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【橋本市(高野山エリア)】柿渋がスゴイ。身近な柿が世界を救う…かもしれない。

田中寛人地域のあしもとマイスター(橋本市・高野町)

情報自体はお隣の奈良県発ですが、柿の大産地和歌山にとっても良い情報かと思い紹介させていただきます。

柿農家さんから摘果柿を頂いて、ちょうど柿渋を作っていたのでグッドタイミング!
我が家では、湿気が多くて木の家具にカビが生えたので、それ以降家具に抗菌作用を持つ柿渋を塗ってカビ予防をしています。塗って以降、全くカビは生えていません。

柿渋の原料になる、渋柿の青柿。そのままかじると非常にシブイ。
柿渋の原料になる、渋柿の青柿。そのままかじると非常にシブイ。

タイトル:柿渋飴の口腔内新型コロナ抑制効果を証明

【背景】

2019 年 12 月以来、重症の肺炎を呈する新型のコロナウイルス SARS-CoV-2 による感染症(COVID-19)が世界的に大流行しています。感染性・重症度が高く、ワクチンや治療薬が次々と開発・実用化され、一定の成果を上げているものの、新たな変異株の出現などもあり、依然として感染の完全な収束には至っていません。

COVID-19 の主要な感染経路は、接触感染および飛沫感染です。無症状もしくは軽微な症状のみの感染者にも感染性があること、また食事・発声などによって飛散する感染者の唾液中に多くのウイルスが存在することが、COVID-19 の強い感染性の一因と考えられています。口腔内の SARS-CoV-2 を不活化することで、COVID-19 の感染伝播を抑制できるのではないかと期待されます。

タンニンとは、植物に含まれるポリフェノールの一種であり、柿、お茶、ぶどうなどに多く含まれる渋みの基となる成分です。柿から抽出されたタンニンは、古くから柿渋として、革や衣服の防虫、防水や染色に利用されてきましたが、近年、柿タンニンは抗菌作用、抗ウイルス作用、抗炎症作用、抗酸化作用などの多様な作用を持つことが明らかとなってきており、様々な疾患への応用が期待されています。

【概要】

奈良県立医科大学免疫学講座の伊藤利洋教授らの共同研究グループは、カンロ株式会社との共同研究で柿から高純度に抽出した柿タンニン(柿渋)を含有する飴を開発し、同飴を口腔内に含み一定時間舐めた唾液が SARS-CoV-2 のデルタ株を不活化することを試験管内で実証しました。

更に、COVID-19 の軽症患者が同飴を口腔内に含み一定時間舐めた直後の唾液中の SARS-CoV-2 ウイルス量は検出限界以下にまで減少し、1時間後でも同飴を舐める前と比較して減少していることが確認されました。柿由来の高純度のタンニンを適切な濃度で飴に添加し、このような飴を口に入れることが、唾液中のSARS-CoV-2 を不活性化する効果的かつ安価で簡便な方法として、COVID-19 の感染拡大を抑制する可能性があることを示唆しています。

本成果から新型コロナウイルス感染症の予防・治療への柿タンニン(柿渋)の応用が期待されます。

本成果は 7 月 27 日付(現地時間)で国際科学誌「Viruses」にオンライン掲載されました。

※今回の研究から柿タンニンを含有する飴を食することで直ちに予防や治療の効果があるとするものではありません。

★奈良県立医科大学の当該論文詳細はコチラ

日本発の身近な柿が世界を救うかもしれない。この研究の今後が楽しみです。

地域のあしもとマイスター(橋本市・高野町)

和歌山県高野町在住。現場のフィールドワークを通してその土地ならではの地域資源を掘り起こし、地域づくりにつながる高付加価値商品開発や体験プログラムの企画造成支援や実践を行っています。そのスキルも活かして皆さまのまだ見ぬ和歌山県をお届けしていきたいと思っています。民俗学と発酵と和の薬草と昆虫食と染色のイベントもしています。

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