【高野町(高野山エリア)】高野山のブラックでちょっと怖いはなし
暑い夏の夜を少しだけ涼しくするかもしれない話。
夜の高野山は観光地エリアがライトアップされていて美しいので、時々仕事で遅くなったついでに散歩するのですが、夜一人では行きたくない場所があります。
その場所は「蛇柳」。
蛇柳(地名)の由来
昔、ここに大蛇が居り、人に災いをなしていた。
弘法大師が高野山を開くにあたり、大蛇を真言密教の修法を以て封じ込め、その後、柳を植えここを「蛇柳」と称した。
一方、植物名で本当に和名「ジャヤナギ」という植物があります。
ヤナギ科ヤナギ属の樹木。
本州、四国、九州 の湿地に自生する落葉高木。雌雄異株。日本に自生するのは雌株のみで、雄株は発見されていない。日本で種子繁殖は行われていないものの、枝が極めて折れやすいので、強風などで吹き飛ばされ着地したところから拡散していったと言われている。
ジャヤナギ(植物名)の名の由来
ジャヤナギの名付け親は植物学者白井光太郎博士(1863~1932)で、牧野富太郎博士と同時代の人である。牧野富太郎の文によれば、高野山でヤナギの古木を採集した白井光太郎はその木が当地で蛇柳と呼ばれていたものをそのまま種の名前に定めたという。現在ではこのジャヤナギは枯死しているというが、牧野富太郎も枯れる前にこのヤナギを観察し枝を標本にしたと書いている。
出典: 木々@岸和田
ここまでは怖くないお話。
どうやら、単純に退治したヘビを祭っているだけではないようです。
高野山での処刑場の場所に、蛇柳は植えられていました。
近世末まで高野山では、聖域のため血を見ることを嫌い、「石子詰(いしこづめ)」と呼ばれる出血を伴わない方法で寺院の私刑として罪人を処刑していました。
縄で縛った処刑者を深い穴の中で立たせた上で、石や土を投げ入れて首だけ出して生き埋めにして、時間をかけて苦痛を与える方法で処刑しました。
処刑は必ず深夜に行われ、蛇柳の枝に燈明がさげられていました。
ここでは、有名な事件として橋本市に住んでいた戸谷新右衛門をご紹介。
出所 ぐるりん関西、ほか
真実は分かりませんが、「蛇」だけを供養しているのではなく、私刑にされた「罪人たち」の魂を密やかに弔っているのかもしれません。
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「蛇柳」
和歌山県伊都郡高野町高野山
場所は高野町商工会の道を挟んで反対側にあります。