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【日記の効能】「最近漢字を忘れてるなあ」そう思うなら、手書きで日記を書くと漢字を忘れにくくなりますよ

舘神龍彦デジアナリスト・手帳評論家・歌手

日記の効能

 日記にはいろいろな効能があります。
 「日記なんて」。私も昔はそんな風に日記のことをバカにしていました。
 一日に起こったことを逐一書いて何のメリットがあるのか。

 で、最近は日記を複数の理由で書いています。
 まず、出来事の整理。一日にあったことを書いて頭の中をクリアにする目的です。
 ここで感情の整理などもある程度なされているのかと思います。
 一日の振り返りをするのも大きな役目です。いつどこに行き何をやったのか。うまくいったのか失敗したのかなど。書かなければ忘れていく一方ですが、記録があればあとから見直せます。

 そして最近副産物的にタイトルの効能があることがわかりました。

 漢字をよく書くようになり、比較的忘れにくくなっているのです。
 また、うろ覚えの漢字も書けるようになったりしています。

デジタル全盛のご時世に手書きをする意味

 そもそも、デジタル全盛の世の中です。ビジネスパーソンを中心として、みな、パソコンやスマートフォンの液晶画面を見ています。さらに、キーボード入力や、ソフトキーボードで文字を書いていることが多いと思います。
 かくいうこの記事もパソコンのキーボードでタイプして作っています。

 そして、意識をしないかぎり、現代では文字はペンで書く機会が激減しています。銀行や市役所の窓口で書類を書くときぐらいではないでしょうか。

 こういうご時世において、紙のノートに日記を書くのは、ペンを使って漢字を書く貴重な機会だと言えます。そもそも、タイプすることとは異なり、漢字は変換候補として出てきたりはしません。その場その場で瞬間的にも思い出しながら書く必要があるわけです。たまにわからない漢字があったら、スマートフォンでカンニング(笑)することはありますが、基本的には紙の上にペンで文字を書くわけです。

 これを毎日やっていると、漢字はわすれないです。
 また、うろ覚えの漢字も、きちんと書けるようになります。

偏(へん)と旁(つくり)を意識しながらペンを動かすこと

 私の例で言えば、たとえば「廊下」という漢字は日記を書くようになってあらためて意識して書くようになりました。偏と旁を意識したり、それぞれの読みを考えたり。

 こういうことは、パソコンでタイプしているときにはあまり考えていないような気がします。

 目的が記録なので、手段はデジタルでもいいような気がします。おそらく時間だけ考えたらそちらの方が早いでしょう。ですが、手書きの日記の中に、例え殴り書きであっても漢字を書く機会があるのは、漢字を忘れない、書く力を保持しておくためにも効き目がある様な気がします。

 ともあれ、薔薇とか憂鬱などの画数の多い漢字は、さすがに書けるようにはなっていません。
 逆に言えば、私の生活は薔薇というほどでもなく、憂鬱というほどでもないのかもしれません。

デジアナリスト・手帳評論家・歌手

デジアナリスト・手帳評論家・歌手。著書『手帳と日本人』(NHK出版新書)は日経新聞「あとがきのあと」登場ほか、大学受験の問題に2回出題。その他『凄いiPhone手帳術』(えい出版社)『システム手帳新入門!』(岩波書店)等著書多数。「マツコの知らない世界」(TBSテレビ)「HelloWorld」(J-WAVE)はじめテレビ・ラジオ出演多数。講演等も行う。手帳ユーザーを集めた「手帳オフ」を2007年から開催する等トレンドセッター的存在。自ら作詞作曲して手帳活用の基本をまとめた「手帳音頭」をYouTubeで公開中。新曲「一般男性」も発表し、新知財プロジェクトも発表。人呼んで言葉のイノベーター。

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