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論文が効果を保証!個人のノウハウ本の時代終焉の予感。『超戦略ノート術』(メンタリストDaiGo)

舘神龍彦

手帳評論家・デジアナリスト・歌手

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 前回取り上げた『すべてはノートからはじまる』につづいて、『超戦略ノート術』も入手しました。

 すでに、メンタリストDaiGoについては、YouTubeでその立て板に水な口上になじんでいたわけです。で、今回は同氏の本は実は初めて入手して読みました。

 で、先ず書籍の印象です。

 書籍とYouTubeの印象はかなり異なっていました。

 さすがに活字を追うのは、聞く一方のYouTubeとは違って、能動的に注意力を払いながら理解しなければなりません。これは活字と動画の違い。で、耳からとは違って結構骨太なことが論文というバックボーンを得て述べられているという印象を持ちました。

手書き推奨である

 で、やはりというべきか面白かったのが、手書きを徹底的に推奨していること。きれいなノートではダメで、まとめながら追記していくことで、理解や記憶への定着が進むと述べられています。

 もちろん授業におけるスマートフォンでの撮影や録画での記録もきっぱり否定されています。世代的にはデジタルネイティブの側にいるはずとおもいきや、この辺はアナログびいきというわけです。

 いやひいきという言い方も違いますね。きちんとエビデンスが示されているからです。

ノート術の歴史:やはり神社系があった

 DaiGO氏のYouTubeでは、何らかのテクニックや方法、仮説に関して必ず論文への言及があります。それが説得力につながっているわけです。

 そして、そのことで、私は、“神社系ノート術終焉の予感”を感じました。

 これまでのノート術の本の歴史を振り返ってみましょう。

 たとえば'2000年代ぐらいまでのノート術本は、著者がその方法を使っているということ自体が、書籍の存在理由でした。

 いろいろなノート術はあるけれど、私はこういう方法を編み出して便利に使っている。そのために必要なのは、こういうノートとペンである。

 ざっとこういう構成の本です。

 そして2010年代になると、神社系ノートが登場します.

 神社系ノートとはこれも私の造語です。いわば神社系手帳のノート版です。神社系手帳については、拙著『手帳と日本人』(NHK出版新書)でも触れました。簡単におさらいするとビジネスの世界で功成り名を遂げたビジネスパーソンや学者、文化人が自身の手帳に関する方法を開陳。さらに具体的に製品の形にしたモノです。
 神社系ノートはいわばこのノート版。この方法の通りにやれば、思考が整理され、効率が上がり、仕事の成果も上がるというわけです。そこでは、ビジネスパーソンとしての著者の成果が、そのノート術の説得力の要だったわけです。

神社系ノート術本終焉の予感?

 そして『超戦略ノート術』に登場するノート術は、これまでのノート術とちょっと違います。一言で言えば、それぞれのノート術の効能を保証するのは、大学の論文の研究結果なのです。

 もちろん、それぞれのノート術は、著者たるDaiGo氏によって実際に使われているものだという記述があります。その点は、ある種これまでの神社系ノート術の成り立ちを踏襲しているとも言えます。

 ただ異なるのは、それら一つ一つの方法には必ずエビデンスたる研究についての言及があることです。

 そこで私が感じた感想が表題のことです。つまり、ノウハウを紹介するビジネス書は、最初はそれが書籍として成立していることが説得力でした。次に著者の経歴や成果をもって読者にアピールしていました。

 そしてこの『超戦略ノート術』においては、著者の経歴に加えて、大学の研究による結果が、説得力の最終兵器として登場したわけです。

 もちろん、科学による研究の成果はすべて仮説であり、それは著者も了解していると思われます。ともあれ、出版された2021年8月の時点で、それらは一定の説得力を持っています。

本としての親切な作り

 もうひとつ。この本が親切だなと思うのは、巻末の記入フォーマットの見本です。本文中に照会されている4つのフォーマットがB5版の横型で織り込まれて収録されているのです。またQRコードによってダウンロードもかのうです。これを印刷すれば、何回でも記入して利用できるわけです。

 ノート術の本には、いろいろな方法が紹介されていますが、実際に見本が織り込まれている例はあまりありません。この点もとても親切だと思いました。

2冊合わせて読みたい

 そして私のおすすめは、この『超戦略ノート術』を『すべてはノートからはじまる』と合わせて読むことです。

 まったく異なる活動をしている2人の著者によって書かれた、同じノートというテーマの2冊。合わせて読むことで、ノートというものへの洞察やその可能性、自分なりの活用が見えてくると思います。

 前回の記事はこちらです。

https://creators.yahoo.co.jp/tategamitatsuhiko/0100119112

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