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【英会話】英語が口から出て来るちょっとしたコツ

英語雑学エッセイスト 徳田孝一郎英語・英会話研修スクール「英語・直観力」代表

 いまでこそ私は仕事で英語を話していますが、じつは元々英語は好きでも、得意でもありませんでした。大学受験の時に一番足を引っ張ってくれたのが英語でして。本当に手を焼かされました。
 ところが、何の因果か、30代の時に仕事で英語を話す必要に迫られまして。

 今回は、私が英語を話さなければならなくなった時に習得した英会話のちょっとしたコツを、ご披露したいと思います。読むと意外に簡単に英語が話せるようになるお得なエッセイです。

とりあえず動きを先に言っとけ の英語の感覚

 今回、なぜ英会話のコツをご披露しようかと思ったかと言うと、昨日(23/07/31)「全国学力テスト 英語で意見表明、正答率わずか4%」というタイトルのYahoo!ニュースを読んだためでして。

 ああ、それはそうだろうな と思う。私自身が読む中心の英語の教育を受けてきましたから、英会話のレッスンをNative English Speakerから受け始めた時は本当に困りました。英語が出てこない。

 今の中学生もそんな苦労してるのかと知って、ちょっとお節介させていただこうかな と思ったわけです。

 というわけで、さきほど、英語が出てこないと表現したんですが、もうちょっと正確に言えば、単語は出て来る。
 たとえば、
What did you do last Sunday?
ときかれて、
Football!
というのは出て来る。そうするとNative English Speakerは意をくんで、
What match in J-league did you see?
なんてきいてくれるので、まぁ、会話としては成立します。Native English Speaker講師のなかにはそれで充分という人もいる。

 でも、私が必要としていたのは仕事上の英語で、まぁ、単語で話すというわけにはいかなかった。なので、どうしたもんかな と思っていたんですが、日本語を話せるNative English Speakerと話していて、彼がこんなことを言ってきたんです。

「日本語は、言いたいことが伝えにくいよ」
「どういうこと??」
 と尋ねると、
「たとえば、日曜に何してた? って聞かれたときに、日本語では『サッカーを』ってはじめるだろ?」
「うん」
「でも、英語では、『私は遊んだ』で始めるから、ぱっと内容が伝わる。『サッカーを』から始めたら、やったのか、観たのか、応援しに行ったのか、が後回しになって一拍遅いんだよ」

 ああ、なるほどなぁ、と思うと同時に、ああ、そういうことか とわかった。英語って、とりあえず意思表示なんです。日本語の話を締めくくる感覚を捨てると言ってもいい。

 具体的にいうと、夕飯なに食べる? ときかれたときに、
「そうだなぁ、夕べは和食だったし、今日の昼はラーメンだったから、パスタなんてどう?」
 というのが、普通の日本語ですね。いろいろ考えながら、最後に話を締める。
 一方、とりあえず意思表示の英語の感覚であれば、いろいろ考えるのは後からにして、

「なんてどう?」

からはいる。で、そこから具体的に後付けしていく。気持ちの動きの部分をぱっと先に言ってしまうんです。

 これを知ってから、私の英会話はずいぶんとスムーズになりました。動きを先に言っておいて、そのあいだに次の単語を考えてつなげていけばいいだけなんですから。単語で話す を脱して、文で話す ようになることができます。
とりあえず気持の動きを先に言ってしまう。
 どうぞみなさんも試してみてください。

 でも、「気持ちの動きの部分」の英語ってどんなもの? という疑問もおありかと思います。
 たとえば、エスカレーターで相手を追い越したい、そういう時は、許可を求めますよね。
 また、今度の休み、なにする? ってきかれたときに、サッカーを観に行くって決まっていた時は、予定を伝えます。
 どんな英語でしょうか? 例は末尾に。

 と、こんな感じで、Native English Speakerたちとの英語やカルチャーギャップのお話をご披露したいと思っております。
 お気に召しましたら是非ともごひいき(フォロー)くださいますようお願い申し上げます。

 許可を求めるときは、May I ~~? です。他にもいろいろありますが、まったくの他人に対しては、私はMay I ~~ ? を使います。
 予定は、I'm going to ~~. です。

 お気づきですね。「気持ちの動きの部分」の英語の多くは、助動詞や時制です。中学で学ぶものですが、本当に重要ですよ。ぜひ感覚的にぱっと出て来るように覚え直してください。

イラスト 大橋啓子

英語・英会話研修スクール「英語・直観力」代表

英語嫌いだったが、仕事で必要に迫られ日本語を英語にする方法で英文法をマスター。その実績を買われて英会話習得カリキュラムを作成するために英会話スクールに転職し活躍する。この時期に英文法をネタにした小説「英語の国の兵衛門」も上梓。その後Vice-presidentに就任。Native English Speakerのマネージメントを経験し、日本人とは違った価値観や思考法に振り回されるという経験を多々する。現在は独立し、英会話スキルだけではなく、Native English Speakerとうまく交渉できるスキル習得を目指した英語・英会話研修スクール「英語・直観力」を経営している。

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