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間もなく乗り納め 三島駅の特殊エスカレーターはなぜこの形?

とらべるじゃーな!穴場ずらし旅、愛好家

関東圏の穴場ずらし旅の愛好家、とらべるじゃーな!です。

JR三島駅(静岡県)にある、特別な形のエスカレーターが、あと2日(9月23・24日)で乗り納めです。25日から長期工事に入り、工事後は、新品のエスカレーターとなります。

三島駅のメインの出口である南口から、北口あるいは新幹線乗り換え改札に向かいます。上を東海道線が走っているため、かなり低い天井が印象的です。

こちらが、しばらく閉鎖となる、特別な形のエスカレーターです。昇って、平ら、また昇る形式です。

2回の昇り幅はいずれも15段弱。普通に作れば、もう少し平らなまま進み、一気に30段ほど昇る形のエスカレーターとするはず。なぜこの形なのでしょうか?

途中の案内板。この形(動く歩道とエスカレーターが一体化)としては日本初で、ゆうロード三島と名前もついています。

約15段昇ると、突然動く歩道になり、また約15段昇ります。転落した時のための踊り場としては、その先が15段弱しかなく不自然に思います。

なぜもう少し平地を奥に進んでから、一気に30段弱昇る形にしなかったのかは疑問です。

昇った場所から見た様子です。

三島駅は富士山の裾野にあり、その傾斜に沿っているのかなと当初は思っていました。しかし。エスカレーターのある連絡通路全体が、下って、ほぼ同じ高度を昇る形となっており、あまり関係がないようです。

筆者は建築の専門家ではなく、かなりおおざっぱですが、歩いた感触から、おおむね上のような設計になっているように思います。

南口側から見ると、東海道線などの線路があり、1段高い場所に車庫、さらに1段高い場所に高架線を走る新幹線があるようです。

東海道線ホームから北を見ます。車庫の下辺りに、特殊なエスカレーターがあります。

いろいろ観察してみても、点線のように、もう少し北へそのまま歩いてから、エスカレーターで一気に昇るのが妥当だと思います。

なぜ、昇って、平らに進んで、また昇るのかは謎なのです。読者の方は、どのように推理されますか?

地元の方15人に尋ねてみましたが、知っている方は皆無。ただ1つ興味深かったのは、「水道管か何かあったのではないか?」という推理です。

↓ この後答えとなります! ↓

三島市出身だという駅員さんに聞いてみると、当時の様子を知る駅員はもういないのですがと断りつつ、強固な岩盤があって掘り進めなかったと聞いたことがあるとのこと。確かに、東海道線の工事が先で、北口側の地下部分の地盤は調査していなかったはずで、辻褄が合います。

駅員さんがかつて聞いた説が正しいとすれば、手前のエスカレーターの下には強固な岩盤が「通行禁止!」とこちらをにらんでいることとなります。

エスカレーター工事中でも、階段は通れますので、ぜひ訪ねてみてください。

念のためJR東海にも少し前から尋ねていますが、調査に時間がかかるようで、返答は未着。確実な事実確認が取れ次第、この記事に追記いたします。

三島駅周辺は、北口側に溶岩が見られるように、富士山の噴火を巡る様々な地形が見られる場所。何かの成り立ちで、三島駅に硬い岩盤があったとすれば、とても夢がある話ではないでしょうか。

三島駅の北口側の噴火の痕跡については、以前の記事でお伝えしています。

ブラタモリ三島編(仮)富士山大噴火が生んだ隠れ名所とは?

富士山が残した隠れ名所が多い三島については、次のページでもご案内しています。

隠れ名所あり!三島の観光・モデルコース 日帰り、クルマなしでもOK(とらべるじゃーな!)

三島駅の特別なエスカレーターと似たケースとして、東京駅の「行って来い階段」も有名です。

【ブラタモリ東京駅編】全内容・ルートを写真でまとめと要約! #Sp(とらべるじゃーな!)

穴場ずらし旅、愛好家

関東周辺の穴場★ずらし旅スポットを紹介。日本テレビに旅の専門家として出演(2023年4月)。Yahoo!ニュースエキスパート公式旅行ライター(2023年7月企画賞)。JTB運営・地理旅行検定取得済み。東京都在住、旅行歴500泊以上。

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