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旧JR札沼線の石狩月形と岩見沢を結ぶバスも来年廃止に 札幌市から50km圏内でもバス路線の維持困難に

鉄道乗蔵鉄道ライター
廃止前のJR札沼線石狩月形駅(筆者撮影)

 2020年に一部区間で廃止されたJR北海道の札沼線(学園都市線)の旧石狩月形駅前(月形町)と岩見沢ターミナル(岩見沢市)を結ぶ路線バスが2025年3月に廃止となることが分かった。月形町と岩見沢市を結ぶ「月形線」は、現在、北海道中央バスが平日に5往復、土休日に月形発を3便、岩見沢発を2便運行している。

 コロナ禍前の2019年には平日8.5往復の運行があったが、その後、減便され2021年から現在の運行本数となった。廃止の背景にはバスドライバー不足があるとのことで、今後、月形町は代替バスの運行を模索するという。

 なお、JR札沼線の廃止代替バスを取り巻く状況も厳しい。JR札沼線の北海道医療大学―新十津川間47.6kmは2020年5月に廃止された。鉄道代替バスは、北海道医療大学―石狩月形、石狩月形―浦臼、浦臼―新十津川の3区間に分割されて設定された。しかし、北海道医療大学―石狩月形間については、2022年度までの代替バス利用者が鉄道時代の7割減となっており、浦臼―新十津川間のバス路線についても、鉄道廃止から約2年後の2022年9月30日限りで廃止されている。

 月形町は札幌市から50km圏内にあり、現在の札沼線の終点となる北海道医療大学駅から27.4kmしか離れていない。こうした立地にありながら、今後、バス路線の持続可能性が厳しさを増す中で、札幌市から50km圏内という立地にありながら、公共交通のない陸の孤島になりかねないか、今後が心配される。

(了)

鉄道ライター

鉄道に乗りすぎて頭の中が時刻表になりました。日本の鉄道全路線の乗りつぶしに挑戦中です。学生時代はお金がなかったので青春18きっぷで日本列島縦断修行をしてましたが、社会人になってからは新幹線で日本列島縦断修行ができるようになりました。

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