Yahoo!ニュース

【鳥取市】1区間240円かかる!?山陰本線鳥取福部間には何があるのか調査してみた

てっちー大学生兼ライター(鳥取市)

鳥取市を横断するように走っている山陰本線。市内には、福部駅に始まり青谷駅まで全部で7駅があるわけですが。一度は疑問に思ったことがあるのではないでしょうか。
福部鳥取の運賃高くね?って。(唐突)

こちらが鳥取~福部を乗換案内で検索した結果になります。一駅間で240円。
反対方面の鳥取~湖山は190円、下に伸びる因美線も隣の津ノ井駅までは同じく190円です。
所要時間も12分。明らかに長い、ですよね。こちらも湖山駅、津ノ井駅ともに4~5分ほどで到着します。
さてさてこの区間はなぜこれほど運賃も所要時間もかかるんでしょうか。

というわけで、私。実際に乗ってみました笑。

出発は鳥取ではなく湖山。福部駅までは330円の切符になります。ちなみに、同じ330円の切符で因美線なら鳥取から3駅先の郡家まで、米子方面には青谷まで行けてしまいます。うーんやっぱ高くね?笑

鳥取駅まではいつもの旅路。車窓から田園と山のコラボがみられるこの区間。たった数分でも旅気分を掻き立ててくれます。横揺れが激しいのだけどうにかなってくれれば最高笑。

鳥取駅に到着して、すぐ隣のホームにいた列車に乗り換え。って1両…
この列車の後は2時間半列車がないというのに…

案の定車内は満席どころか立ち客も大勢…まぁ、どうせ一駅で降りちゃうし
せめて、ドア近くでもたれかかれる場所を見つけて車窓を眺めることに。

しばらくは高架の線路が続き、住宅街や多少のビルなども見られましたが、走り出して数分すると、もうそこは木々が生い茂る山の中に。このまま何もないまま福部に到着かと思いきや。

突如として、森の中に線路が現れました。
しかし、線路もかなりさびているし、間には草も生え散らかしているし…しばらく使われていない線路?

実はこれ、”滝山信号場”という列車が行き違いできるように設置されているものなんです。
山陰本線は、基本的に単線になっており、長い駅間のところでは、列車同士が行き違いできるように待ち合わせができる線路が作られているところも。

しかし、この滝山信号場は一般的な信号場とは大きく異なっています。通常信号場は、2本の線路を並べ、一方が退避用の”副線”と呼ばれる線路に入り、もう一方が本線を通過していくという形になっているものですが。

この滝山信号場は、”スイッチバック式”という方式の信号場です。
筆者自作の適当図で解説すると、まず鳥取方面に向かう列車は福部から来たら引上線②のほうに入ります。線路は途中で行き止まりになっていて、鳥取方面には通じていません。
先ほど森の中からいきなり出てきた草の生え散らかした線路がこの引上線②になります。
ここで反対からくる列車が本線を通過するのを待ち、通過していったら…逆方向に進んでいきます。一度引上線①のほうに入り、進行方向を元に戻してまた鳥取方面に進んでいく、ということになります。

逆方向に進んでいくことをスイッチバックというのですが、これ自体は昔の路線ではよくあること、山間に作られた駅では今でも残っているところはたくさんあります。お隣島根県にも。
ただ、スイッチバック式の信号場というのは、なかなか見られるものではないですね。日本全国様々なところを旅してきた筆者ですが、このタイプの信号場は鳥取で初めて見ました笑。

こちらは福部駅からの帰りの車内から撮影した図の引上線①になります。
ちなみに、鳥取駅から来た列車が退避をする側の時は、逆に引上線①で退避、引上線②に入って進行方向を戻すという形になります。
本来退避というのは、速度の遅い列車が速達列車を待つという場合がほとんどですが、この滝山信号場では過去には速達列車が遅い列車を待つ、というパターンもあったようです。

なお、線路がかなりさびているという話をしましたが、現在はこの信号場は使われておらず、信号機がおかれているだけのただの線路、ということになっているようです。

こちらも帰りの車内から撮影した信号場の様子。線路がYの字に分かれているところが2つみられるかと思います。図上では2本の引上線と交わっているところの様子になります。

こちらがウィキ先生に掲載されていた山陰本線の路線距離を表すものになります。ここにも、滝山信号場の表記が見られますね。Youtube上に、滝山信号場が実際に使われていた際の動画がまだまだ残っていましたので、興味を持たれた方はぜひぜひ検索してみてください。
こちらもウィキ先生情報ですが、福部鳥取の11.2Kmという駅間は、山陰本線の中で最長の駅間なんだそうです。約700Kmにわたる山陰本線のなかで最長がこんなところに…

ということで、実際の駅間くらいの時間を記事上でもかけて。福部駅に到着です。
1面2線の無人駅で、駅には券売機すらもありませんでした。それどころか、飲み物の自販機すらも設置されていない。もし訪れられる方がいたら…

駅前の道路を道沿いに歩いて5分ほどのところに、自販機がいくつかある商店のようなところがありますので、ちっとも来ない汽車を待つ間にのどが渇いた方はこちらに笑。

なお、駅のホームからは福部らっきょうの畑と思われる砂浜が見えますので、景色は抜群です。間に遮るものも何もないので。

さて、今回は一駅で12分、240円かかる鳥取福部間の謎を解いてきました。
スイッチバック式の信号場、かなりレアなものになりますので、興味を持たれた方はぜひ一度ご自分の目で!

それでは今回はこの辺で~。

大学生兼ライター(鳥取市)

愛知県出身鳥取市在住の大学生。有名どころはもちろん、隠れた名所やおいしいグルメなど鳥取市内をくまなくご紹介します。また、大学生向けの簡単料理などもそのうちやってみる予定です。お金はないけど行動力には自信があります!よろしくお願いします!!

てっちーの最近の記事