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引退したはずのキハ40形が長万部―小樽間に出没!? 何のための運行なのか調べてみた

鉄道乗蔵鉄道ライター

 2023年7月下旬ころから函館本線(山線)の長万部―小樽間では同区間から引退したはずのキハ40形が白昼堂々運行され話題となっている。話題のキハ40形は旭川運転所所属の1両編成で、日中の蘭越―倶知安―余市間での目撃情報が相次いでいる。山線の旅行中にキハ40形を目撃した鉄道ファンからも「あれ、キハ40の運用ってまだ山線に残ってたっけ??」などSNSをにぎわせている。

 山線では2020年3月のダイヤ改正で、それまで同区間の主力車両だったキハ150形とともにキハ40形が引退。同区間の普通列車はすべて新型のH100形に置き換えられた。北海道内では、国鉄時代の1977年に登場したキハ40形の引退が進んでいることから、年々、その希少価値が増し、キハ40形はファンからの注目を集める存在となっている。

 このキハ40形、いったいどのような行程で運行されているのだろうか。沿線での目撃情報をまとめると、午前中に倶知安―蘭越間を2往復。その後、昼過ぎに倶知安から余市へ。余市では折り返し運転を行いそのまま長万部へ。長万部駅でしばらく停車したのち倶知安に戻るというダイヤで、夜間は倶知安駅に滞泊しているようだ。また、このキハ40形は、営業列車ではなくほとんど人も乗っていない様子で「函館本線」と書かれた羊蹄山のイラスト入りのサボが差し込まれていることから、謎は深まるばかりである。

 こうしたことから、このキハ40形が何のために運行されているのか誰か知る人はいないかと、沿線の地域関係者に話を聞いたところ、ネットフリックスのドラマ撮影のための臨時列車であるということが分かった。7月はドラマ撮影の下見もかねて少数の関係者のみの乗車で運行されており、8月からはこの列車を使い本格的なドラマ撮影が行われる。現在、沿線ではこのドラマ撮影のためのエキストラ募集が盛んにおこなわれているということで、このドラマ撮影列車は8月8日頃まで運行されるという。

エキストラ募集を告知するチラシ(画像:余市駅を存続する会提供)
エキストラ募集を告知するチラシ(画像:余市駅を存続する会提供)

(了)

鉄道ライター

鉄道に乗りすぎて頭の中が時刻表になりました。日本の鉄道全路線の乗りつぶしに挑戦中です。学生時代はお金がなかったので青春18きっぷで日本列島縦断修行をしてましたが、社会人になってからは新幹線で日本列島縦断修行ができるようになりました。

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