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札幌ー大阪間、北陸新幹線経由で何時間かかるのか!? 実際に乗り通してみた!

鉄道乗蔵鉄道ライター
北陸新幹線敦賀駅(筆者撮影)

 2024年3月16日、北陸新幹線の金沢―敦賀間125.1kmが開業。東京―敦賀間を直通する「かがやき」「はくたか」号の運行が開始された。東京―敦賀間は最速3時間8分で結ばれる。新幹線ネットワークの拡大に伴い、国内の鉄道での移動時間はより短縮されることとなった。筆者は、その効果を実感するべく、札幌駅から北海道新幹線と北陸新幹線を経由して大阪駅までの北陸新幹線経由では何時間で移動が可能なのか実際に乗り通してみた。

この日使用した特急券類(筆者撮影)
この日使用した特急券類(筆者撮影)

1本目 札幌駅6時ちょうど発、特急北斗2号

札幌駅で発車を待つ特急北斗2号(筆者撮影)
札幌駅で発車を待つ特急北斗2号(筆者撮影)

 札幌駅を朝一番に発車する函館行の特急列車は北斗2号だ。まずはこの列車に乗り北海道新幹線の始発駅となる新函館北斗駅を目指す。特急北斗号の新函館北斗駅までの所要時間は3時間17分だが、車内販売はないので乗車の際には注意が必要だ。さらに北海道新幹線でも車内販売がないため、札幌から鉄道で長距離移動をする際には、事前の食料の確保は欠かせない。

 せっかくなので、事前の食料調達については、せっかくなので北海道のご当地コンビニであるセイコーマートで行いたいところではあるが、朝6時前では札幌駅周辺で開店しているセイコーマートはほぼないようで見つけることができなかったことから、札幌駅北口前のローソンでお昼分までの食料調達をした。その様子をツイッター(現X)で発信したところフォロワーさんからANAクラウンプラザホテルにあるセイコーマート北3条店は24時間営業だという情報を寄せていただいたので、次回の機会からは利用してみたい。

食料は多めに調達(筆者撮影)
食料は多めに調達(筆者撮影)

 列車は札幌駅を定刻通りに出発。車窓から見えた札幌市内は、まだ所々に雪景色が残っている。3月のダイヤ改正から特急北斗号は全席指定席となっており、さらに車掌端末で座席の発売状況を確認できることから車内改札は省略となっていた。また、ダイヤ改正で新幹線と特急列車を乗り継ぐ場合に特急料金が半額となる乗継割引も廃止となったことから、札幌―新函館北斗間の特急料金は3,170円となっていた。なお、北斗号の座席には、コンセントの設備は付いていなかった。

 途中の長万部駅が近づくと、札幌駅に向けて延伸工事の進む北海道新幹線の基礎工事が行われている様子がはっきりとわかる。そして、新函館北斗駅には9時17分、2番ホームに到着。降りたホームに直結している新幹線への乗り換え改札口を抜けるとその正面には乗り継ぎ列車となる東京行のはやぶさ18号がすでに停車していた。

新函館北斗駅で北海道新幹線に乗り換え(筆者撮影)
新函館北斗駅で北海道新幹線に乗り換え(筆者撮影)

2本目 新函館北斗駅9時35分発、北海道新幹線はやぶさ18号

新函館北斗駅で発車を待つはやぶさ18号(筆者撮影)
新函館北斗駅で発車を待つはやぶさ18号(筆者撮影)

 新函館北斗駅からは9時35分発のはやぶさ18号で大宮駅を目指す。はやぶさ号も北海道新幹線区間では車内販売はなく、さらに新青森駅から行われる車内販売でもお弁当の販売はないことから、事前に食料を調達しておかなければひもじい思いをすることになりそうだ。

 特急北斗号とは異なり、はやぶさ号の方は全席の窓側にコンセントの設備があるので、車内でのPC作業や携帯電話の充電を行うには最適な環境が用意されているのはありがたい。新函館北斗駅を発車するとすぐに進行方向左手側の車窓に、函館新幹線総合車両所や函館山が見えた。しかし、すぐに連続するトンネル区間となり北海道新幹線では景色をあまり楽しむことができないことは残念だ。はやぶさ18号は盛岡駅までは各駅に停車し、大宮駅に到着したのは北陸新幹線の乗換駅となる大宮駅に到着したのは13時39分。新函館北斗駅からの新幹線特急料金は10,790円、所要時間は4時間4分であった。

