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【名古屋市千種区】名古屋を再発見!教科書には出てこないディープな歴史スポット3選

土庄雄平愛知深掘りライター(名古屋市)

戦国時代の三英傑を輩出し、有松などに代表されるように東海道の要所として繁栄した愛知県。しかし、歴史の教科書に登場するのはその一部で、隠れた歴史スポットが名古屋市内に点在しているのはご存知でしょうか。

名古屋の歴史や文化を紐解ける、意外と知られていないディープなスポットでは、壮大なドラマに思いを馳せたり、独特の世界観に感銘を受けるなど、ロマンで溢れています。今回はそんな名古屋の中から、千種区の歴史名所を厳選してご紹介していきましょう。

揚輝荘

「松坂屋」が名古屋発祥なのはご存知でしょうか?現在は大丸と統合し、東海と関西に大きな基盤を置く百貨店となっています。そんな松坂屋に関係が深い場所が「揚輝荘」。松坂屋の初代社長・伊藤次郎左衛門祐民(いとうじろうざえもんすけたみ)によって築かれた別荘です。

メインの建物は「聴松閣(ちょうしょうかく)」。北方ヨーロッパの木造建築技法・ハーフティンバー様式の山荘風に造られた地上3階・地下1階の建物です。

なんとこの部屋には、松坂屋の初代社長・伊藤次郎左衛門祐民が行ったインド・ビルマでの仏跡巡礼旅の記憶が散りばめられています。ホール全体を覆う柱一つ一つに施される装飾、仏画が施され、ついにはアジャンター石窟寺院を模した場所まで。

見学無料の北側の庭園も見所です。京都の修学院離宮を彷彿とさせ、都会の中にあるとは思えない、ひっそりと落ち着いた面持ちを醸し出します。

<揚輝荘>
住所:愛知県名古屋市千種区法王町2-5-17
営業時間:9時30分〜16時30分
休館日:月曜日(祝日の場合はその直後の平日)、年末年始(12月29日~1月3日)
入館料:300円
電話番号:052-759-4450
アクセス:地下鉄覚王山駅から徒歩10分弱

名古屋大仏

千種区にある桃厳寺。その一角に佇んでいるのが「名古屋大仏」です。境内を進むと、突如現れる緑の大仏さまの存在感に圧倒されてしまいます

そんな大仏さま。なぜ作られたのだろう?と思うのですが、その背景には壮大な計画がありました。実は、1988年夏季オリンピックの開催地に、名古屋市が立候補していたため、開会式に合わせて大仏の建立・開眼供養を行なう計画が立案されたのです。

結局、開催地はソウル(韓国)に決まり、実現しなかったものの、桃厳寺に安置されることになりました。今では、まるで異世界へワープしたような不思議な雰囲気を醸し出す、名古屋のパワースポットとして密かに知られています。

<名古屋大仏>
住所:愛知県名古屋市千種区朝岡町2丁目41
アクセス:地下鉄・本山駅の6番出口から徒歩5〜10分

千種公園

かつて第二次世界大戦の際に武器を作っていた"名古屋陸軍造兵廠千種製造所"の跡地に作られた「千種公園」。市民に愛される憩いの公園の中に、戦争遺構が残されています。それが2枚のコンクリート壁です。

こちらは千種製造所が狙われ、69名の方が亡くなった空襲の痕跡を物語るものです。戦争の歴史を繰り返さないために、いかに悲惨なことが起こったか、後世に語り継ぐために、このコンクリート壁は公園に置かれています。

小さい穴ですが、硬いコンクリートを突き破るほどの爆撃を受けた時、どうなるかは想像に難くないでしょう。今再び、国際情勢は不安な状況にありますが、この戦争遺構を見て、決して他人事として捉えてはいけないと感じました

<千種公園>
住所:愛知県名古屋市千種区仲田1丁目1-6
アクセス:名古屋市営地下鉄・今池駅から徒歩約12分、池下駅から徒歩約14分

いかがでしたでしょうか。少しディープですが、地元を再発見できる歴史名所が名古屋には多くあります。ぜひアンテナを張って町中を探検してみてくださいね。

愛知深掘りライター(名古屋市)

1993年生まれ、愛知県豊田市出身、同志社大学文学部卒。第二新卒を経験後、愛知へUターンをして、メーカー営業職とトラベルライターを両立。現在は、IT企業に勤務しながら、自然や暮らしに一歩踏み込む、情報発信に精を出す。美味しい地元グルメを探しながら、名古屋市内の色彩豊かな自然を愛でるのがルーチン。 ※12月18日からLINEにて土庄雄平「名古屋深掘りチャンネル」配信スタート!毎週月曜日の10時にお届けします。名古屋のグルメから週末おでかけ情報、ディープなスポットまで盛りだくさん。ぜひ登録してくださいね♪(記事内のリンクは、Yahoo!ニュース エキスパートとの取り組みで特別に設置しています。)

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