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ブラタモリ鎌倉 極楽寺の五輪塔に似た貴重な「宝篋印塔」がいつでも見られる場所

とらべるじゃーな!穴場ずらし旅、愛好家

関東圏の穴場ずらし旅の愛好家、とらべるじゃーな!です。

ブラタモリ鎌倉編(2024年版、後編)では、極楽寺が紹介され話題となりました。

鎌倉市にある江ノ電の小さな駅が極楽寺駅。赤いポストが映える駅舎が印象的で、海外からも、多くの方が撮影に訪れています。

駅舎の裏手にある極楽寺は、普段は静かなお寺です。

ブラタモリ鎌倉編では、鎌倉時代には、興福寺や東寺、室生寺、熊野三山をコピーした壮大な規模であったという新説が紹介され、反響を呼びました。

奥の院の忍性の墓は通常非公開

極楽寺の裏手には、現在は門がありますが、鎌倉時代には、門の先にある住宅地や小学校の全体を飲み込むような、壮大な寺院群が広がっていたと考えられます。

ブラタモリでは、このエリアに現在も残る、極楽寺を創建した忍性の墓を訪ねています。存命中には、土木工事や貧民救済などの社会事業に尽くした人物です。

忍性の墓は、五輪塔と呼ばれるお墓のなかでも、3m以上の高さがあり鎌倉時代の原形を留めている、大変貴重なものです。

通常非公開ですが、極楽寺(別名・極楽律寺)で年1回催される仏生会の一環として公開されます。2024年のスケジュールは、鎌倉 極楽寺Facebookで紹介されるのではないかと思います。

鎌倉でいつでも見られる宝篋印塔(ほうきょういんとう)

鎌倉でいつでも見学できる貴重なお墓が、安養院にあります。北条政子が、夫・源頼朝の冥福を祈って建立した寺院の後身と伝わります。

鎌倉時代のお墓には、丸みを帯びた五輪塔(ごりんとう)のほかに、直方体をベースとした宝篋印塔(ほうきょういんとう)があります。

現在も墓地でよく見かける、縦長の石を積み上げたお墓が近い先祖を祭るのに対し、五輪塔はより前の先祖、宝篋印塔はさらに遠い先祖までを祭るとされています。

安養院には、貴重な宝篋印塔(ほうきょういんとう)が存在します。

1308年に作られたもので、作られた年が判明している宝篋印塔では、鎌倉で現存最古のものです。

よく見ると大工沙弥心阿(しゃみしんあ)の名が刻まれています。極楽寺を開創した忍性の下で活躍していた石工の1人です。

鎌倉特有の地形である谷戸の崖下に、ひっそりと佇む印象的なお墓です。安養院は、鎌倉駅から近い場所(徒歩11分)にあるので、ぜひ訪ねてみてください。(Yahoo!マップ

ブラタモリ鎌倉編の訪問地としては、2024年版で紹介された元鶴岡八幡宮が、安養院から徒歩7分。そこから、2015年版でタモリさんが訪ねたそば処土手が徒歩12分です。

ブラタモリ鎌倉再放送 タモリさんが訪ねたそば屋「土手」はいま

ブラタモリ鎌倉編のロケ地は下で紹介しています。

【ブラタモリ鎌倉編・全ロケ地】源頼朝「幻の鎌倉」から北条氏ゆかりのお寺まで#260・261(とらべるじゃーな!)

2015年に放送されたブラタモリ鎌倉編は以下から。

【ブラタモリ鎌倉 2015年版・全ロケ地】「隠れた地形」から探る鎌倉の成り立ち#5・6(とらべるじゃーな!)

穴場ずらし旅、愛好家

関東周辺の穴場★ずらし旅スポットを紹介。日本テレビに旅の専門家として出演(2023年4月)。Yahoo!ニュースエキスパート公式旅行ライター(2023年7月企画賞)。JTB運営・地理旅行検定取得済み。東京都在住、旅行歴500泊以上。

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