【埼玉県鳩山町】管理栄養士の作る野菜ランチ!「みんなのおかげで続けられる」70歳からの新たな挑戦
「夢は?と聞かれたときに答えられなかったんです。これはよくないなぁと思いました。何かできることで一歩進もうと思って、日替わりシェフを始めました」
『鳩山町コミュニティ・マルシェ』の日替わりシェフとして月2〜3回出店されている『キッチンcotocoto(コトコト)』の髙木さんにお話をお伺いしました。
『キッチンcotocoto』と言えば、『鳩山町コミュニティ・マルシェ』の指折りの人気店ともいわれ、ランチはほぼ毎回完売。いつか食べてみたいと思っていましたが、ついに叶いました!
取材当日のランチメニューは、「とうもろこしご飯と肉詰め」800円。
全て手作りという、ボリュームたっぷりながら野菜をしっかりとおいしく摂れるメニュー。毎日食べたくなる、「こんな料理が自分で作れたらいいのになぁ〜」と思わずつぶやいてしまう味です。
野菜は自家製や鳩山町、近隣のものを中心に使用。山形県のサクランボ農家で生まれた髙木さんは、「作り手の顔が見える食材が一番信頼できるし、安心」といいます。味噌やドレッシングも全て手作りです。
髙木さんが『鳩山町コミュニティ・マルシェ』の日替わりシェフを始めたのは今から3年前、70歳の時。それまで鳩山町や坂戸市、越生町などで料理教室を開いたり、病院などでフリーの管理栄養士として働いていました。(料理教室は現在は終了)
「みんなにもっと野菜を食べて欲しい、栄養を摂って欲しいと思って、ボランティアもしていました。どの仕事も楽しかったし、やりがいがありましたよ」
髙木さんは「地域の食材を使った手作り料理を提供する古民家カフェをいつかやりたいな」とも思っていましたが、様々な事情から断念します。その頃行ったボランティアの研修で、これからの夢を聞かれ答えられなかったことがあったといいます。仕事は楽しかったものの、「このままではいけないな」と思ったそうです。
そんな時、『鳩山町コミュニティ・マルシェ』の日替わりシェフの募集を知ります。栄養士仲間やご近所の皆さんの後押しもあり、チャレンジすることに。出店は月1回からスタートし、たくさんいらっしゃる出店者さんの中でも人気を集め、現在は月2〜3回に増えました。
この3年間について髙木さんは、「ご近所さんが手伝ってくれて一緒に作るのも楽しいし、お客さんにそれを提供して喜んでもらうのも楽しい。ご近所の農家さんが『今度使ってみて』と旬の野菜を持ってきてくれたりもして。今まで以上にいろんな人と関われるようになって充実しています。いい人に出会えて、みんなに支えられていい人生だなぁと。続けてこられたのはみんなのおかげです」と微笑みます。この日もランチ終了後、自分達の作ったランチを食べながらスタッフの小鷹さんと楽しそうにお話をされていました。
取材にお声がけしたタイミングは小鷹さんと一緒にちょうどアンケートをチェックしているところでした。『キッチンcotocoto』では全ての回答に目を通しているそう。
「鳩山の人はいい人が多いから、いいことを書いてくれことが多いんだけど。よりいいものを作りたいから全部読んで、次回の献立に活かします」といいます。地元のお店で、しかも人気店ともなればその評価に甘えてしまいそうなところ。しかし現状に満足せず、努力を惜しまないプロ意識が人気の秘訣なのだと思いました。
これからの目標を聞くと、「鳩山町の杏が去年たくさん破棄されてしまったと聞き、もったいないなと思って杏ジャムを作りはじめました。まずはそれを軌道に乗せなきゃ」といい、7月には杏ジャムの販売も始めました。
「毎日やることがたくさんあって大変」とイキイキと笑う髙木さん。いくつになってもどんな状況に置かれても、思い切って新しいことにチャレンジしてみるのが人生を楽しむコツなのかな、と勉強させていただきました。
『キッチンcotocoto』さんの8月のメニューは「茄子のハサミ焼きと冷や汁」800円。8月は3日と17日に出店予定です。自分でも作れそうで作れない、栄養たっぷり野菜ランチをぜひご賞味ください。
キッチンcotocoto
メール:sakuranbo2411@gmail.com
※実店舗はありません。予約は鳩山町コミュニティ・マルシェへ。
※ランチメニューは変更になる場合があります。
鳩山町コミュニティ・マルシェ
公式サイト (外部リンク)
住所:埼玉県比企郡鳩山町松ヶ丘1-2-4
電話番号:049-272-7528
ランチ営業:11:30〜(なくなり次第終了)
※キッチンcotocotoさんの9月以降の出店予定はコミュニティマルシェのインスタグラムか「広報はとやま」をご確認ください。
※ランチは事前予約がおすすめです。