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なぜケチケチなアパホテルを選んでしまう人が多いのか?

とらべるじゃーな!穴場ずらし旅、愛好家

関東圏のエモ静ずらし旅の愛好家、とらべるじゃーな!(記事一覧TwitterInstagram)です。年に50泊程度のホテル利用をしています。

そんな筆者が、余り選ばないのがアパホテルです。

アパホテルと言えば、びっくりするほど、狭い部屋! 筆者の知る範囲では、11平米前後しかない部屋が普通。価格帯が異なるとはいえ、人気のドーミーインは15平米前後が多く、約3割も狭くなっています(汗)

アパのケチケチぶりの象徴が、この卵型の浴槽! エコを打ち出していますが、びっくりするほど浴槽が小さく、せっかくの旅行なのに、家庭のお風呂より狭いはずです(汗)

好みの問題ですが、部屋が狭いのに、変に金ピカでゴージャスなのも気になるところ。キーワードは、金色の壁紙とシャンデリアです。

筆者の持つ、アパホテルのイメージをまとめると、以下のようになります。

・部屋が狭い
・浴槽が特に小さい
・エレベーターが混む(部屋数が多いのに、ケチってエレベーターの台数が少ない)
・変にゴージャス(金色やシャンデリアを多用)
・部屋の壁紙が、プリント柄で安っぽい。
・どこも同じ作りで、楽しみがない。

今回、仕事の関係で、アパホテルに5連泊しました。そこでは、これまでに見えていなかったアパホテルの裏側が見えてきました。

今日は「なぜケチケチなアパホテルを選んでしまう人が多いのか?」をテーマにお送りします!

アパホテルの基本戦略は、部屋や浴槽などを極力小さくし、部屋数を増やして、利益率を上げること。

以前は、連泊時に追加のあったペットボトルの水も、現在は追加なし。エコという名のケチケチぶりは、さらに加速しています

そんなケチケチなアパホテルの7不思議の1つが、写真でわかるように「歯ブラシだけ妙に高級」ということ。太くしっかりした材質で、自宅に持ち帰って、利用した方もいるはず。

これは、なぜなのでしょうか?

ところで、アパホテルでは、連泊時のシーツ交換は、3泊ごとにしか行いません。

ほかのホテルでは、毎日交換もよくあり、この辺にもケチケチぶりが出ています。そして、驚いたのは、連泊時に、毎日追加支給されるアメニティの中身。

なんと、歯磨き粉のみの支給! あの歯ブラシは、使い捨てではなく「毎日使うことを想定」していたのです!

「立派な歯ブラシだから、毎日使えるでしょ?」という、元谷芙美子社長(帽子がトレードマーク)の声が聞こえてきそうです。確かにエコですが、ちょっとケチな気も?

しかし、アパホテルに5連泊して気づいたことがあります。ほかのホテルより、睡眠時の疲労回復率が圧倒的に高い!!

いま、多くのホテルでシモンズ社製の高級ベッドを使っており、ベッドには差がないと思っていました。しかし、アパのベッドは、人気ソファのヨギボーに近い寝心地があります。

つまり、人の体の凹凸に合わせてベッドが変形し、包み込んでくれる。その気でほかのホテルと比べれば、寝心地は断然。アパは、シモンズでなくアメリカのシーリー社と組み、実際にベッドは好評で、2011年から宿泊者向けに販売もしています(20万円前後)。

また、枕はペラッペラに見えますが、体が適度に沈む分、ちょうど良い高さとなります。それが良く分かるのが、右肩(または左肩)を下にして、横向きに寝たとき。肩が沈み込むため、見事にちょうど良い高さの枕となります。枕の高さで、首が痛くなりません。

