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小樽市で開催の並行在来線廃止「問題提起」セミナー 小樽市長や地元代議士らおよそ40名が参加

鉄道乗蔵鉄道ライター

 小樽市倫理法人会は、2023年7月8日(土)の経営者モーニングセミナーで、交通コンサルタントの阿部等氏らを講師に招き、長万部―小樽間で廃止の方針が決定された北海道新幹線の並行在来線問題を提起するセミナーを開催。

 セミナーには、小樽市の迫俊哉市長のほか、中村裕之衆議院議員とおおつき紅葉衆議院議員も出席。地元トップが勢揃いし、小樽市のほか余市町や倶知安町などからもおよそ40名が出席した。

 冒頭に登壇した経済ジャーナリストの櫛田泉氏は、並行在来線の廃止の方針が決定されたプロセスについて、密室協議の場で同程度の鉄道路線のおよそ7倍の経費で赤字額が見積もられ廃止の結論が導かれたことを指摘。

 特に、輸送密度が2000人を超えている小樽―余市間については、朝ラッシュ時の乗客をさばくためには10台以上のバスが必要になること。沿線にバス路線網を展開する北海道中央バスがドライバー不足を理由に、鉄道代替バスの引き受けを断り続けていることにも触れられた。

 交通コンサルタントの阿部等氏は、北海道新幹線並行在来線対策協議会にも有識者として招聘されており、鉄道再生プランについての提言を行っていたことについては、2023年2月17日付記事(「余市―小樽間」鉄道再生は可能、協議会で黙殺された有識者提案)でも触れたとおりであるが、並行在来線の再生という問題について「財源の確保や具体的な活用策などについて、いわば算数と理科の問題としては解けている自信がある。これからは地域の皆さんと一緒に国語と社会の問題として解いていくことで、後志地域の未来を開きたい」と力説した。

2列目に迫小樽市長と中村代議士の姿も(写真:小樽市倫理法人会)
2列目に迫小樽市長と中村代議士の姿も(写真:小樽市倫理法人会)

 同様のセミナーは7月15日(土)にも午前6時半から小樽市色内のホテルノルドで開催される。誰でも無料で参加することができるが、早朝開催のため始発列車では間に合わず、前泊する場合は、小樽商科大学生チームが運営するコミュニティスペースTug-Bがおすすめ。

 Tug-Bへの予約については、下記サイト内の電話番号に「全国旅行支援で」と電話すると、1泊2400円で宿泊できるほか2000円のクーポンが付く。クーポンでは、JR北海道の普通列車1日フリー切符の購入もできる。

▼コミュニティスペースTug-B
https://www.tug-b.com

次回開催スケジュール

<日時:2023年7月15日(土)>

『通勤通学観光客で大混雑でも鉄道廃止に!?』『小樽―余市間鉄道再生の処方せん』

2022年3月、北海道新幹線の札幌延伸開業に伴ってJR北海道から鉄道経営が分離される小樽―長万部間の鉄道について北海道庁が主催の協議の場でバス転換の方向性とされました。

このうち小樽―余市間については輸送密度が2000人を超えている混雑区間で、北海道中央バスもドライバー不足の問題から鉄道代替バスの引き受けに難色を示しています。

7/8と7/15の2週に渡って、この問題の本質と鉄道再生のための処方せんを講話します。

時間:午前6:30~7:30
会費:無料
※どなたでもご参加いただけます。
会場:ホテルノルド小樽
事務局:050-1016-9112(担当:松永)

※7:30からの朝食会に参加される場合、初参加の方には朝食バイキング券が進呈されます。

▼2023年7月15日小樽市倫理法人会モーニングセミナー
https://www.hokkaido-rinri.jp/morning-seminar/2023/06/27/16413/
▼小樽市倫理法人会
https://www.hokkaido-rinri.jp/tankai/otaru/

(了)

鉄道ライター

鉄道に乗りすぎて頭の中が時刻表になりました。日本の鉄道全路線の乗りつぶしに挑戦中です。学生時代はお金がなかったので青春18きっぷで日本列島縦断修行をしてましたが、社会人になってからは新幹線で日本列島縦断修行ができるようになりました。

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