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函館本線倶知安―小樽間、日中は2両編成運行に戻るも混雑は続く 余市―小樽間の路線バスは4月から減便に

鉄道乗蔵鉄道ライター
小樽駅で倶知安方面からの列車を降りた人たち(筆者撮影)

 2024年2月の函館本線の山線区間である倶知安―小樽間では、地元の利用者に加え押し寄せるインバウンド観光客で激しい混雑が続いた。通常運行されている2両編成のH100形気動車では、途中の余市駅で乗客の積み残しが発生するなどの事態が生じたことから、日中の一部列車に急きょ3両編成のキハ201系気動車が導入されて話題となった。その模様については、2024年2月18日付記事(観光客殺到で日中3両編成化の函館本線(山線) 増車最終日の倶知安ー小樽間乗車ルポ)、2024年2月24日付記事(この3連休も函館本線(山線)「キハ201系3両編成」の日中運行乗車ルポ 混雑は依然として収まらず)で詳しく触れている。

 3月に入り山線の混雑状況もある程度は落ち着きを見せ、日中の列車は全てH100形に戻されたことから、筆者は改めて山線の現状を確認するべく日中の倶知安―小樽間への乗車を試みた。

2月よりは落ち着いたもののそれでも混雑

雪解けの進む倶知安駅(筆者撮影)
雪解けの進む倶知安駅(筆者撮影)

 3月下旬のとある平日の倶知安駅。3月16日にダイヤ改正があったことから、倶知安駅を発着する列車には若干の時刻の変更がみられたが、2月に3両編成のキハ201系気動車に置き換えて運行が行われていた列車とほぼ同時刻の11時50分発の小樽行へと乗車し、小樽駅へと向かう。

倶知安駅は依然として地元利用者に加えインバウンド旅行者で混雑していた(筆者撮影)
倶知安駅は依然として地元利用者に加えインバウンド旅行者で混雑していた(筆者撮影)

 筆者が倶知安駅へと入ると、2月の混雑状況ほどではなかったもののそれでも改札前では大勢の乗客が改札開始を待っていた。駅窓口の方にも列ができており、乗客と窓口氏のやり取りを聞いていると、札幌や新千歳空港方面への乗車券を求める乗客だけではなく、長万部駅を経由し、特急列車と新幹線を乗り継ぎ東京方面への乗車券・特急券を買い求めている乗客も一定数みられた。

蘭越からの接続列車を受けて発車を待つ小樽行(筆者撮影)
蘭越からの接続列車を受けて発車を待つ小樽行(筆者撮影)

 発車時刻が近づき改札が開始されたことから、倶知安駅のホームへと向かうと今回は2両編成のH100形気動車が停車していた。倶知安発小樽行の列車は、蘭越駅から11時41分に到着した列車からの乗り継ぎ客を迎え、座席がほぼすべて埋まる程度の乗客を乗せて定刻通りに発車。山線の車窓から見える風景は、まだ一面の銀世界だ。

山線の車窓風景は観光資源としても有効だ(筆者撮影)
山線の車窓風景は観光資源としても有効だ(筆者撮影)

 その後、余市駅では大勢の乗客を乗せ、満員状態で小樽に到着するのは普段と同様だった。

余市駅からはかなりの立ち席客がでた(筆者撮影)
余市駅からはかなりの立ち席客がでた(筆者撮影)

 北海道中央バスの4月のダイヤ改正では、運転士不足などを理由として余市―小樽間のバス路線でも減便が行われた。函館本線の長万部―倶知安―小樽間は、北海道新幹線の並行在来線として北海道庁が主導する協議会で強引に廃止の方針が決められてしまったが、今回の北海道中央バスのダイヤ改正で、廃止・バス転換の道はより険しいものとなる。

(了)

鉄道ライター

鉄道に乗りすぎて頭の中が時刻表になりました。日本の鉄道全路線の乗りつぶしに挑戦中です。学生時代はお金がなかったので青春18きっぷで日本列島縦断修行をしてましたが、社会人になってからは新幹線で日本列島縦断修行ができるようになりました。

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