車内にコンセントがあるのは大変ありがたい(筆者撮影)
車内にコンセントがあるのは大変ありがたい(筆者撮影)

3本目 大宮駅13時49分発、北陸新幹線はくたか565号

敦賀行の電光掲示には個人的にはまだ違和感が…(筆者撮影)
敦賀行の電光掲示には個人的にはまだ違和感が…(筆者撮影)

 大宮駅からは北陸新幹線に乗り継ぎ13時49分発のはくたか565号で敦賀へと向かう。大宮駅の電光掲示板に表示された「敦賀行」の表示には、個人的な感覚としてはまだ違和感がある。北陸新幹線のはくたか号についても各席の窓側にコンセントが備え付けられているのは嬉しい。高崎駅を過ぎると上越新幹線区間から分岐し長野へ。はくたか565号は長野から敦賀までは各駅に停車する。そして、3月15日まで北陸新幹線の終点だった金沢駅には16時17分に到着した。

金沢駅を過ぎたところで車内販売を利用(筆者撮影)
金沢駅を過ぎたところで車内販売を利用(筆者撮影)

 金沢駅からは、北陸限定ワゴンの車内販売員が乗車したことから、地ビールとおつまみを購入する。金沢駅を発車してしばらくすると車窓左手側に白山総合車両所が見えた。また、今回、新たに開業した金沢―敦賀間は大半が明かり区間で車窓風景を楽しむことができること、さらに大半の駅では在来線と接続しており新幹線駅からの2次交通がしっかりと確保されているもの嬉しい。なお、今回の開業区間で新幹線単独駅となるのは越前たけふ駅のみだ。そして、敦賀駅に到着したのは17時17分。大宮駅からの新幹線特急料金は7,220円、所要時間は3時間28分だった。

敦賀駅に到着した、はくたか565号(筆者撮影)
敦賀駅に到着した、はくたか565号(筆者撮影)

4本目 敦賀駅17時44分発、特急サンダーバード36号

敦賀駅の乗り換え改札口はスムーズに通過できた(筆者撮影)
敦賀駅の乗り換え改札口はスムーズに通過できた(筆者撮影)

 敦賀駅の新幹線ホームは、一方、在来 新幹線は敦賀駅3階部分の高架の新幹線ホームに到着する。乗り換えとなるサンダーバードなどの在来線特急は、1階部分に位置する在来線特急ホームから発車することになり、乗り換えのためには高さ37mの高架ホームから地上ホームに降りる必要があることから、開業前から乗り換えの利便性を懸念する声があがっていた。

敦賀駅は新幹線ホームの真下に在来線特急が発着する(筆者撮影)
敦賀駅は新幹線ホームの真下に在来線特急が発着する(筆者撮影)

 この日は、開業直後のお祭り騒ぎもかなり落ち着いており、新幹線から在来線特急への乗り継ぎ客もそれほど多くはなかったことから駅構内ではスムーズに移動ができた。しかし、筆者が乗車したはくたか565号から特急サンダーバード36号は、接続時間が36分も取られており、特に福井駅から大阪駅に向かう場合には新幹線開業による時間短縮効果がそれほど大きくはないように感じられた。さらに、この3月のダイヤ改正から新幹線と在来線特急の乗り継ぎ割引も廃止となり、敦賀―大阪間の特急料金は2,590円となったことから、福井などについては所要時間がさほど変わらず値段だけが高くなったと言わざるを内区間もあるようだ。

 特急サンダーバード36号は、17時44分に定刻通りに敦賀駅を発車。あたりはすっかり日が暮れかけていた。途中の近江塩津駅では、湖西線が強風ということで一旦停車するが4分遅れで発車。途中の回復運転もあり、大阪駅には3分遅れの19時10分に到着。札幌駅からの所要時間は13時間10分。なお、札幌駅から大阪駅までの乗車券・特急券の合計額は42,840円となる。

大阪駅に到着した特急サンダーバード36号(筆者撮影)
大阪駅に到着した特急サンダーバード36号(筆者撮影)

(了)

鉄道ライター

鉄道に乗りすぎて頭の中が時刻表になりました。日本の鉄道全路線の乗りつぶしに挑戦中です。学生時代はお金がなかったので青春18きっぷで日本列島縦断修行をしてましたが、社会人になってからは新幹線で日本列島縦断修行ができるようになりました。

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