関東圏の穴場ずらし旅の愛好家、とらべるじゃーな！です。

NHK番組ブラタモリが3月10日「鹿児島・指宿編」で最終回となりました。特番としての可能性はあるようですが、レギュラー番組としては、終了となります。

今回は、初回からロケ地を個人ブログに記録し、要所要所は実際に訪ねてきた筆者が、ブラタモリで印象に残ったものをメモします。

四国地方でブラタモリ

四国では、松山（#29）、道後温泉（#30）、さぬきうどん（#59）、こんぴらさん（#60）、高知（#85）、阿波踊り（#128）、鳴門（#129）、四万十川（#154 155）、しまなみ海道（#173）、高松（#198）、小豆島（＃199）、宇和島（#257）と、非常に多くの場所が取り上げられています。

「あるべくしてそこにある」が印象的だったこんぴらさん編

こんぴらさんとは、金刀比羅宮（ことひらぐう）の愛称です。

岡山から琴平まで特急で１時間弱。徒歩15分で門前町に到着。785段の階段を上がります。

私たちは、古くからある神社やお寺を訪ねるときに、なぜそこにあるのか？を考えることは少ないです。こんぴらさんは、なぜここにあるのでしょうか？

石段の中ほどに大門（おおもん）があります。振り返ると、門前町の見事な景観が見えます。

一般に高台の神社の立地は、日本人の自然崇拝から山が選ばれることも多い、訪ねる人にとって目立つ場所がよい、またもともと海沿いにあったが海岸線が後退した場合など諸説あるようです。

さて、このこんぴらさんには、酒樽が多数保管されています（写真右）。これはどのような由来がある酒樽だったのでしょうか？

瀬戸内海を渡る船の上に、似た形状の酒樽を積んでいるケースがあるようですが……??

正解は、海難に遭わないための願掛け。「流し樽」と呼ばれ、直接お参りできない海上の船舶から、酒や賽銭を詰めた酒樽を、海に落とし、地元の漁船が回収し奉納する仕組みです。こんぴらさんは、海の神様だったのです。

このような背景もあり、こんぴらさんの公式見解は、航海の目印となる山はしばしば信仰の対象となる点に、山の上に建てられた理由を求めています。

ブラタモリは山の頂上でなく、中腹の立地に注目

こんぴらさんの本宮にたどり着いたブラタモリは、近くの展望台から、本宮が山頂ではなく、山の中腹に建てられたことに疑問を持ちます。

なぜこんぴらさんは、頂上ではなく中腹に建てられたのでしょうか？

石段を登らせるとしても785段くらいが限界だから、ということもないと思いますが……??

こんぴらさんが建つ象頭山（ぞうずさん）です。平べったくあまり見かけない形です。緑に覆われていますが、何と２層構造になっています。

もとは花崗岩がふたこぶラクダ状にあった場所に、火山の噴火が起き、くぼ地に流れ込んだマグマが冷えて安山岩になります。

のちに柔らかい花崗岩は崩れ、安山岩がふたをしたような地形になりました。

こんぴらさんの本宮は、象頭山の中腹に位置します。この場所は、マサ（真砂）が見られる、柔らかい花崗岩層の１番上の場所です。硬い安山岩地層に比べ、傾斜がゆるやかで、建物が立てやすい特徴があったのです。

こんぴらさんの本宮を過ぎ、奥社まで登ると、安山岩の上となり、さらに景色が開けます。

【ブラタモリこんぴらさん　全ロケ地】タモリさんが金刀比羅宮の歴史を探る #60（とらべるじゃーな！）

自然に逆らわず、生かして暮らす四万十川

こんぴらさん編のほかに印象に残ったのは、四万十川編です。

高知県西部を流れる四万十川は、196ｋｍの長さがある、四国一の川で、最後の清流と呼ばれています。

気になったのは沈下橋。欄干がなく、クルマが渡れる沈下橋もあります。増水のときに、流れに逆らい、流木や土砂が引っかからないようにするためとのことでした。

四国には新幹線がなく、願いを込めてなのか、新幹線型の車両が走っています。タモリさんもロケ中に偶然すれ違い、大変感激されていました。

先日筆者は、やはり新幹線がない山形県の酒田市を訪ねました。

商店街にあまり活気がなく、苦労をされている様子が伝わってきました。しかし、懐かしい雰囲気の特急列車がガタゴトと走り、新幹線がない町ならでは、昔ながらの日本が残されているように感じました。

貴重な沈下橋も、新幹線ができ交通量が増えれば、その姿を変えてしまうのではないでしょうか？

四万十川沿いや四国も、新幹線がないからこその財産があるように思います。ブラタモリ効果で、あえて新幹線がない町を訪ねる方が増えると良いと思います。

【ブラタモリ四万十川編　全ロケ地】タモリさん、沈下橋や蛇行、メランジュ、新幹線に出会う #154 155（とらべるじゃーな！）

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