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ブラタモリ風 三島の清流・源兵衛川の水は密輸品?

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【完全版】ブラタモリ 過去放送の一覧リスト(とらべるじゃーな!)

今回は、前編(ブラタモリ三島編(仮)富士山大噴火が生んだ隠れ名所とは?)に続き、もしも三島にブラタモリ(NHK公式)が来たら。という設定で、ロケ地や、タモリさんが話しそうなことを予想してみました。それでは、タモリさん(仮)、よろしくお願いします!

#もしもブラタモリが来たら

タモリさん(仮) 今日は、静岡県・三島の源兵衛(げんべえ)川というところに来ています。今日は夏日ですが、木陰がとても涼しいです。

三島駅南口から徒歩15分。楽寿園南出口からすぐ。

タモリさん(仮) おお!水が驚くほどきれいですね。新幹線の駅のそばとは、思えない。

案内人(仮) そうなんです。きれいな水、涼しい木陰、適度の水の深さと、3拍子そろった源兵衛川は、三島っ子には、大人気の場所なんです。

今回の旅のお題は、「富士山大噴火が生んだ隠れ名所とは?」です。富士山麓にある三島市には、新しい観光地・三島スカイウォークや、名水が生むうなぎ料理を求めて、年間約800万人の観光客が訪ねています(三島市)。

・前編 「ブラタモリ三島編(仮)富士山大噴火が生んだ隠れ名所とは?
・後編 「ブラタモリ風 三島の清流・源兵衛川の水は密輸品?(ブラタモリ風)」(今回)

案内人(仮) ではタモリさん(仮)? この源兵衛川の美しい水、どこから来ているか、ご存じですか?

タモリさん(仮) すぐ北の楽寿園からですよね?? レッサーパンダがいる。

案内人(仮) ええと、これが楽寿園の池の写真です。

楽寿園は、寺社、天皇家の親戚筋、財閥などが所有してきた、三島駅南口と目と鼻の先にある、旅行客にも人気の大きな庭園です。早速訪ねてみましょう。

タモリさん(仮) 楽寿園にやって来ました。あらあら、今年(2022年)は水が少ないねえ。

※追記 2023年夏の三嶋大祭りの時期は、満水まであと10cmとなり、水が豊かでした。

案内人(仮) そうなんです。先ほどお見せした写真は2020年のもので、満水になったのですが、今年はちょっと厳しいです。でも、池(小浜池)の底の溶岩にご注目ください。富士山に降った雨や雪が、溶岩の隙間から湧いてきたことが、逆に手に取るようにわかります。

ところで、タモリさん(仮)。さっき、源兵衛川の水が、この楽寿園の池と同じ水源だというお話でしたが??

タモリさん(仮) あっ! 源兵衛川の水は、楽寿園からって思い込んでたけど、楽寿園の池だけ渇水しているのは、おかしな話ですね。それじゃあ、源兵衛川の水は、いったいどこから持ってきたの??

写真は、楽寿園をブラブラしていたタモリさん(仮)が見つけた、縄目状溶岩です。溶岩が流れた方向がわかる、重要な痕跡です。ブラタモリ伊豆大島編(とらべるじゃーな!)の三原山の部分で、紹介されています。

ブラタモリ(仮)は、源兵衛川の水の出どころを知るために、柿田川公園を訪ねます。柿田川公園は、三島市に隣接する清水町にあり、訪ねる観光客は少ない場所です。

三島駅からバスで約13分。柿田川湧水公園前下車。

ブラタモリ(仮)は、第2展望台と書かれた場所へ向かいます。

タモリさん(仮) これは素晴らしいですね!! エメラルドブルーいうやつですか? これは、富士山から来た湧水?

案内人(仮) はい、そうなんです。諸説ありますが、13~23年前に、富士山に降った雨や雪が、長い時間をかけて湧き出したものなんです。

お願い 当ページ内の記述は、誤りを含まないように努力をしていますが、研究等の場合は、必ず書籍や論文等の記述内容をご確認ください。

タモリさん(仮) こちらは「第1展望台」ですね。川底から、水が沸くのが見えますね。旅行客は少ないようだけど、ぜひ見ていってほしいですね!

ブラタモリは、公園の南にある「八つ橋」を目指します。

タモリさん(仮) お、さっきの井戸のちっちゃいのがいるね! 

