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PTAを辞めたい!退会方法を現役本部役員がレクチャーします。

ton子育て情報ライター/姉妹ママ

皆さん、こんにちは。

小学生姉妹のママで、ライターのtonです。ライター業のかたわら、三年前にPTA本部役員になった際、PTAの適正化を行って以降、各地のPTAから適正化についての相談を受けるオブザーバーをしています。

最近、PTAが任意団体であること(入退会は自由な組織であること)の認知が高まり、PTAを退会したいというご相談を受けることが増えてきました。

PTAを辞めるための方法は、加入しているPTAの適正化がどの程度進んでいるかによって違ってきます。この記事では、「多数派」にあたるケースを中心にご紹介しますが、これらのケースに当てはまらないPTAもあるので、まずは参考までにご覧ください。

まずは加入/非加入届けの有無を確認

画像:フリー素材ぱくたそ
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「PTA加入届」のような(名称はそれぞれの学校により異なります。)書類を提出したかどうかが、PTAを辞めるための最重要ポイントになります。

適正化が進められている学校なら、加入するか・しないかを、ひとりひとりが書類で申告する形になっているはずです。反対に、適正化が行われていない学校だと、入学と同時に自動的にPTAにも加入させられていて、加入の意思確認をされていないこともあります。

加入届を配っているPTAでも、入学時に一度出すだけで、それ以降は六年生まで持ち上がりになっている場合もあるので、「そんな書類があったかどうか覚えていない」という方もおられるかもしれませんね。

加入届を提出した場合

加入届を提出している場合は、PTAを辞めるのも簡単です! 年度ごとに加入・非加入を問う書類が配布されるのであれば、非加入を選択して提出するだけでOK。

入学時に提出した書類を六年間継続します、という学校でも、退会したい旨を学校に電話等で連絡すれば、学校からPTAに連絡をしてくれて、すぐに退会できます。

退会する月以降のPTA会費は、返金されるので、会費を年払いか学期払いにしているおうちは、返金を確認しましょう。

きちんと退会できたのか不安であれば、学校に電話をした際に、「退会受理の書類をPTAからもらってください」と伝えるといいかもしれません。

「退会届を作って提出して下さい」と言われたら、下に記載する退会届の作り方を参照して作成し、提出して下さい。

加入届が配布されていない/覚えていない場合

このケースの場合、スムーズには退会が認められないことも多いので、ある程度の覚悟が必要になってきます。

例えば、電話番号を教えてもないのにPTA役員から直接電話がかかってきて、全児童のために私たちは活動しているのに!と非難めいたことを言われるだとか、保護者同士の関係が悪化した、という方もおられます。

こういった「PTAを辞めたら出てくるデメリット」を恐れて退会を思いとどまったり、辞めたくても辞めたいと言い出せなかったりする方は少なくありません。

しかし、辞めたがっている人を引き止めるのも、学校が個人情報をPTAに横流しするのも、PTAに加入しないことを非難するのも、違法になる可能性が高い行いです。「こういうの、違法ですよね?」と言える強い心があれば、スルーできる問題でもあります。

とは言え、退会の意向を伝えてみたものの、やっぱり怖くなって退会するのを辞めた、となると、PTAは辞めきれない上、「あのお家、この前退会したいって言い出したのよ!」と噂をされるという、一番辛い展開になることもあるので、辞めたい気持ちが途中で折れそうなタイプの方は、PTAが適正化されるのを待つのも手かもしれません。

ここからは、それでもやっぱり辞めたい!という方に向けての方法を詳しく書いていきます。

未「適正化」PTAの辞め方

画像:フリー素材ぱくたそ
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入会届を提出するスタイルになっていないということは、PTAはまだ適正化されていない、と言ってもいい状態です。

そんなPTAを辞めるためには、ある程度の手順を踏んで、こう言われたらこう返す、といった脳内デモンストレーションを行っておく必要があります。以下に流れを書くので、参考にしてみてくださいね。

①学校に電話する

まずは学校に電話をして、PTAを退会したい旨を伝えます。もしかするとすんなり退会の手続きを進めてくれるかもしれないので、「これで退会できたらラッキー」という気持ちで電話してみましょう。

伝えるべきポイントは、「PTAを退会したい」「個人情報にあたるので、PTAに自分の連絡先を教えるのではなく、学校を通して手続きを行いたい」「支払っている会費は返金してください」というくらいでしょうか。

ここで学校側が引きとめてきたら、「PTAは任意団体なので、強要されるのは困ります」PTAのことは学校はノータッチなので、、、と言われたら「PTAからのお便りは学校を通して渡されるのに、ノータッチと言うのは違うと思います」PTA会長に相談します、と言われたら「相談するだけなのであれば、個人情報なので、個人名を出さずにお願いします」という感じの返答をしておいて、「とにかく退会届を作成して送付するので、受け取りをお願いします」と伝えます。

