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どうする家康とブラタモリ 意外な共通項は「物語プロット」?

とらべるじゃーな!穴場ずらし旅、愛好家

関東圏のエモ静ずらし旅の愛好家、とらべるじゃーな!(記事一覧TwitterInstagram)です。

伊賀盆地
伊賀盆地

「どうする家康」第5話(2月5日)の予告には、「正信は、伊賀忍者の服部一党を使い奪還計画を立てるが頭領の服部半蔵(山田孝之)は過去の失敗ですっかり自信を失っていて・・・」とありました。

これこそ「平凡な登場人物が挫折し、契機を得て成長する」という、伝統的な物語プロット(筋書き)です。各国の神話に原点が見いだされ、現代の数多くの映画や小説、漫画、ゲームなどが、このプロットに沿っているとされます。

よく知られるように、「どうする家康」自体が、弱気で頼りない、どこにでもいるような主人公が、信長などを契機に、成長してゆく物語です。

「どうする家康」は、全体の構成も、個々の話の構成にも物語プロットが用いられ、いつ見始めても感情移入しやすい、まるで金太郎あめのような構成になっているのです。

第5話では、挫折から立ち直った服部半蔵が、不思議な仕掛けで仲間を呼び集めるシーンがありました。特に、仲間が目覚めた地下室の雰囲気は、若者に人気のRPGゲーム(主人公を操って強くしてゆくゲーム)の一場面の雰囲気そのもの。

今回の大河ドラマは、時代考証などへの反発もあるようですが、どちらかというと歴史嫌い、若い人を歴史の面白さに引き込む意図を感じます。

これは、ブラタモリと地理学の関係に同じです! ブラタモリも、簡略化し過ぎではないかとの意見が、なかにはあります。しかし、多くの人を、地理学の世界にいざなうためには、やむを得ない要素です。

清州城の模擬天守
清州城の模擬天守

『どうする家康』では、清州城のセットが、史実に対し豪華すぎるという批判があったようです。しかし、元康(若き家康)が、質素な岡崎城と対比的に、信長という壁を知ったときの挫折感を表現するために、仕方がない点だったのか知れません。

一方、ブラタモリのアシスタントに、知識がなさすぎるという意見も一部にあります。

しかし、ブラタモリ自体が「平凡な登場人物(アナウンサー)が、契機(タモリさん)を得て成長する」という物語プロットになっていますので、これまた、地理学に詳しかったら困るのです! 

アシスタントを卒業した、近江友里恵アナウンサー(退職)は、最後の回で次のようにコメントしています。「でも2年間やってると、ちょっと段々最近、石とか崖とかちょっと好きになってきて。本当にいろいろなことを教えてくださって。すごく豊かな時間でした」

今後、どうする家康やブラタモリを見るときに、「平凡な登場人物が挫折し、契機を得て成長する」という、物語プロットを意識するとより楽しめるはずです!

どうする家康で活躍中の伊賀忍者は、ブラタモリでも扱っています。

【ブラタモリ伊賀忍者、甲賀・信楽編】ロケ地|タモリさんが伊賀忍者の秘密を探る(とらべるじゃーな!)

ブラタモリでは、物語プロット(対比構造)以外にも、くり返しの構造を用いています。

ブラタモリ「奇跡の編集力」を知る|プレゼン、商談に生かす(とらべるじゃーな!)

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穴場ずらし旅、愛好家

関東周辺の穴場★ずらし旅スポットを紹介。日本テレビに旅の専門家として出演(2023年4月)。Yahoo!ニュースエキスパート公式旅行ライター(2023年7月企画賞)。JTB運営・地理旅行検定取得済み。東京都在住、旅行歴500泊以上。

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