【橋本市(高野山エリア)】サルのいる珍しい公園「丸山公園」で『生きる』とは何かを考える
丸山公園は、見晴らしも良く、広くて開放感もあり、遊具もあり、花見の時期以外でも大人も子供も楽しめそうです。駐車場が無いからか、私の訪問した寒い時期は人もいませんでした。
その公園の中にサルの園舎があります。
サル飼育のはじまり
サル園舎は昭和29年頃、丸山公園の地元ボランティア「保勝会」=会長から、当時の青年団長さんが「子供たちが喜ぶ公園に・・・」と頼まれ、愛知県のモンキーセンターに懇願し2匹の夫婦ザルをもらって帰り、丸山公園に自分たちで園舎を建てて飼育をはじめたのがはじまりのようです。(市の担当課より)
市のHPではこのように紹介されています。
以下は、この情報だけを頭に入れて、初めて見た個人的な感想です。
昭和の時代には情報というものが気軽に入手できる環境にはなかったので、生きた個体を間近で見れるこの園舎は貴重な実学の場であり、地元のボランティアの皆さまが活発に活動されていてサルを通じた交流も生まれて地域コミュニティにも貢献していたと思いますが、今となっては動物が人間の都合で(特に真冬に見ると)ただ檻に閉じ込められているだけに見えて、こういった展示方法には違和感を覚えました。
もちろん、サル側の気持ちは筆者には分かりません。昭和29年頃から飼育され続けて、世代交代してもずっとこの檻の中で育ってきた彼らには、ここが故郷であり、生活の場であり、食事の場で安らげる場なのかもしれません。
ただ、命を扱っていることを考えると、令和の現状の展示方法では展示の目的もはっきりせず、単に動物を「見る」だけの園舎です。
専門家がいないのは仕方ないにしても、知識を得るための情報がHP上にも現場にもほぼ存在しないため、「観察する」にも相当しません。「見る」だけです、市のHP文通り「サルが居る」だけです。そこに違和感を覚えました。
観察する:物事のありのままの現象を注意深く見極め、客観的な知識を得る事
自由に繁殖もできず、群れで動く彼らが一家族だけで狭いハコの中で飼育され、何のために誰のために生かされているのでしょうか?
飼育がはじまった由来情報、最低限のニホンザルの生態情報や人間との関わり情報の提供と共に、ここは間近で見れるのが特徴なので、せめて、それを活かして見る人間側にサルについて他の施設では得られない学びを提供するであるとか、そんな取り組みをして頂けたらと思う、気持ちよくは見れないモヤモヤ感の残る公園でした。
なお、野生下での寿命は主に25年以下(幼獣の死亡率が高い)ですが、一方で餌付けされた個体群では30年以上の生存が推定されている個体もあるそうです。まだまだ彼らは生きます。
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「丸山公園」
住所:和歌山県橋本市古佐田4丁目383−2
※駐車場はありません