細かい話で恐縮ですが、アパのベッドは、すみの方もクッション性が高いのも特徴。ほかのホテルだと、すみの方は斜めに曲がり、落ちそうになることがあります。

※シーリー社設計のベッドは、未導入のところもあるかも知れません。また、柔らかめのマットレスのため、腰痛の方には合わないことがあります。

信濃川を望む新潟市内のアパホテル
信濃川を望む新潟市内のアパホテル

アパホテルの考え方は、おそらくこう。

元谷芙美子社長「ホテルの部屋って、デスクを使わないなら、だいたいベッドの上でしょ? だから、そのほかの空間は狭くてもいいの。それで、ベッドにお金をかけたのよ」

筆者は、ホテルの部屋を広さだけで見ていましたが、この発想もありかと思いました。なお、アパホテルでは、シングルでも、セミダブル並みのベッド幅があり、ベッドの上で過ごすことが、強く意識されています。

また、これは偶然かも知れませんが、アパでは、椅子の高さとベッドの高さがほぼ同じ。そのため、足を椅子に乗せ、横になることもできます(テレビモニターの方向によっては、意外に便利)。

アパの椅子は、必ず可動式で、就寝時に小物を置く場所にもなります。

デスクは、横長のものに惹かれる方が多いと思いますが、実は奥行きの広さが使い勝手の大前提。アパでは、必ず奥行きが深いデスクが設置されています。

細かい点ですが、ぶつかる可能性がある場所は、曲線にカットされています。

筆者は、どちらかというとアパ派ではありませんが、前々から、ビジネスホテルとしての基本を重視しているということは、どことなく分かっていました。

・駅前など場所が良い(敬遠される変形の土地を積極的に活用するため、駅前に展開できる)
・必ず新築か改装済み
・ベッドにコストをかけている
・バスタオルが、価格帯からすると高級(厚みがある)。
・カーペットが厚く足元に不快感がない(板の間に薄いカーペットを敷いたホテルも増えている)
・清掃、フロントにハズレがない。

※なおアパホテルでも、地方など旧式の建築も一部あります。

お風呂は、広いに越したことはないですが、古くて広いなら、狭くて新しい方がいい。ホテルを写真で比較したことがある方なら、感覚的に理解していただけそうなところです。

それでも、この卵型の浴槽の窮屈さだけは、否めないところ。しかし意外なメリットが! お湯がたまるのが圧倒的に早いのです。特に、目盛りつきのオートストップの蛇口の設置があれば、あらかじめ適量で止まるように、設定されています。

助かるのは、忙しい出張客です。仕事中に、何度もお風呂の様子を見にいく必要がなく、お湯だけでなく、時間も節約できます。さらに、浴槽の周囲のスペースは、ひじ掛けや、シャンプー置き場に最適で、設計の妙を思い知らされます。

※卵型の浴槽でない支店もあります。

そして、アパユーザーなら、すでにお気づきの方も多いと思いますが、給湯ポットが洗面台の高さに収まる設計! このように収まらないと、水がこぼれて大変です。

※設計は支店によって少しずつ異なるため、当てはまらない場合もあります。このページの情報をご活用の場合、ご留意ください。

また、支店にもよりますが、面倒な、湯沸かしポットのぐるぐる巻きにされたコードを、わざわざ出す必要がない位置にポットが置いてあることも(コンセントを指すだけ)。さらに現在は、リモコンは、感染対策として、専用のビニル袋に入っています。

さて、「なぜケチケチなアパホテルを選んでしまう人が多いのか?」がテーマでした。アパホテルは、確かに部屋は狭いのですが、ビジネスマンに配慮した、合理的な設計、快適な朝を約束するという点で、多くの人に選ばれるということが、連泊してよくわかりました。

筆者のTwitterで、ビジネスホテルの人気投票をしたところ、以下のような結果でした(ご協力ありがとうございます)。

途中経過(192票)
1位 ドーミーイン 61(票)
2位 スーパーホテル 30
3位 ダイワロイネット 26
4位 アパホテル 24
5位 東横イン 23
6位 ルートイン 11
7位 リッチモンド 5
その他 12

アパ以外なら、筆者のおすすめは、大和ハウス系のダイワロイネット。各ホテルは、次のページに紹介してあります!

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穴場ずらし旅、愛好家

関東周辺の穴場★ずらし旅スポットを紹介。日本テレビに旅の専門家として出演(2023年4月)。Yahoo!ニュースエキスパート公式旅行ライター(2023年7月企画賞)。JTB運営・地理旅行検定取得済み。東京都在住、旅行歴500泊以上。

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