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【橋本市(高野山エリア)】見るもガッカリ・恥ずかしいと言われていた蒸気機関車を、守る!

田中寛人地域のあしもとマイスター(橋本市・高野町)

地域の方で見たことはある方が多いと思いますが、サカイキャニングスポーツパーク(橋本市運動公園)の敷地内に「蒸気機関車C57 110号機」が静態保存されています。

静態保存
静態保存

今、そのSLに動きが有ります。

この蒸気機関車そのものについて

悲しい話題になるのでどうかと思いましたが、実際にあった歴史なのでそのまま紹介致します。

1939年、三菱重工業で製造。

1956年10月15日に名古屋-鳥羽間を走っていた快速列車が六軒駅(三重県松阪市)で停止するはずがオーバーランしてしまい、そのまま安全線に入って脱線しました。

その後、この蒸気機関車が脱線した快速列車に衝突してしまい、死者42名、重軽傷者94名を出す悲惨な事故になりました。事故後は補修され、亀山機関区に所属していましたが、1973年に廃車になり、亀山機関区で34年の生涯を閉じました。
引退後は橋本駅構内に展示され、現在は橋本市橋本運動公園に保存されています。

国鉄C57形蒸気機関車について

観光列車やイベントを除いて、日本で最後の旅客営業運転をおこなったSL(1975年12月14日、北海道の室蘭本線室蘭駅発岩見沢駅行き)。

1947年までの間に201両が量産されました。

性能・保守面の良さを買われて長く活躍し、国鉄の旅客用蒸気機関車の代名詞となりました。全長に比べてボイラが細く見え、スタイルが美しいとの理由で「貴婦人」の愛称で親しまれました。

※ちなみに、和歌山線の蒸気機関車の運行最終日は1972年3月。

この蒸気機関車を見たSL好きの人の声

ネットを調べてみると、SL好きの方が当地を訪れているものの、概して不評でした。

そのコメントを抜粋してみると・・・

●手入れされず 黒色の塗装は剥げているし 錆びているし 埃まみれ 可哀想な姿!!!!! 
展示と言うより棄てられて放置状態 まったく管理されていない状態。 鉄道マニアには、宝物の【C57-110号機】 ファン達が見に来るとガッカリされると思います。 
●岩出市にある根来SL公園とは違う・・・
今にも走り出しそうに思えた根来SL公園のSLに比べ、橋本のは子供を連れてきてやったのが恥ずかしくなるような姿・・・
●看板等での記載も無く見学も出来ませんでした。
解説も無く、ひっそりと置かれた機関車の横には食べごろのタケノコがたくさん頭を出していました。

確かに、サカイキャニングスポーツパーク公式HPの地図にも掲載されていない
確かに、サカイキャニングスポーツパーク公式HPの地図にも掲載されていない

現状として

・塗装がハゲまくっています。サビもかなり来ています。

・市としての活用方針は今のところ「も」無いそうです。

・現状維持と言っても、完全な屋内ではないため、雨風が入るこのままではサビが内部まで進み、本当にどうしようもない鉄くずになってしまう可能性があります。

新しい動きとして

蒸気機関車を守りたい熱い人が現れました!

有田川鉄道公園(有田川町)や根来SL公園(岩出市)の蒸気機関車の修理や保守運転なども手掛けられた経験者の方が、(施設管理者の許可の上で)無償ボランティアで今年の3月末から定期的に来られて、ほとんど知られずに、少しずつ修理を開始されています。

このSLを守ろうとされている方の活動については、皆さんにもっと知って頂きたいと思うのと、お一人でされており「ボランティア」なので少しずつの進捗ですので、後日日をおいて改めて記事化致します。

良ければご一読下さい。

【写真募集しています】

昭和50年代から橋本駅に静態保存されていた、このSLの写真を探しています。

ネガでもプリントでも情報あったら是非以下までお寄せ下さい。

saikoro3+news@gmail.com(田中)

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「蒸気機関車C57 110号機」

住所:和歌山県橋本市原田653−3 サカイキャニングスポーツパーク内

※一般の方のフェンス内への入場はできません

地域のあしもとマイスター(橋本市・高野町)

和歌山県高野町在住。現場のフィールドワークを通してその土地ならではの地域資源を掘り起こし、地域づくりにつながる高付加価値商品開発や体験プログラムの企画造成支援や実践を行っています。そのスキルも活かして皆さまのまだ見ぬ和歌山県をお届けしていきたいと思っています。民俗学と発酵と和の薬草と昆虫食と染色のイベントもしています。

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