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宿坊（しゅくぼう）をご存知でしょうか？　もとは、お寺や神社の関係者や参拝者のための宿泊施設ですが、観光客が利用できるところが増えています。

多客期でも、宿坊は空いていることもあり、知っておくと、旅の選択肢が広がります。

今回訪ねたのは、東京都を走る、JR青梅線の御嶽（みたけ）駅。

ケーブルカーで武蔵御嶽神社を目指します。御岳山（みたけさん）は、都民のオアシス・高尾山のライバル的な存在ですが、より静かで、多数ある宿坊に泊まれるのが魅力です。

そんな宿坊の１つ、山楽荘に到着！　平日ということもあり、ほかにお客さんはいませんでした。過去にいくつかの宿坊に泊まりましたが、平日は１組（独占）か２組というケースは多かったです。

オーソドックスな旅館風の部屋。なお、宿坊は、部屋のバス・トイレはない場合が多いです。

大浴場は、沸かし湯のため、時間を決めて入る方式でした。宿泊時は、朝風呂も含めて、２回入ることができました。宿坊ですので、多少の制約があることがあります。

大浴場には、宿坊らしく、朝のお勤めの作法が掲示してありました（朝のお勤めの参加は自由です）。

浮かんだヒノキの丸太が印象的な大浴場！　温泉ではありませんが、水がよくぬめりがあり、並の温泉以上のお湯感がありました。

最近は、宿坊でも大きめの浴場を備えるところは増えています。ただし、温泉は少ないようです。旅館と民宿の間くらいと考え、バスタオルやカミソリ、ドライヤーなどは有無の確認をしておくのがおすすめです。

お世話になった山楽荘も、大浴場以外は普通の宿坊だなと思って、夕食会場に向かうと……。

すごいのが出てきました！

まん中の「山ふぐ」は、魚介の採れない御岳山で、刺身代わりのもてなしとして供された、歴史のある料理です。近場でとれたものが多く、肉はシカとイノシシでしたが、シカはその辺で獲ったものとのこと。

つる菜、ユスラウメ、のらぼう菜、ずいきなど、聞いたことがない食材も多く、宿坊とは思えない凝った料理で、素材を生かした味。食前酒まで、ついていました。

全体に、やや甘さを強調した味つけは、特に女性は気に入るはずです。宿坊の方々の手作りですが、奥さんが、日本料理店の出身とのことで、その経歴が存分に生きています。ご主人は、調理専門学校卒で、意気込みがちがいます。

（記事執筆時には、１月の３連休のうち、７・８日に空室がありましたが、満室の場合はご容赦ください）

ただし、こちらの宿坊は、やや優等生。宿の激戦区である大都市圏に構えているところが大きいかと思います。

随所に飾られる芸術作品も、山楽荘の大きな特徴です。

武蔵御嶽（みたけ）神社は、宿坊からすぐ。

武蔵御嶽神社

通り雨がやってきた、風情ある参道です。

こちらは、冬に訪ねた、山梨県の身延山の山本坊。

ストーブで暖まった部屋が、印象的な宿坊でした。料理は、手作りの家庭料理ですが、宿泊時は、かき（牡蠣）も出てきて、ちょっとしたごちそうの雰囲気がありました。

同じく身延山の覚林坊です。

料理が売りの宿坊で、旅館並みの凝ったものが出てきました。

いずれの宿坊も、身延山久遠寺（くおんじ）のすぐ近くです。

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