【橋本市(高野山エリア)】これまで捨てていた摘果ハッサクを生薬原料としてアップサイクリング
これまで捨てられていた摘果ハッサクを生薬原料として活用し、農家の副収入UPを目指す取り組みが、JA紀北かわかみで始まりました。
漢方薬で有名な株式会社ツムラと組んで行われます。
八朔
日本原産の柑橘で、プチッとした食感と甘酸っぱさの中にある、ほのかな苦みが特徴の中晩柑。
和歌山県の温暖な気候が、寒さに弱い八朔の栽培に適していて、現在では国内収穫量の73.7%を占める日本一の産地となっています。
八朔100g中には、約40mgのビタミンCが含まれており、八朔1個で成人の一日に必要なビタミンCを摂取できます。
八朔に特徴的な苦味は、「ナリンギン」というポリフェノールの一種の成分によるものです。「ナリンギン」はじょうのう(中袋)に多く含まれ、抗酸化作用があり、肥満予防や高血圧予防に役立つ可能性があります。
また、特に果皮に多く含まれる、香り成分の「オーラプテン」は、他の柑橘と比較しても含有率が多く、抗炎症作用や記憶力維持に有効であると期待できます。
これらの有効成分が果肉以外のところに含有することから、皮ごと食べられるマーマレードやピールなどで余すことなく摂取がおすすめ。
(和歌山県農林水産部HPより抜粋)
摘果ハッサクは「枳実」という生薬になります。
枳実とは
ダイダイやナツミカンなどの未熟な果実を乾燥した生薬で、解熱、健胃などの作用があり、大柴胡湯、四逆散、参蘇飲、清上防風湯、茯苓飲などの漢方薬に配合されています。
自律神経を整え、健胃、去痰、心機能促進などの作用があり、多くの漢方薬の主原料となっています。
株式会社ツムラに伺ったところ、
・ツムラでは枳実は皮膚疾患や便秘など13の漢方薬に配合
・国産枳実全体のうちだいたい2~3割が和歌山県産
との回答でした。
個人的に日本の薬草・生薬の活用に関心があり、和歌山の未利用資源に付加価値を与えて、苦しんでいる方の役に立つのはSDGsにも寄与するとても良い仕組みだと思いました。
クスリになるため、栽培の内容や出荷時のサイズなど制限があり、これはこれで手間がかかるようなのですがぜひ続けていって欲しいです。
以前紹介させていただいた、かつらぎ町で製造している「ゼネル50」にも生薬(ニンジンエキス/反鼻チンキ/ゴオウチンキ)が入っています。生薬に興味のある方は良かったらこちらもご覧ください。
【高野町(高野山エリア)】レトロな『ガラスアンプル型』滋養強壮ドリンク まだ買えます