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9月30日に閉鎖が迫る! 札幌駅バスターミナルはどんなターミナルだったのか

鉄道乗蔵鉄道ライター

 札幌駅前でビックカメラなどが入居していた複合商業施設、札幌エスタが8月31日に閉店となり話題となったが、この1階に入居する札幌駅バスターミナルの閉鎖が9月30日に迫っている。札幌エスタの閉店は、北海道新幹線の札幌延伸開業を見据えた北5西1・西2地区市街地再開発事業に伴うもので、9月30日のバスターミナル閉鎖をもって完全閉店となる。

 これまで札幌駅バスターミナルに発着していた北海道各地を結ぶ都市間高速バスや札幌市内の路線バスは、札幌駅周辺の路上に分散設置した仮設バス乗降場からの発着に変更になる。

バスターミナル閉鎖を告げる案内(筆者撮影)
バスターミナル閉鎖を告げる案内(筆者撮影)

かつての札幌駅前国鉄バスターミナルを複合商業施設化

 札幌駅バスターミナルの開業は1978年9月1日で、かつての札幌駅前国鉄バスターミナルを複合商業施設化し、その1階をバスターミナルとしたものだ。札幌駅バスターミナルの設置者は札幌市であるが、国鉄バスターミナルだった用地を複合商業施設化した関係から、管理運営はJR北海道関連会社の札幌駅総合開発が行っている。

ターミナル内部の様子(筆者撮影)
ターミナル内部の様子(筆者撮影)

 ターミナル内には、北・中・南の3つのレーンが設置されており、こられのレーンに18の乗り場が割り当てられている。さらに、北・中・南の3つのレーンは、構内中央の横断歩道で結ばれており、この横断歩道には遮断機付きの押しボタン式信号機が設置されていることも札幌駅前バスターミナルの大きな特徴であった。

札幌駅バスターミナルの特徴だった遮断機付き横断歩道(筆者撮影)
札幌駅バスターミナルの特徴だった遮断機付き横断歩道(筆者撮影)

再開発後は「バスタ札幌」に?

 札幌駅前バスターミナルの閉鎖は2028年度までの約5年間とされ、国土交通省北海道開発局札幌開発建設部が事業主体となった「バスタプロジェクト」が始動。札幌駅周辺に点在しているバス停の集約も併せて実施され、札幌駅バスターミナルは再開発後には「バスタ札幌」となることが予想される。

 しかし、一方で北海道内ではバス会社各社がドライバー不足などを理由にバス路線の廃止や減便を進めている実態がある。これは、地方のバス路線だけではなく都市間高速バスや都市部のバス路線も同じ状況で、札幌と函館を結ぶ高速はこだて号は10月1日から便数がこれまでの8往復から4往復に半減され、「バスタ札幌」が完成する2028年度の北海道の路線バス事情の更なる悪化が危惧される。

10月から便数半減の高速はこだて号も札幌駅バスターミナルに発着している(筆者撮影)
10月から便数半減の高速はこだて号も札幌駅バスターミナルに発着している(筆者撮影)

(了)

鉄道ライター

鉄道に乗りすぎて頭の中が時刻表になりました。日本の鉄道全路線の乗りつぶしに挑戦中です。学生時代はお金がなかったので青春18きっぷで日本列島縦断修行をしてましたが、社会人になってからは新幹線で日本列島縦断修行ができるようになりました。

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