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ブラタモリに登場 長岡はがっかり観光地?

とらべるじゃーな!穴場ずらし旅、愛好家

関東圏の穴場ずらし旅の愛好家、とらべるじゃーな!です。

先日(9月2日)のNHK番組、ブラタモリでは、“花火の町”は不死鳥の町!?をテーマに、長岡編が放映されました。

【ブラタモリ長岡】タモリさんが花火大会で知られる長岡を訪ねる|ロケ地(とらべるじゃーな!)

何もない長岡?

長岡は、出張などで何度か訪ねた人にとっては、「花火以外に見どころのない町」に映るかも知れません。

ネットで調べてみても「新潟県立歴史博物館」がよく勧められ、そういった施設しかないの?という気持ちにさせられます。

しかし、何度か訪ねると分かるのが、屈指のグルメタウンであるということ。

ほかの地域の同じ料理名からはイメージできない、洋風カツ丼(左)、イタリアン(右)などユニークな料理が目白押しです。

一方、古い町並みなどの見どころがないのは、戊辰戦争(1868年)、長岡空襲(1945年)によって2度に渡り焼け野原になってしまったことが原因と、ブラタモリは教えてくれました。

何もないのではなく、新潟県中越地震(2004年)を含め、何度となく災禍から立ち直ってきた「エネルギーがもらえる町」と捉え直すと、ちょっと平凡な地方都市も、違った景色に見えてきます。

有名な長岡花火は、長岡空襲で亡くなった人への慰霊、復興に尽力した先人への感謝、恒久平和への願いが込められています。

脳内VTRを再生

ブラタモリは、長生橋のたもとの河原を訪ねています。

長生橋は、1876年、危険な渡し舟しか手段がなかったこの場所に作られた、県内の信濃川に架橋された最初の橋梁です。

ブラタモリでは、多種多様な石を拾い集め、それらが、例えば越後湯沢や十日町など、各所から流れてきていると分析します。

石が流れつくということは、かつて水運が通っていたことを示唆し、実際に越後湯沢からは木材、十日町からは米や味噌、酒が運ばれていたとのこと。

少しだけ地形や歴史を調べることで、かつて幅約840mもあった信濃川を渡る渡し舟や、積み込まれる米俵などが、脳内にVTR再生されます。すると、何の変哲もない景色から、輝きを感じることができます。これが、長岡の楽しみ方の1つだと思います。

ブラタモリでは、長岡市内を流れる柿川という小川を紹介しています。これはかつての水運の痕跡です。

長岡の銘菓、長岡藩9代藩主が名づけた「越乃雪」は、明治天皇も巡幸の際に召し上がったとのこと。番組によると、原材料は、まず徳島から北前船で新潟へ。次いで、信濃川、柿川を経て、この地に運ばれたとのことでした。

ぜひ、明治天皇の姿や、船で運ばれる和三盆糖などを、脳内VTRを再生してみてください。

ぜひ訪ねたい宮内地区

脳内VTR再生ばかりでは……という方は、長岡駅から電車で1駅の宮内駅へ。

駅前の青島食堂は、新潟5大ラーメンの1つ、長岡生姜醬油ラーメンの代表的なお店です。

水と醤油が良いのか、スープが絶品です。

引用 長岡市地方創生推進部「な!ナガオカ」(http://na-nagaoka.jp/)
引用 長岡市地方創生推進部「な!ナガオカ」(http://na-nagaoka.jp/)

宮内駅周辺も、長岡空襲の被害にあっており、駅周辺やラーメン屋さんの辺りは再建かと思います。しかし、摂田屋地区などは「残存地域」とあり、かつての面影が残っているかも知れません。

やはり、貴重ななまこ壁の建築が、空襲に遭わずに残されていました。

こて絵とは、漆喰を用いて作られるレリーフ(浮彫り)のこと。江戸時代末期の芸術であり、宮内のこて絵は、全国有数と言われます。

宮内駅周辺に、近年オープンしたのが、江口だんごの販売店とカフェ施設です。

江口だんご 摂田屋店(2023年9月現在の情報)
新潟県長岡市摂田屋4-8-28
販売 9:30 〜18:00
喫茶10:00〜17:00 (LO)
定休日 火

酒蔵のタンクを望む、絶好の場所。宮内は、日本酒や味噌、醤油蔵が軒を連ねる醸造の町であり、駅前の醤油ラーメンが絶品であったのはむべなるかなです。

残念ながら訪問時にはカフェ(喫茶)は終了しており、「みたらし味のだんご屋プリン」を買い求めましたが、醤油の香りと風味が印象的でした。

江口だんご本店も楽しい

江口だんごは、実は長岡では有名なお店で、長岡駅近くや駅ビルにも販売店があります。しかし、旅行で訪ねるなら本店。路線バスもありますが、クルマで訪ねる人が多い場所です。

周囲は里山が広がり、地元の方にとってはただの田舎かも知れませんが、首都圏在住なら「大好物」という方も多いはず。

江口だんご本店(2023年9月現在の情報)
新潟県長岡市宮本東方町52-1
販売 9:00-18:00
喫茶 10:00-17:30(ラストオーダー17:00)
定休日 元日

カフェスペースの白玉だんごがおいしいです。

昔食べられていた大正餅を、稲の種から探し求めて復活させた味は、限定品です。

知る人ぞ知る長岡の赤飯は、何と醤油味。やさしい薄口の醤油味で、おかずがいらない絶品です。

長岡はがっかり観光地?

長岡は、確かに目立つ観光地は少ない町です。背景に幾度もの災禍があるからなのですが、よく目を凝らすと、江戸時代からの名残がかすかに残されています。

長岡駅すぐ近くにも、長岡城の名残り、殿町の地名がありました。ぜひ脳内VTRのスイッチを入れてみてください。

そして、ぜひ訪ねたいのは、JRで1駅の宮内地区。日本酒や味噌、醤油蔵が軒を連ねる醸造の町は、長岡駅周辺とは、様相が一変します。このほか、棚田などの自然が豊かな旧山古志村は、現在は長岡市の一部です。

現在、絶賛作成中ですが、全県が穴場ともいえる新潟県の名所を下のページにまとめてゆこうと考えています。

【全県が穴場】新潟県1泊2日 モデルコース20選!(とらべるじゃーな!)

ブラタモリ長岡編のロケ地は、下のページから。

【ブラタモリ長岡】タモリさんが花火大会で知られる長岡を訪ねる|ロケ地(とらべるじゃーな!)

穴場ずらし旅、愛好家

関東周辺の穴場★ずらし旅スポットを紹介。日本テレビに旅の専門家として出演(2023年4月)。Yahoo!ニュースエキスパート公式旅行ライター(2023年7月企画賞)。JTB運営・地理旅行検定取得済み。東京都在住、旅行歴500泊以上。

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