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【名古屋市千種区】都会に鎮座する、異世界感のすごい「名古屋大仏」

土庄雄平愛知深掘りライター(名古屋市)

「近所に、面白い場所はないだろうか?」

ある日、Googleマップを眺めていたところ、「名古屋大仏」なるスポットを見つけました!しかも、地下鉄本山駅から徒歩5分の場所にあり、自宅から徒歩圏内。

ということで早速足を運んでみたのですが、謎だらけの、とても不思議な空間だったので、つらつらと紹介してみたいと思います。

名古屋大仏が位置しているのは、本山駅の6番出口から5分ほど南に歩いた場所。桃厳寺(とうがんじ)の境内にあります。織田信長の弟・織田信行にゆかりある由緒正しい寺院です。

まず謎だったのは、この入り口の空間!まるで石門を境界とする、異世界へと引き込まれるようです。

そして「桃厳寺」の境内へと入ります。入ってすぐ思ったことは、ちょっと純粋な日本の寺院とは違うということ。一言で言えば、どこかエキゾチック

詳しくみてみると、上の門もそうですが、境内の建築物・造形物は、チベット仏教やヒンドゥー教の影響も受けていることが分かりました。

そんな不思議な寺院の一角に、さらに奥へと続く道がありました。緑に囲まれる階段を降りて行くと、見えてきたのは・・・!

なんと、顔の整ったイケメンな大仏さま。今まで森に遮られて見えなかったのですが、いやはやこんな大きな仏像が据えられていたなんて。

何より特徴的なのは、鮮やかな緑色が塗られているから。実は元々、普通の金属の色合いだったのですが、2006年に何故かこの色に塗装されたそうです。

そのため今では"緑色の大仏"として全国の珍スポットマニアから注目を浴び、日本三大大仏の座を脅かすニューホープと噂されるほど。

そんな大仏さま。なぜこのような名古屋の中心に位置しているのだろう?と疑問に思うわけですが、その成り立ちは立派なものでした。

実は、1988年夏季オリンピックの開催地に名古屋市が立候補していたため、開会式に合わせて大仏の建立・開眼供養を行なう計画が立案されたのです。

結局、開催地はソウル(韓国)に決まり、実現しなかったものの、目元と口元に添えられた金箔が、かつての壮大な計画を物語っています。

奇をてらったB級スポットかと思いきや、実はしっかりとバックグラウンドを持っていた「名古屋大仏」。不思議な空間と驚き、かつての賑わいを想起させてくれる場所です。

「まだまだこんな場所があったんだ!」意外なポテンシャルを秘めている名古屋。ディープな視点で探検するのも楽しいものですね。

<名古屋大仏>

住所:愛知県名古屋市千種区朝岡町2丁目41

アクセス:地下鉄・本山駅の6番出口から徒歩5〜10分

愛知深掘りライター(名古屋市)

1993年生まれ、愛知県豊田市出身、同志社大学文学部卒。第二新卒を経験後、愛知へUターンをして、メーカー営業職とトラベルライターを両立。現在は、IT企業に勤務しながら、自然や暮らしに一歩踏み込む、情報発信に精を出す。美味しい地元グルメを探しながら、名古屋市内の色彩豊かな自然を愛でるのがルーチン。 ※12月18日からLINEにて土庄雄平「名古屋深掘りチャンネル」配信スタート!毎週月曜日の10時にお届けします。名古屋のグルメから週末おでかけ情報、ディープなスポットまで盛りだくさん。ぜひ登録してくださいね♪(記事内のリンクは、Yahoo!ニュース エキスパートとの取り組みで特別に設置しています。)

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