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【橋本市(高野山エリア)】夏が旬の特定外来生物の赤いアイツを頂きます

田中寛人地域のあしもとマイスター(橋本市・高野町)

月曜日は海の日でしたね。
海が近いとちょっとうらやましいですが、無いものは無いので、淡水の話題です。

美しいスイレンを食べる悪いやつを(ちょっとだけ)駆除してきました。

美しい花が咲いていました。でも、花よりだんご
美しい花が咲いていました。でも、花よりだんご

それはコイツ。アメリカザリガニです。

捕まえたらシャーしてきました
捕まえたらシャーしてきました

美しい景観を作るためにスイレンを栽培している池で、アメリカザリガニは水面から見て分かるくらい葉をちょんぎったり食べてました。
ちょっと数を減らすのをお手伝い。

適当に竹の枝を用意して、タコ糸結んで、煮干しを付けて、煮干しが沈むくらいの適当な重石を結んだら仕掛けの出来上がり!

水面のスイレンの葉にくっついたザリガニが明らかに見えていたり、又は私に気付いて水面のザリガニが水中に逃げるので、そのポイントを目ざとくチェックして、池に投入。

明らかにヤツがいるポイントに投入
明らかにヤツがいるポイントに投入

しばらく待って竿を持ち上げると糸が張っており、そーっと持ち上げるとザリガニが煮干しを挟んでいます。

意外と手製のサオから感じる重量感
意外と手製のサオから感じる重量感

20分くらいで5匹釣れました。釣りとしてもそんなに待ち時間がないので楽しい。

お酒で〆たら良かったかなぁと後で気づく
お酒で〆たら良かったかなぁと後で気づく

水深の浅い場所、ザリガニの見える場所で釣るのはやりやすいですね。

駆除したアメリカザリガニは、今の法令では気を付けなければなりません。

アメリカザリガニはとても身近な生き物ですが、近年は水辺の生態系に対して非常に大きな影響を与えていることが明らかになっており、2023年6月1日に条件付特定外来生物に指定されました。
一般家庭でペットとして飼うこと等は可能ですが、野外に放すこと等は禁止されているため、つきあい方には注意が必要です。

Q:どのような被害があるの?
雑食性で、希少種を含めた水生昆虫や両生類、魚類、貝類など、様々な生き物を食べてしまうほか、水草を切断することなどで環境を大きく変え、他の生き物の生息環境(産卵場所や隠れ家など)を奪います。結果として(水草がなくなり水の浄化機能がなくなるなどの理由で)水が濁ってしまうなど、景観まで変えてしまいます。また、病気を媒介して、日本の固有種で絶滅危惧種であるニホンザリガニや他の甲殻類を死滅させてしまうことも心配されます。

Q:何が禁止されているの?
野外に逃がしたり放したりすること、販売、頒布(広く配ること)、購入、輸入、販売・頒布を目的とした飼育等が原則禁止されています。

Q:捕獲したり、飼育したりすることも良くないの?
捕獲したり、ペットとして飼育したりすることは可能で、手続きも不要です。ただ、合わせて外来種問題について考えていただきたく思いますし、一度持ち帰ったものを野外に放すことはできないため、最後まで飼えるかどうかよく考えたうえで持ち帰るようにして下さい。
環境省HPより引用

私の場合は元々食べるために獲っているので、湯がいて美味しく頂きました。

ボイルザリガニ
ボイルザリガニ

超新鮮だけれど、全く泥抜きをしていないボイルしただけのその味は、

・身はプリプリしていて甘い。クセは無い。
・ザリガニのミソも泥臭くはない。エビやカニの味噌の味。これはクセがある。
ミソについては、苦手な人は苦手だと思います。

味付けして調理したら絶対美味しい。

一番大きなザリガニの身でこのサイズ
一番大きなザリガニの身でこのサイズ

※私は10年以上様々な野生生物を自己採集して食べており、経験知と自己責任の下に食べています。
※池の管理者に許可を頂いて採っています。

ちなみに海外でもそれなりにポピュラー食材みたいです。

・中国では、「花椒」と「唐辛子」で四川風に味付けをした、「麻辣小龍蝦」が人気。

・アメリカでは湯がいて、少し辛めの塩や唐辛子ベースのシーズニングに漬けます。とうもろこしとレッドポテトも一緒に茹でて食べるのが定番。

・フランスでは茹でたザリガニの肉を葉物野菜や果物と混ぜてサラダにしたり、ワイン蒸しにしたり、ムースにしたり、パスタにあえたり。庶民に一番食べられている料理法は「ザリガニの塩ゆで」

・スウェーデンとフィンランドでは、ハーブのディルとお水と塩で茹で、一晩寝かせれた「ディル風味ザリガニの塩ゆで」の山もりをでパーティするのが人気。食べ過ぎて絶滅寸前らしいです。

味は美味しいので、好奇心の旺盛な方々でどこかの水辺に集まって、みんなで釣って様々なレシピを試したら楽しそうです。

今回は鍋で加熱したのでジューシーでしたが、七輪使って炭火でじっくり焼いて水分を飛ばしたら、更に甘みが増えて美味しくなりそう。

どこかの水辺のある集落の方と繋がった際には駆除しながら食べる上記企画を実践してみたいと思っていますが、他にも、あしもとにある自然や文化に関わるマニアック?ユニーク?イベントに関心のある方は良ければこのメルマガに登録してみてください。

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カエルがスイレンの上でひなたぼっこしてました
カエルがスイレンの上でひなたぼっこしてました

地域のあしもとマイスター(橋本市・高野町)

和歌山県高野町在住。現場のフィールドワークを通してその土地ならではの地域資源を掘り起こし、地域づくりにつながる高付加価値商品開発や体験プログラムの企画造成支援や実践を行っています。そのスキルも活かして皆さまのまだ見ぬ和歌山県をお届けしていきたいと思っています。民俗学と発酵と和の薬草と昆虫食と染色のイベントもしています。

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