまだ作っているお店があるのですが、田舎では絶滅してしまっていました。
それでも食べたいと思い続けて聞いて回っていましたが、なんと「さんかく」さんで作って頂けることになりました。
あきらめずに言い続けてみるものですね。

バタークリームケーキとは
バターを中心に牛乳や砂糖、卵などを加えたクリームを使ったケーキです。ケーキといえば生クリームたっぷりの生ケーキが今では主流ですが、昭和の一時期まではケーキと言えばバタークリームケーキが定番でした。昭和の時代は今のどこでも買える時代と異なり、ケーキがそれほど身近に売っておらず、お誕生日やクリスマスの時食べるとっても貴重なスイーツで、大人気だったのがバタークリームケーキでした。

バタークリームケーキは、濃厚でしっとりなめらかな口当たりが特徴のバタークリームを使用したケーキです。元々日本のケーキの主流はバタークリームでしたが、保冷剤や冷蔵庫など冷蔵保存の技術や機械が進化したことにより、1980年代の昭和の終わりと共に徐々にこってりとしたバタークリームからふわっとした口当たりの生クリームケーキに移行していきました。

特徴としては、生クリームと比べて大きく2つの違いがあります。

1つ目は日持ちがする点です。通常生クリームのケーキは当日中が賞味期限ですが、バタークリームは冷蔵保存すれば5日間程度は保管できます。また、20以下なら3日程度の常温保存ができます!こうした保存期間の長さから長い間ケーキの定番クリームとして使用されていました。

2つ目はクリームが固めという点です。生クリームの場合スッとフォークが入りますが、バタークリームは固いので冷蔵庫から出して少し常温に戻すと食べごろになります。一方でこの特徴を活かして細かいケーキの造形や立体的でダイナミックなデザインを施すこともでき、お祝いの席の華やかなデコレーションには最適です。

引用元:https://trustcellar.com/media/articles/213

さんかくのスイーツ担当スタッフさんは若いので当然かつてのバタークリームケーキを食べたことがありません。私も、食べたことがあるかもしれないのですがバタークリームを意識して食べたことがなく味の記憶は今はありません。

なので、『昭和と同じモノでなくても良いから!』という条件で特別にシンプルなバタークリームケーキを作って頂きました。
※シンプルな味を楽しみたかったので、昔のバタークリームケーキで流行っていた派手なデコレーションだけは遠慮しました。

お願いしてからしばらく経ってお店に再訪問。
大人になってからの夢の一つ、バタークリームケーキとご対面。

会いたかったよ、バタークリームの君
会いたかったよ、バタークリームの君

わずかにイエローがかったクリームがバタークリームを感じさせます。
スポンジの間にも薄くバタークリームが2層敷かれています。
トップにはキャラメリゼしたスライスアーモンドが。(この子の役目も大事)

上から見た図
上から見た図

実食。
濃厚でこってりしたバターの風味がガツンと口の中に広がって、とっても美味しーい!
濃厚なんだけれど、上に乗っているビターな味のプラリネが働いて、合わさって、ちょうどよい味。
これは甘党にはいくらでも食べられる・・・。

当時バタークリームケーキを食べていた年配層に聞くと「昔ながらのバタークリームケーキは、バターが重くてくどい」「食べると胸やけがする…」というネガティブなイメージを持っている人もいます。
それもそのはず、当時のバタークリームは安価なマーガリンを使っていた所も多かったので、後味がくどかったそう。
さんかくさんでは、発酵バターを使って本物のバタークリームケーキを作って下さいました。

この昭和の味を食べてみて欲しい

このバタークリームケーキの美味しさと出会えた喜びを皆様にも味わってもらいたいので、さんかくさんで予約注文(一週間程度必要)に限り、オリジナル版バタークリームケーキが買えることになりました! 
※より美味しく改良されるとのことで、見た目は多少変更あるかもしれません
ホール売りで、1ホール2000円~だそうです。

お子様用でも良いのですが、せっかくのリバイバル品なので大人で集まることがある際にぜひご検討ください。

他のそれなりのご年齢のスタッフさんも食べたところ、
・懐かしい!でもあの頃より胸焼けせずに食べられる!昔はもっとこってりしていた
・美味しい。味は懐かしい記憶のバタークリームケーキに近い
などのコメントあったようです。

紅茶とも合う~
紅茶とも合う~

南海電鉄を眺めながら
南海電鉄を眺めながら

ちなみに、こんな融通の利いてくれるさんかくさんでは、来週22日に橋本市内でマルシェイベントを開催されます。
※最新の開催情報はインスタグラムにてご確認ください

マルシェ開催
マルシェ開催

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「さんかく」

住所:和歌山県橋本市学文路254-3
※駐車場は、店舗北側の中野トーヨー住器株式会社さんとの間の駐車場か、南側の砂利の駐車場です。
営業日時:火11:00 - 17:30
     水11:00 - 17:30
     木11:00 - 17:30
電話番号:08013582090
公式インスタグラム

※バタークリームケーキは予約注文しないとありません。

地域のあしもとマイスター(橋本市・高野町)

和歌山県高野町在住。現場のフィールドワークを通してその土地ならではの地域資源を掘り起こし、地域づくりにつながる高付加価値商品開発や体験プログラムの企画造成支援や実践を行っています。そのスキルも活かして皆さまのまだ見ぬ和歌山県をお届けしていきたいと思っています。民俗学と発酵と和の薬草と昆虫食と染色のイベントもしています。

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