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北海道新幹線・新小樽駅への架空鉄道「小樽市電」がXで話題 バスだけではアクセス不安か!?

鉄道乗蔵鉄道ライター
架空鉄道「小樽市電」の路線図(画像:和田哲/ブラサトル@Satoru_Wada)

 北海道新幹線の新小樽駅と小樽駅を結ぶ架空鉄道「小樽市電」のポストがX(旧ツイッター)で話題になっている。投稿主は和田哲/ブラサトルさん。作業の気分転換に作成したという路線図には、小樽駅から国道5号線を経由する路線と、小樽運河沿いの観光街を経由して新小樽駅に向かう2つの路面電車の路線が書き込まれている。和田さんの投稿によると、奥沢十字街から新小樽駅に向かう道路は、上り勾配が続いていることから、どのように勾配を克服するかが課題であるという。

 現在、札幌延伸に向けて建設が進む北海道新幹線の新小樽駅。新小樽駅は、小樽駅から南方向に直線距離で4kmほど離れた天神地区の町はずれに設置される予定で、建設工事の様子は2023年10月26日付記事(小樽駅からバスで約20分の「北海道新幹線」新小樽駅 ドライバー不足の中、2次交通は確保できるのか)でも詳しく触れた。

 小樽市内の路線バスを運行する北海道中央バスは、昨今深刻化するドライバー不足から、バス路線の廃止・減便を進めている。これは地方だけの問題ではなく、昨年2023年12月には北海道中央バスが、札幌市内でバス路線の大幅な廃止・減便に踏み切っている。北海道小樽市は全国でも屈指の観光都市。こうした背景もあり、新幹線開業後に、新幹線で小樽に来る観光客を路線バスだけで本当に捌くことができるのかという不安を持っている関係者も多いことだろう。

 小樽市では、1990年代、市内中心部に残る国鉄手宮線の廃線跡を次世代路面電車であるLRT化し、観光鉄道として再生できないかという市民運動が起きたことがあった。廃線跡のLRT化は未だ実現していないが、手宮線の廃線跡は、北海道で最初に敷設された鉄道の廃線跡ということもあり、線路を残した形で遊歩道として整備された。

 次世代路面電車LRTについては、昨年2023年8月に栃木県の宇都宮ライトレールが開業し、大きな注目を集めている。LRTの整備については、地域経済の活性化や地価上昇、それに伴う税収のアップなど、地域の活性化に有用であることについて明らかとなった。

 今回の「小樽市電」については、あくまでも架空鉄道の域はでないが、こうしたことをきっかけに、北海道新幹線の新小樽駅開業を契機として、小樽市内でのLRT構想が再燃することを願いたい。

(了)

鉄道ライター

鉄道に乗りすぎて頭の中が時刻表になりました。日本の鉄道全路線の乗りつぶしに挑戦中です。学生時代はお金がなかったので青春18きっぷで日本列島縦断修行をしてましたが、社会人になってからは新幹線で日本列島縦断修行ができるようになりました。

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