案内人(仮) よくお気づきに。これは、かつて製紙会社が利用していた、井戸の跡です。

タモリさん(仮) これは美しい川! 富士山の伏流水で水遊びとは、最高に贅沢ですあ〜。さっきのエメラルドブルーの井戸辺りから、流れてくるんだ。

案内人(仮) そうなんです。富士山に13~23年前に降った雪や雨が、地中でろ過されて、溶岩のすき間から湧き出たのが、先ほどの大きな井戸周辺。それらの水が集まってきたこの辺りは、「柿田川」の上流ということになります。

柿田川は、全長1.2km、日本でいちばん短い1級河川で、四万十川や長良川とともに、日本三大清流に数えられています。

三島駅南口からバスで柿田川湧水公園を訪ね、2つの展望台を回ります。その後「八つ橋」へ。八つ橋を出たら、図書館の表示を頼りに歩くと、バス通りに出ます。地元の人しか訪ねない、散歩道です。

ところで、なぜ、楽寿園の池が枯れているのに、その先の源兵衛川に水が流れているかを探しているのでしたよね??

タモリさん(仮) え? まさか柿田川から水を回しているって話なら、無理筋だよね。そもそも距離があるし、この辺は、富士山がある北へ行くほど、標高が高い。高いところへ、水は流れない。

Yahoo!地図より引用。

ブラタモリ(仮)は、柿田川の下流を訪ねます。

タモリさん(仮) 住宅地の中の別世界だね!

タモリさん(仮) 確かに、この水量豊かな、清流の水を、楽寿園の湧水が枯れる時期だけでも、源兵衛川に持っていければ、言うことないんだけど、できるの?

案内人(仮) タモリさん(仮)、ここは何だと思いますか?

タモリさん(仮) 取水場! なるほど、電気ポンプなら水を、標高が高い場所へ送れる!

ブラタモリ(仮)は、三島市にある大きな工場を訪ねます。

タモリさん(仮) ん? 水音が聞こえるね。暗渠を探すのは得意!

案内人(仮) 実は、あのエメラルドブルーの井戸があった柿田川湧水池の水は、取水場を経て、標高が高い北に押し上げられます。この工場で冷却水として使われ、渇水時のみ源兵衛川に流されているんです!(写真のマンホールが流路、筆者の独自取材による)

工場では、洗浄水と冷却水を使っています。冷却水は、ポンプ内をめぐるだけですので汚れることはありませんが、その冷却水の中でも、特にきれいな水を選んで流しているんです。

高校生の作文から
三島は「水の都」と言われており、透き通る水が流れています。しかし、昔の源兵衛川は、今とは大違いの状況でした。生活排水が流れ込んでおり、臭いもひどく、人が足を踏み入れることすらもできない状況でした。そんな中、地域の人で協力して清掃活動が行われ、今では子どもが水遊びをすることができるほどになりました。

案内人(仮) 作文にもありますが、死体の頭が浮いているのかと思ったら、ふくらんだゴミ袋だった、というエピソードもあるほど汚れていた源兵衛川。水質が戻った理由の1つとして、さきの工場が、きれいな水を融通したことがあるんです。

タモリさん(仮) これは、農業用水ですね。田んぼの方向ごとに分水をしている。

この水門の機能については、立地や向きに基づく筆者の推測のため、誤りを含む可能性があります。
この水門の機能については、立地や向きに基づく筆者の推測のため、誤りを含む可能性があります。

案内人(仮) 水門が開いているときは、工場は、農業用水にも水を供給していると考えられ、三島の農業を支えています。一方で、楽寿園付近の渇水の時には、源兵衛川に、清流にしか見られない藻(も)が育つほど、きれいな水を供給している仕組みです。

高校生の作文から
1年を通じて水温は15度前後と、夏は冷たく冬は温かく感じるのが特徴です。きれいな冷たい水でしか育たない水草ミシマバイカモ(三島梅花藻)を見ることもできます。

三島周辺で販売されている柿田川の名水
三島周辺で販売されている柿田川の名水

そもそも楽寿園の渇水が始まったのは、三島周辺に、住宅や工場が増えたのが原因と言われています。一方で、水をよそに融通するには、年に何千万円もの費用がかかると言われ、さまざまな意見があるのは事実です。

タモリさん(仮) 源兵衛川の水が、楽寿園の水源と異なる時期もあるのは、観光的にはちょっとアレかもしれないけど、私に言わせれば、楽寿園の水系と、柿田川の水系が同時に楽しめて、2度おいしい! まさに三島のおいしい水だ(笑)

※追記 2023年の夏は楽寿園の小浜池が満水まであと10cmのため、柿田川水系からの融通は行っていない可能性があります。

ブラタモリ(仮)三島編 前編「ブラタモリ三島編(仮)富士山大噴火が生んだ隠れ名所とは?」もぜひご確認ください。

ブラタモリ(本物)の過去回を全て確認できます。
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穴場ずらし旅、愛好家

関東周辺の穴場★ずらし旅スポットを紹介。日本テレビに旅の専門家として出演(2023年4月)。Yahoo!ニュースエキスパート公式旅行ライター(2023年7月企画賞)。JTB運営・地理旅行検定取得済み。東京都在住、旅行歴500泊以上。

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