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JR北海道、春ダイヤ改正で毎時1本に増発 停車駅は新札幌・南千歳のみの特別快速「エアポート」の実力

鉄道乗蔵鉄道ライター

 JR北海道は2024年春のダイヤ改正において新千歳空港へのアクセスを担う快速エアポート号の増発と停車駅の変更を行うことを発表している。目玉となるのは、札幌―新千歳空港間を最速で結ぶ特別快速「エアポート」号の日中時間帯の毎時1本への増発だ。

 途中、新札幌駅と南千歳駅にしか停車しない特別快速エアポート号は、現在は1日2往復の設定だ。札幌から新千歳空港に向かう列車は、札幌駅を6時57分に発車する66号と8時2分に発車する80号の2本。新千歳空港から札幌に向かう列車は、新千歳空港駅を20時47分に発車する207号と21時56分に発車する219号の2本のみだ。札幌―新千歳空港間を通常の快速エアポート号が最速38分で結ぶのに対して、特別快速エアポート号は最速33分で結んでいる。

 筆者は12月上旬、朝の札幌駅を発車する特別快速エアポート66号に乗車したので、今回はその時の様子を紹介したい。

特別快速エアポート号の電光掲示(筆者撮影)
特別快速エアポート号の電光掲示(筆者撮影)

 筆者が札幌駅へと到着したのは、6時40分を過ぎた頃であった。乗車する特別快速エアポート66号の発車時刻のおよそ15分前であった。発車は5番線からで、ホームへと上がるとすでに空港へと向かう乗客で列ができていた。特別快速エアポート号は、電光掲示板には特急列車と同様に赤色での案内表示が示されていることが大きな特徴だ。一方の、快速エアポート号はオレンジ色で案内表示がなされており、特別快速であることが一目でわかるように工夫がなされている。また、停車駅についても「新札幌・南千歳」の2駅のみが表示されていた。

釧路行の特急おおぞら号と並んだ特別快速エアポート号(筆者撮影)
釧路行の特急おおぞら号と並んだ特別快速エアポート号(筆者撮影)

 筆者が乗車する特別快速エアポート66号は、発車時刻のおよそ10分前に千歳方面より多数の乗客を乗せて到着。どうやらこの折り返し列車が特別快速エアポート66号となるようだ。車両は、一般車がロングシートとなる733系3000番台だった。車両前面上部の種別も赤色で「特別快速エアポート」と表示されており、こちらも目を引く。そして、座席がほどよく埋まる程度の乗客を乗せ、列車は6時57分の定刻通りに札幌駅を発車した。

朝日を浴びた札幌の街並みと豊平川(筆者撮影)
朝日を浴びた札幌の街並みと豊平川(筆者撮影)

 札幌駅を発車すると列車は朝日を浴びながら、苗穂運転所が併設された苗穂駅を通過し豊平川を渡る。豊平川からは朝日を浴びた札幌の街並みを一望できた。そして、白石駅を通過し函館本線と別れると最初の停車駅である新札幌駅には7時5分に到着。新札幌駅でもそれなりの乗車があり、新千歳空港から朝の航空便を利用する乗客が一定数存在することを実感した。なお、JR北海道が公開した2022年度の輸送密度は千歳・室蘭線の白石―苫小牧間が38,410人/日となっており、特別快速・快速エアポート号が運行されている千歳線は北海道で一番利用者が多い路線となっている。

プロ野球・日本ハムファイターズの新球場・エスコンフィールド北海道も車窓からよく見えた(筆者撮影)
プロ野球・日本ハムファイターズの新球場・エスコンフィールド北海道も車窓からよく見えた(筆者撮影)

 新札幌駅を発車してしばらくすると車窓右手側に、この春に新しく開業したプロ野球・日本ハムファイターズの新球場・エスコンフィールド北海道が見えた。エスコンフィールド北海道の隣接地には、北海道ボールパーク新駅の建設が予定されている。そして、北広島駅を通過し、次の南千歳駅には7時26分に到着。南千歳駅からは単線の支線へと分岐し、地下駅となる新千歳空港駅には7時30分に到着した。札幌駅からの所要時間は33分だった。

新千歳空港駅では、折り返し7時51分発札幌行の普通列車となった(筆者撮影)
新千歳空港駅では、折り返し7時51分発札幌行の普通列車となった(筆者撮影)

 朝の通勤時間帯に設定されている特別快速エアポート号は、停車駅が新札幌駅と南千歳駅に限られていることから、大きな荷物を抱えた空港利用者の利用がメインとなり、札幌方面から千歳線沿線に向かう通勤・通学客とは完全に乗客が分離されていることが大きな特徴で、空港利用者に対して快適な移動を提供できている点が真の実力と言えよう。

(了)

鉄道ライター

鉄道に乗りすぎて頭の中が時刻表になりました。日本の鉄道全路線の乗りつぶしに挑戦中です。学生時代はお金がなかったので青春18きっぷで日本列島縦断修行をしてましたが、社会人になってからは新幹線で日本列島縦断修行ができるようになりました。

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