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2024年3月末で一部廃止のJR北海道・根室本線 普通列車乗り放題「1日散歩きっぷ」でどう攻略するか

鉄道乗蔵鉄道ライター

 2024年3月末限りで廃止となるJR北海道・根室本線の富良野―新得間81.7 km。このうち東鹿越―新得間41.5kmは2016年8月31日の台風10号による被害を受け不通となったままバスによる代行輸送が続いており、鉄路としての復旧がないまま廃止される見通しだ。すでに、根室本線の富良野―新得間は廃線特需による鉄道ファンの訪問による混雑が始まっている。

 JR北海道では、2023年4月29日から11月12日までの土休日に札幌近郊区間の普通列車が乗り放題となる「1日散歩切きっぷ」を大人2540円、子供1270円で販売しており、フリーエリアは根室本線の富良野―新得間を含む新得駅までが乗車可能となっている。

 こうしたことから、今回はこの「1日散歩きっぷ」を活用した根室本線の富良野―新得間の攻略プランを紹介したい。

2016年の台風災害以降、列車の終着駅となった東鹿越駅(筆者撮影)
2016年の台風災害以降、列車の終着駅となった東鹿越駅(筆者撮影)

ルートは滝川・富良野先回りか、南千歳先回りか

 札幌駅から、根室本線の富良野―新得間を攻略するためには、滝川・富良野先回りで新得に向かうか、南千歳から石勝線経由で新得に向かいそこから根室本線の代替バスで富良野に向かう方法の2通りが考えられる。それでは具体的な乗車プランの比較を行ってみたい。

乗車プランの比較(2023年9月現在)

<滝川・富良野先回りプラン>

・札幌6:58→8:36滝川 JR函館本線・滝川行

・滝川9:42→10:48富良野 JR根室本線・富良野行

・富良野14:14→14:59東鹿越 JR根室本線・東鹿越行

・東鹿越15:13→16:21新得 JR根室本線※代行バス・新得行

・新得18:37→19:46東鹿越 JR根室本線※代行バス・東鹿越行

・東鹿越19:57→21:33滝川 JR根室本線快速・滝川行

・滝川21:40→22:18岩見沢 JR函館本線・岩見沢行

・岩見沢22:34→23:16札幌 JR函館本線・滝川行

 滝川・富良野先回りのプランでは、札幌駅を早朝の6時58分に出発すると富良野駅に到着するほな10時48分だ。富良野駅では3時間半近い待ち時間が生じるが、「1日散歩きっぷ」のフリーエリアは富良野線の美瑛駅まで設定されていることから、この待ち時間を利用して美瑛まで往復乗車することが可能である。新得駅までは、日が落ちる前に乗り通すことが出来るが、追加料金の支払いなく石勝線で新夕張・南千歳方面へ抜けるのは不可能なので、「1日散歩きっぷ」の効力内で札幌に戻るためには、再び代行バスに乗車し、富良野・滝川経由で乗車する必要がある。

東鹿越駅で15時13分発の代行バスに乗車する人々(筆者撮影)
東鹿越駅で15時13分発の代行バスに乗車する人々(筆者撮影)

<南千歳先回りプラン>

・札幌10:35→11:07千歳 JR快速エアポート106号・新千歳空港行

・千歳11:11→12:10新夕張 JR石勝線・新夕張行

・新夕張15:30→16:33新得 JR特急おおぞら7号・釧路行

・新得18:37→19:46東鹿越 JR根室本線※代行バス・東鹿越行

・東鹿越19:57→21:33滝川 JR根室本線快速・滝川行

・滝川21:40→22:18岩見沢 JR函館本線・岩見沢行

・岩見沢22:34→23:16札幌 JR函館本線・手稲行

 南千歳先回りのプランでは、「1日散歩きっぷ」の以下の特例を利用して追加料金なしに石勝線の「新夕張―新得間」で特急列車の自由席への乗車が可能である。

・石勝線の「新得~新夕張」間は乗車駅、下車駅ともに「新得~新夕張」間内である場合に限り、特例として特急・急行料金を支払うことなく特急・急行列車の普通車自由席が利用できます。ただし、乗車駅・下車駅のいずれかが「新得~新夕張」間の範囲外である場合は、別に特急・急行列車の利用全区間の運賃・料金が必要です。

 しかし、新得から代行バスで東鹿越を経由し、富良野に向かうのは日没後となってしまい、車窓風景を楽しむことが出来なくなってしまうことから、注意が必要だ。

東鹿越駅で19時57分発の滝川行に乗車する人々(筆者撮影)
東鹿越駅で19時57分発の滝川行に乗車する人々(筆者撮影)

(了)

鉄道ライター

鉄道に乗りすぎて頭の中が時刻表になりました。日本の鉄道全路線の乗りつぶしに挑戦中です。学生時代はお金がなかったので青春18きっぷで日本列島縦断修行をしてましたが、社会人になってからは新幹線で日本列島縦断修行ができるようになりました。

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