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大型2種免許保有者、50代以上が84.3%に 警察庁資料で前年より1.1ポイント増加し高齢化が進む

鉄道乗蔵鉄道ライター
北海道新幹線の並行在来線問題ではバス転換協議が中断に追い込まれた(筆者撮影)

 警察庁は2024年4月16日、2023(令和5)年版運転免許統計を公開した。運転免許統計では、種類別の免許の保有者数を公表しているが、この度発表された2023年版の統計では、路線バスを運転できる大型2種免許の保有者の84.2%が50代以上ということが判明した。なお、これからを担う40代以下の保有者は15.6%でそのうち30代が3.4%、20代以下はわずか0.8%だった。

 2023年版の運転免許統計では、50代以上の保有者が83.2&であったことから前年よりも1.0ポイント増加し、バスドライバーの高齢化がより深刻化したと言える。

大型2種免許保有者の84.2%が50代以上(警察庁2023年版運転免許統計より筆者作成)
大型2種免許保有者の84.2%が50代以上(警察庁2023年版運転免許統計より筆者作成)

 バスドライバー不足の問題は、2023年に表面化。ドライバー不足からバス路線の維持が困難となり、全国的に路線の廃止、減便が加速した。北海道では、1989年に廃止された旧JR天北線の鉄道廃止代替バスが音威子府―浜頓別間で廃止になるなど、鉄道がなくなった地域からバスすらも消えるといった事態が生じている。こうした問題は地方部にとどまらず都市部でも深刻化しており、2023年9月には大阪府富田林市などでバス路線を運行する金剛自動車が突如として全バス路線の廃止を発表。地域社会に混乱を与えた。

 こうしたことから、赤字のため存廃協議を行っていた石川県の北陸鉄道石川線では、「バス転換が難しい」として公費投入による存続が決定した。一方で、北海道が主導する北海道新幹線対策協議会で並行在来線の廃止の方針を決めた長万部―小樽間については、協議会に地域のバス事業者を呼ばなかったことに加えて、地域のバス事業者が鉄道沿線地域のバス路線の廃止・減便を進めていることからバス転換協議が中断に追い込まれている。

50代以上の保有者は2022年度版から1.1ポイント増加(警察庁2022年版運転免許統計より筆者作成)
50代以上の保有者は2022年度版から1.1ポイント増加(警察庁2022年版運転免許統計より筆者作成)

(了)

鉄道ライター

鉄道に乗りすぎて頭の中が時刻表になりました。日本の鉄道全路線の乗りつぶしに挑戦中です。学生時代はお金がなかったので青春18きっぷで日本列島縦断修行をしてましたが、社会人になってからは新幹線で日本列島縦断修行ができるようになりました。

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