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【高野町(高野山エリア)】母の手しごと。機械化されていない、手間ひまかけた体に優しいふるさとの味

田中寛人地域のあしもとマイスター(橋本市・高野町)

高野町花坂地区で地元の方(花坂さくら会)が作られている金山寺味噌。

今年の販売再開しました。

微生物が生きていて、夏場は発酵が進みすぎて袋から爆発しちゃうので販売中止されていましたが、寒さが進んだので販売再開です。

金山寺味噌(きんざんじみそ)とは

和歌山県、千葉県、静岡県等で生産されている、嘗(なめ)味噌の一種。中国から紀州の興国寺に伝わった径山寺味噌(きんざんじみそ)が原型となった。
大豆・米・麦・野菜から作られ、熟成させて作る。

味噌汁など食材の調味料として使うのではなく、おかずや酒のつまみとしてそのまま食べる味噌。キュウリなどにつけて酒のつまみに使ったり、塩代わりにおにぎりに塗り味噌焼きおにぎりにしたり、冷ややっこに乗せる。
※私は個人的には金山寺味噌をご飯の上にたっぷり乗せて、番茶やお湯(夏は水)でお茶漬けのようにして食べるのが好きです。金山寺の独特の香りが苦手な人でもこれは食べやすいと思います。

我が家の熟成の進んだ花坂の金山寺味噌。若いモノも美味しいし、熟成の進んだモノも深みがあって美味しい
我が家の熟成の進んだ花坂の金山寺味噌。若いモノも美味しいし、熟成の進んだモノも深みがあって美味しい

◆金山寺味噌の材料

大豆、麦、米、瓜、ナス、シソ、ショウガ、ゴマ、砂糖、塩、蜂蜜、もやし(麹カビ)

↑無添加。商品の裏ラベルには蜂蜜としか書いていませんが、この蜂蜜はニホンミツバチの貴重な蜂蜜を使っています。

野菜もたくさん入っています(商品になった状態では水分が出て、縮んでしまっていますが)。

発酵ベースとして、市販の米麹を買わず、米に麹カビを付けて育てて米麹を作るところから手間ひまかけて手作りしてます!

大豆を炒って、水に浸けふやかしながら一粒ずつ丁寧に、丁寧に薄皮を剥きます(食べた時に口当たりを良くするためのひと手間)。

大豆を炒っている時は、香ばしいキナコの香りが漂う
大豆を炒っている時は、香ばしいキナコの香りが漂う

水に漬けてふやけた大豆の薄皮を、一粒ずつ丁寧に手でむいていく。この手が、こんな作業が、機械では作れないふるさとの味を生み出すのだと思う
水に漬けてふやけた大豆の薄皮を、一粒ずつ丁寧に手でむいていく。この手が、こんな作業が、機械では作れないふるさとの味を生み出すのだと思う

お母さん方みーんな、コツコツ薄皮剥き
お母さん方みーんな、コツコツ薄皮剥き

この日、他には麦を洗って浸ける作業も見学。

枡で計量してました、枡が現役なんてスゴイ。
枡で計量してました、枡が現役なんてスゴイ。

※私は仕込み4日間のうち1日しか見学していないので、コダワリがここまでしか見えていませんが、実際には他にももっとコダワリがあると思います。

金山寺味噌は一回の仕込み作業で4日間もかかる(+発酵&熟成期間がある)ので大変な作業なのと、作り手の高齢化でごく少量の生産しかできません。

また、同じように手間ひまかけて味噌(田舎味噌)も少量ですが作っています。美味しい上に、市販のお味噌ではおきない、翌日2日目の味噌汁が美味しくなる不思議な味噌でした。

◆田舎味噌の材料:大豆、米、塩、もやし(麹カビ)

金山寺味噌も味噌も、地域や作り手(やメーカー)によって味が変わりますが、ぜひ希少な花坂の味を一度味わってみて下さい。

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「花坂の金山寺味噌と味噌」

高野山の以下の場所で買えます。

・高野山 をぐら 土産物店  ※数量限定

住所:和歌山県伊都郡高野町高野山768(精進料理の花菱さんの隣)

電話:0736-56-2452

営業時間:9時ごろ~17時ごろ

・毎月21日の「報恩高野市」 ※毎月21日のみなので注意

住所:和歌山県伊都郡高野町高野山348 大師教会前敷地内

電話:0736-56-2468

開催時間:10時~15時

地域のあしもとマイスター(橋本市・高野町)

和歌山県高野町在住。現場のフィールドワークを通してその土地ならではの地域資源を掘り起こし、地域づくりにつながる高付加価値商品開発や体験プログラムの企画造成支援や実践を行っています。そのスキルも活かして皆さまのまだ見ぬ和歌山県をお届けしていきたいと思っています。民俗学と発酵と和の薬草と昆虫食と染色のイベントもしています。

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