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【名古屋市千種区】松坂屋創始者の別荘「揚輝荘」へふらっと散策

土庄雄平愛知深掘りライター(名古屋市)

有名な百貨店である「松坂屋」が名古屋発祥なのはご存知でしょうか?現在は、関西発祥の大丸と統合し、東海と関西に大きな基盤を置く高級百貨店となっています。

そんな松坂屋に関係が深い場所が、千種区にある「揚輝荘」。かつて松坂屋の初代社長・伊藤次郎左衛門祐民(いとうじろうざえもんすけたみ)によって築かれた別荘です。

戦時下を経て、建物が消失したり、開発により庭園も南北に分断されてしまったものの、今なお数棟の貴重な建物と庭園が残されています。

そんな名古屋の穴場スポットを簡単にご紹介!

「揚輝荘」があるのは、地下鉄東山線・覚王山駅から徒歩10分弱の場所。閑静な住宅街の一角、覚王山日泰寺に隣接するように位置しています。

南北のうち、メインとなるのは南側にある「聴松閣(ちょうしょうかく)」。北方ヨーロッパの木造建築技法・ハーフティンバー様式の山荘風に造られた地上3階・地下1階の建物です。

入り口まで来れば、包み込む青紅葉と、建物の赤い色合いが目を引く、印象的な景観となっています。

そんな「聴松閣」は、入場料300円を払うと見学可能することが可能。中でも面白いのは地下ホールです。

なんとこの部屋には、松坂屋の初代社長・伊藤次郎左衛門祐民が行ったインド・ビルマでの仏跡巡礼旅の記憶が散りばめられているのです。

ホール全体を覆う柱一つ一つに施される装飾、仏画が施され、ついにはアジャンター石窟寺院を模した場所まで。

そしてガラスにはヒマラヤ山脈を描かれ、モルゲンロート(朝日に合わせて山が色づいていく様子)まで再現されていました。

いかに彼の旅が印象的なものであったか?見学しているこちら側にも伝わってきます。まるで外国を訪れたかのような、異色の空間になっていて面白いですよ。

また2Fには旧書斎があり、ここがとても絵になる空間。

まるで偉人にでもなったかのような気持ちで写真撮影を楽しめます!(笑)

一方で北側の庭園は見学無料です。

京都の修学院離宮を彷彿とさせ、都会の中にあるとは思えない、ひっそりと落ち着いた面持ちとなっています。

春から夏にかけては新緑、秋には紅葉が美しい場所。食後なんかにサクッと散策するにはもってこいの場所です。

2〜3時間でふと非日常の時間を味わえる「揚輝荘」。ぜひ一度訪れてみては?

<揚輝荘>
住所:愛知県名古屋市千種区法王町2-5-17
営業時間:9時30分〜16時30分
休館日:月曜日(祝日の場合はその直後の平日)、年末年始(12月29日~1月3日)
入館料:300円
電話番号:052-759-4450
アクセス:地下鉄覚王山駅から徒歩10分弱

愛知深掘りライター(名古屋市)

1993年生まれ、愛知県豊田市出身、同志社大学文学部卒。第二新卒を経験後、愛知へUターンをして、メーカー営業職とトラベルライターを両立。現在は、IT企業に勤務しながら、自然や暮らしに一歩踏み込む、情報発信に精を出す。美味しい地元グルメを探しながら、名古屋市内の色彩豊かな自然を愛でるのがルーチン。 ※12月18日からLINEにて土庄雄平「名古屋深掘りチャンネル」配信スタート!毎週月曜日の10時にお届けします。名古屋のグルメから週末おでかけ情報、ディープなスポットまで盛りだくさん。ぜひ登録してくださいね♪(記事内のリンクは、Yahoo!ニュース エキスパートとの取り組みで特別に設置しています。)

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