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【名古屋市】こんな場所に!? 古代の名古屋に思いを馳せる古墳3選。王道から穴場まで!

土庄雄平愛知深掘りライター(名古屋市)

三英傑(織田信長・豊臣秀吉・徳川家康)をはじめとして、東海道や有松絞など、中近世の歴史のイメージが強い名古屋。

しかし、そのもっと前、古代の遺跡が数々残っていることはご存じでしょうか。その代表例が「古墳」です。大和朝廷とのつながりや、各地の豪族の勢力を反映したと言われる巨大な古墳や古墳群が市内に点在しています。

今回はそんな、名古屋の古代を紐解く3つの古墳をご紹介します。

断夫山古墳(熱田区)

熱田神宮に隣接する、東海地方で最大クラスの規模を誇る「断夫山古墳」。古代皇族の伝説的英雄であるヤマトタケルが婚約したミヤズヒメのお墓だと伝えられています。築造年代(推定)は、5世紀末から6世紀初頭です。

熱田神宮の管理地にあり、長らく立ち入りが禁止されていたのですが、熱田神宮公園として整備されて以降、墳丘上に入ることができるようになりました

発掘調査はなされておらず詳細は不明ですが、埋葬者が尾張地方の一首長として確固とした権威を持っていたと推定できるほど、圧倒的な墳丘規模を誇っています。墳丘には幾つも木の根が張っており、悠久の歴史を収める場所だと感じられますよ。

<断夫山古墳>
住所:愛知県名古屋市熱田区旗屋1丁目10-45
アクセス:熱田神宮公園まで地下鉄名城線・熱田神宮西駅から徒歩約5分、熱田神宮公園内

志段味古墳群・南社古墳(守山区)

名古屋で一番高い山として知られている東谷山(とうごくさん、標高198m)。その山麓に位置しているのが志段味(しだみ)古墳群です。そのうち南社古墳は、東谷山の登山道の途中にある直径30mの円墳になります。

志段味古墳群はかつて100基を超える大規模な古墳群であり、今では現存する古墳のうち7基が国の史跡に指定されています。南社古墳もその一つです。高台のロケーションや出土している立派な埴輪から、かつて濃尾平野を掌握した首長のお墓だと推定されています。

古代から尾張エリアが栄えていたことを象徴しており、今は自然と歴史が融和する場所。どこかミスタリアスな雰囲気を味わいつつ、遠い昔へ思いを馳せてしまいます。古代のロマンを感じさせるスポットです。

<志段味古墳群>
住所:愛知県名古屋市守山区志段味大塚・東谷
アクセス:JR高蔵寺駅から徒歩約20分〜30分

植田八幡社古墳(天白区)

地下鉄鶴舞線・植田駅からすぐ近くの場所にある「植田八幡宮」。室町時代に有力な武士団・横地一族が築いた八幡社です。近現代の修繕を受けて、植田の氏神さまとして大切に守られています。

そんなこの八幡宮。実は、約1,500年前の古墳時代中期(紀元5世紀頃)の古墳の上に築かれており、名古屋の歴史を残す稀有なスポットとして知られています。しかも、その墳形は前方後円墳

今では社の後方部にわずかに墳形をとどめている程度ですが、社殿の大きさから考えると、かなりの規模と推測されます

上でご紹介させていただいた巨大な古墳や、大規模な古墳群に加えて、こうした単独の古墳も点在していた名古屋。古代の名古屋の勢力図を頭の中に思い描くだけでも、なんだか面白いですね。

<植田八幡宮>
住所:愛知県名古屋市天白区植田西3丁目605
電話番号:052-808-3818
アクセス:地下鉄鶴舞線・植田駅から徒歩約5分

いかがでしたでしょうか。文字資料が豊富にない古墳時代。そのため推測が多いのですが、確実に名古屋には古代の痕跡が残っています。古墳を巡りながら、そんな太古のロマンが垣間見える名古屋の遠い歴史に思いを馳せてみませんか?

愛知深掘りライター(名古屋市)

1993年生まれ、愛知県豊田市出身、同志社大学文学部卒。第二新卒を経験後、愛知へUターンをして、メーカー営業職とトラベルライターを両立。現在は、IT企業に勤務しながら、自然や暮らしに一歩踏み込む、情報発信に精を出す。美味しい地元グルメを探しながら、名古屋市内の色彩豊かな自然を愛でるのがルーチン。 ※12月18日からLINEにて土庄雄平「名古屋深掘りチャンネル」配信スタート!毎週月曜日の10時にお届けします。名古屋のグルメから週末おでかけ情報、ディープなスポットまで盛りだくさん。ぜひ登録してくださいね♪(記事内のリンクは、Yahoo!ニュース エキスパートとの取り組みで特別に設置しています。)

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