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【札幌市】楽しみながらエコライフ。量り売りも行うゼロウェイストコミュニティストア「プラナシスタ」

徳積ナマコプロフィールライター/物書き/企画編集(札幌市)

市電が走る線路沿いのビルに、環境に配慮したサステナブルなお店「プラナシスタ」が今月プレオープンしました。中に入ると、すぐ目の前に現れるのが、量り売りのコーナー。オーガニックのオートミール、アーモンド、ピスタチオ、ドライフルーツ、豆ミートなどが棚に並んでいます。どれも1gからの量り売り。見ているだけでワクワクします。なんと、杉樽の醤油や梅干しまで、量り売り! その横には、何度でも使えるシリコン製のジップバッグ「スタッシャー」や、竹素材から作られたエコなカップ「エコーヒーカップ」といった、環境に配慮したアイテムも。

梅ボーイズの梅干しも量り売り!
梅ボーイズの梅干しも量り売り!

「まだプレオープンなので、これからもっと商品などを充実させていく予定です」と話すのはオーナーの新谷暢敏さん。生産者と直接つながり、無農薬の野菜やエシカルな卵なども今後は販売していくとのこと。このほか、「まちライブラリー」として、環境や暮らしに関する本の貸し出しも広く行っていくそう。「地球環境やエコなどに関心のある方たちの学びの場にもなればいいなと考えています」。

気になるエコグッズもたくさん並んでいます
気になるエコグッズもたくさん並んでいます

新谷さんが環境問題に関心を持つようになったのは、2008年、大学4年のとき。カナダ、メキシコへ環境留学をしたのがきっかけでした。「東京の大学では国際教養を学んでいたのですが、漠然とこれからは環境に関することが重要になってくるのではと考え、参加。自然と人の本来あるべき関わり方などを学んだのですが、そのときの体験が鮮烈で(笑)」。大学卒業後、自動車メーカーに勤務するものの、もっと日々の暮らしに寄り添ったエコに関わりたいと、自然食品のメーカーに転職。そこで、生産者のこと、日本の伝統食など、食に関しての知識を深めていきます。その後、実家のある札幌へ。外壁工事専門の会社を営む実家の1階を改装し、ENJO(エンヨー)という水だけで掃除ができてしまうクロスの販売などをスタート。そこから少しずつエコアイテムのラインナップを増やしていったそう。

エンヨーのクロス
エンヨーのクロス

この夏、場所を移転するに際して、食品の量り売りをスタートすることに。「海洋プラの問題が気になる、プラをなくす生活がしたいというお客さんが多く、特に食品パッケージのプラを何とかしたいと。体にイイモノをいくら選んで食べていても、プラゴミを出していては…というのを聞き、確かにそうだなと。実際、僕も食品関係にいたので、大量のプラを使っていることやすさまじい食品廃棄を見ていたので、量り売りをはじめることにしました」。使う分だけ購入し、さらにプラゴミも減らせる量り売りには、食品のほかに洗剤や除菌もできるアルカリ水なども対応。食品と洗剤だけでも、一気にプラゴミが減るという実感がわきます。

除菌もできるアルカリ水も量り売り
除菌もできるアルカリ水も量り売り

ショップには2階があり、今後キッズスペースなどを作っていく予定。自身も2児の父親である新谷さんは、「小さい子どもを連れて行ける場所って、案外少ないなと思っていて、それなら作ってしまうおうと(笑)」。ここで環境やエコに触れつつ、同じ感覚や意識を持っている人たちが繋がれる交流の場にもなればと考えているそうです。

良きパパでもある新谷さん
良きパパでもある新谷さん

9月からの本格オープンに向け、8月31日までのプレオープンの期間中、クラファンも行っています。「プラナシスタ」を買うだけの店ではなく、学べて繋がっていける場所にしていくためのクラファン。「量り売りでつながるゼロウェイストなコミュニティストアとして、より良い場にするため、みなさんと一緒に育てていきたいと考えています」。参加したい、協力したいという方はぜひ。新谷さんの想いも綴られています。https://camp-fire.jp/projects/view/461919

お店のレジカウンター。手と手をつなぐイメージのデザイン、流木などで作ったそう
お店のレジカウンター。手と手をつなぐイメージのデザイン、流木などで作ったそう

この夏の北海道の異常な暑さ、そして本州で続く大雨。この状況に、誰もが地球に異変が起きていると感じていますよね。とはいえ、自分たちにはもう何もできないとか、誰かが何とかしてくれると思っていませんか? そうではなく、自分たちにできること、例えばプラスチックごみを減らすとか、環境にやさしいものを選ぶとか。そういうところからのスタートでいいと思います。みんなの意識が変わり、その輪が広がれば、きっと変わっていくはず。そして、それを楽しみながら取り組むことができれば、いつしかそれが当たり前になるはず。エコって難しい、窮屈というイメージはもう過去の話。もっと楽しく、ワクワクしながら取り組めるライフスタイルを提案する拠点として、「プラナシスタ」はお店に関わる人たちと共に成長し、進化していくのではないかなと思います。これからがとっても楽しみなお店です。

「プラナシスタ」

http://planasista.com/

8月31日までの営業は、火・木・金曜の11:00~18:00。

9月3日のグランドオープン後の営業は、火~土曜11:00~18:00。日・月曜定休

011-518-7001

札幌市中央区南1条西14丁目1-219 北海TMビル1・2F

プロフィールライター/物書き/企画編集(札幌市)

長年、広告、編集、ライター業に携わってきました。今は、これまでの経験を活かし、人の人生に耳を傾け、プロフィールをまとめる仕事が中心です。ライフスタイル、クラフト、食、アート、映画、ドラマ、アウトドア、農業、健康、スピ…と、興味があるとなんでも首を突っ込みます。この世は楽しい修行の場で、すべては人生のネタ。私って面白いと思って生きています。

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