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やりたいことをふせんに書き出してつきとめる!「やりたいことが絶対見つかる 神ふせん」(坂下仁著)

舘神龍彦デジアナリスト・手帳評論家・歌手

 文具をテーマにした本は、書籍の中にあって1つのジャンルを形成しています。
 手帳もその1つです。そして意外と人気があるのが「ふせん」テーマの本です。

 その中でも最近刊行された「やりたいことが絶対見つかる 神ふせん」(坂下仁著 ダイヤモンド社)は注目です。

人生でなにをなすべきかをふせんを使って突き止める

 限りある人生の時間の中でなにをなすべきか。それが本書のテーマです。それをふせんを使って見つけ出そうという本です。なかなか野心的な本なのです。

 構成としては、まずふせんのツールとしての特徴・メリットを解説。次に、ふせんを使ってメモする方法を丁寧に説明しています。いろいろな例が出てきます。

 そして、その次に、これらの方法を応用してやりたいことを見つけるための方法を紹介しているのです。とくに副業については、いろいろな業種・職種について著者なりに分析しています。稼げて社会貢献ができるのは、どんなジャンルなのかをあげています。

ふせんは、デジタルとアナログのいいとこ取り

 まず序章ではふせんの特徴について著者の考えが展開されます。
 それによれば、ふせんとは「デジタルとアナログのいいとこどり」なのだそうです。
 すぐに記入ができるのはアナログのよさです。そしてカット&ペーストができるのは、デジタルのよさです。ふせんはこれを兼ね備えているのです。

 次の第1章では、自分がやりたいことをつきとめるための、ふせんの基本的な書き方についての説明があります。たとえば願望については
・現在形で書く
・肯定形で書く
 ことが勧められています。

 また1枚には、1つのメッセージのみを書くことも押えられています。
 これはよく知っている人には常識みたいなことですが、基本でもあります。それ故このことが、丁寧にちゃんとかかれているわけです。

 また、自分の価値観や関心事もふせんに書いて明確にすることが必要です。そしてそのための記入方法も説明されています。

 自分の価値観や関心事などは、わかっていると言えそうです。ですが、言語化してはじめて分かることもあるわけです。この種の本ではよく書かれていることではあります。ですが、こういう基本もおろそかにせずきちんと書かれているのはこの著者の誠実さだと感じました。

自分探しにもふせん

 ここまで読むと、がぜんふせんを書きたくて仕方がなくなると思います。
 そして、書きたくなって仕方なくなった人が次に進むのが第2章「ふせんで自分探しをする」です。
 ここで出てくるのがノートです。自分の関心事や価値観を書いたふせんをノートに貼るのです。そのことで何枚ものふせんが一覧可能になります。

 この本のテーマになっているのは、その名の通り「やりたいことを見つける」ことです。そのためのふせんの使い方がいろいろ書かれています。

やってみたくなる具体的な方法

 そして第3章では、ふせんマンダラという方法を使い、自分の考えを熟成させていく方法が紹介されています。マンダラ状にふせんを展開させる方法は、これまた簡単ながらとても実践的です。 

 今読み直してみて気がつきました。一つ一つは平易な方法ですが、内容はとても濃いです。そしてそれでいて実践はとても簡単なのです。ふせんさえあれば、あるいはそれを貼るノートさえあれば、誰でも同じことができるのです。

 もしあなたが、やりたいことが見つからないと悩んでいるのなら、本書『やりたいことが絶対みつかる 神ふせん』はまたとない一冊です。

※この記事は出版社・著者に書籍を提供いただいた上で作成しています。

デジアナリスト・手帳評論家・歌手

デジアナリスト・手帳評論家・歌手。著書『手帳と日本人』(NHK出版新書)は日経新聞「あとがきのあと」登場ほか、大学受験の問題に2回出題。その他『凄いiPhone手帳術』(えい出版社)『システム手帳新入門!』(岩波書店)等著書多数。「マツコの知らない世界」(TBSテレビ)「HelloWorld」(J-WAVE)はじめテレビ・ラジオ出演多数。講演等も行う。手帳ユーザーを集めた「手帳オフ」を2007年から開催する等トレンドセッター的存在。自ら作詞作曲して手帳活用の基本をまとめた「手帳音頭」をYouTubeで公開中。新曲「一般男性」も発表し、新知財プロジェクトも発表。人呼んで言葉のイノベーター。

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