守山区の東谷山（とうごくさん、標高198m）や名東区の親鸞山（しんらんさん、標高111m）を除き、目ぼしい山のない名古屋ですが、周辺まで足をのばせば、満足度の高い本格登山を楽しめます。

そんな名古屋近郊の山として、まず名前が上がってくるのが春日井三山。弥勒山・大谷山・道樹山の3つの山の総称です。

一つの山を往復するピストンから全ての山をつなぐ縦走コースまで、登山者のレベルに合わせてコースを選ぶことができます。

筆者のおすすめは県道123号線沿いの東海自然歩道（春日井コース）の内津峠から弥勒山（みろくやま、標高437m）まで往復する合計1時間20分のコース。

静かな樹林帯歩きや絶景パノラマを楽しめるほか、3月下旬〜4月上旬のタイミングであれば花を鑑賞できるのも魅力です。

全ての区間が東海自然歩道のため、道迷いの心配もなく安心！登山標識にしたがって入山しましょう。

前半は木漏れ日が美しい雑木林。竹林も風に揺られて涼やかです。気温が上がってくる4月でも、とても爽快な時間を過ごすことができます。

芽吹いて淡く色づく新緑と、紫色のミツバツツジ。あえて花をぼかして、春らしいふんわりとした色合いを表現してみました。

緑の中に様々な色が溶け込む春は、カメラを持って自然の中を歩くのが楽しいですね。

道の途中には登山標識が何度か現れます。これから目指す弥勒山の先には、大谷山（おおたにやま、標高425m）と道樹山（どうじゅさん、標高429m）があり、このポイントから片道2.6km。

余力があれば、登山初心者の方でも3座縦走は十分可能な距離です。

コースの後半は、しっかりと整備された階段が続いていきます。歩きやすく木立の間を抜ける風が本当に気持ち良いです。

まだ展望は開けていませんが、稜線（尾根）を歩いていると感じられる風情があります。

そして登山開始から約45分で、弥勒山の山頂へ到着。立派な展望台が設けられており、3月下旬〜4月上旬には見事な桜が迎えてくれます。

展望台の先には春日井から名古屋方面を一望！標高は400m台と高い山ではないのですが、遮るものはなくパノラマは一級品です。

一方で展望台と反対側には休憩所が設けられています。桜と同じタイミングでミツバツツジが咲き誇り、清々しいパノラマに彩りを添えてくれました。

こちらは白川町や多治見市街まで一望！まさに愛知県と岐阜県の県境に立っていることを感じられるでしょう。

そんなパノラマでひときわ存在感を放っているのが、木曽の名峰「御嶽山（おんたけさん、標高3,067m）」です。

筆者も県内の山に数々に登っていますが、尾張地区で、これほど御嶽山をダイナミックに感じられる場所は他にないと思います。

本格的に登山を始めたい方におすすめの「弥勒山」。名古屋からも近いのでぜひ一度、清々しい春の季節に登ってみてはいかがでしたでしょうか？

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