②退会届の作成

退会届はなくても連絡のみで退会できるところもありますが、それ以外では、退会届を出して受理してもらうのが正式な方法になります。

PTAで準備してくれる場合もありますが、非適正化PTAではなかなかないかと思います。

退会届に記載する内容は

  • 宛先(○○小学校PTA会長様)
  • 退会を伝える旨
  • 退会日(会費返金の都合上、はっきりときめておく)
  • 児童名(生徒名)と学年クラス
  • 下に切り取りスペースを設け、退会届受理書として返送してもらう。(お手数ですが、○月○日までに下の退会届受理書にご記入いただき、子どもを通じて返送下さいますようお願いいたします。尚、期日が過ぎても返送がない場合、受け取りをもって受理とさせていただきます。)

退会届受理書部分には、「□□(名前)のPTA退会届を受理し、○月○日をもって退会とさせていただきます。PTA会長名前、印」くらいの内容でOK。

受理書の返送をしてもらえなかった場合や、受け取ってない!と言われないためにも、同じ文書を二通作り、送付用と差出人控えとして、割印をして、学校宛に書き留めで送ると安心ですよ。

③退会届受理書を受け取る・返金を確認する

退会届受理書が送られてくるのであれば、それを受け取った時点で退会は完了です。退会届受理書が送られて来なかった場合は、配達完了の通知で退会とします。そのあと、PTA会費の返金がある場合は、返金がきちんとされたことを確認したら、退会完了。

こんなに一方的でいいの?!と思われるかもしれませんが、PTAは本来「辞めたい時にいつでも辞めてもいい組織」です。退会届を準備してくれたり、退会の方法をわかりやすく記載してくれていれば、一方的に辞めなくてもいいのに、そうしなくてはならないのはPTA側に「辞めさせたくない」「引き留めたい」という強い意志があるからと言えるでしょう。

想定事態集

画像:フリー素材ぱくたそ
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上記の方法で大抵はすんなり退会できるとは思うのですが、以下のようなケースもあるので、念のため想定しておくと安心かもしれません。

PTAが「退会届を受け取っていない」と言ってくる。

学校の住所に送付するため、受け取りをするのは学校の事務員さんで、その後PTAのポストに入れてくれる形になります。書留で送っても、「受け取ったのは学校で、PTAのところには届いていないため退会届は無効」と言われたケースがありました。「ちゃんと受け取れたら受領してもらえる、ということですよね?PTAが確実に受け取れる送付先を教えて下さい。」と伝え、再送付しましょう。

PTAを抜けたら子どもにデメリットがある、と引き留めてくる。

例えば、PTAから渡す卒業祝い品はお子さんの分はなくなりますよ、だとか、登校班には入れなくなる、といった、「PTAが事業として行っていることを、PTA非加入家庭の子どもには適用しない」制裁を盾にして、引き留めてくるケースもありますが、これも違法行為に繋がる可能性の高い行いです。PTAは、全ての児童のために活動を行っているからこそ、学校内にPTA室が置けたり、学校教育時間内に、先生たちの手でプリントを配ってもらうことが可能になっているので、非加入の子どもにも加入者と同じような対応を受ける権利があるわけです。「実際にそういった制裁を行われるのでしたら、その際に法的措置を検討させていただきます。」と、違法になり得ることを認識している旨を伝えると、実際には制裁をされずに済むケースが多いようです。

退会したのに会費を引き落とされている

退会の手続きが完了したのに、変わらず会費が引き落とされてる場合は、うまく手続きができていないかもしれません。学校からの引き落としと一緒に会費が引き落としになっている場合は、学校の事務員さんが引き落としを停止する処理をし忘れているか、そもそもそういう指示をうけていない可能性もあります。退会を証明するもの(退会届の差出人控・受理書)を持って学校に言いに行きましょう

最後に

画像:Photo AC
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PTAの辞め方を書いてきた本記事ですが、「PTAにケンカを

売るようで真似できない!」「後々子どもがこれが原因でいじめられたりしないか心配」「うるさい親だと学校に思われそう」と感じられた方もおられるかと思います。

退会することの重みは、各PTAによってまちまちだと思うので、何か心配事があったり、自分にできるか不安、という方は、無理せず、PTAが適正化されるのを待つことにしてもいいでしょう。

適正化されていないPTAに意義を唱えてくれる人が出てきて、あなたの学校も一気に適正化されていくかもしれません。この記事が、誰かの心に火をつけて、適切に活動するPTAが増えてくれることを願います。

子育て情報ライター/姉妹ママ

ライター歴10年。普段は取材記事をメインに、さまざまなジャンルの記事を書いています。こちらでは小学生姉妹ママの目線で、日々感じたことやPTAの適正化・プチプラ情報など幅広い「子育て情報」を発信中です!家政科出身で、服飾・情報処理には強く、掃除と泣き落としに弱い、昭和生まれママ。好きな食べ物はスイカと、海老のビスク。

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