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さらばブラタモリ 大坂の陣・激戦地、秀吉が愛好した温泉など「関西地方」のロケ地を振り返る

とらべるじゃーな!穴場ずらし旅、愛好家

関東圏の穴場ずらし旅の愛好家、とらべるじゃーな!です。

NHK番組ブラタモリが3月10日「鹿児島・指宿編」で最終回となりました(特番としての可能性はあるようです)。

今回は、初回からロケ地を個人ブログに記録し、要所要所は実際に訪ねてきた筆者が、ブラタモリで印象に残った回をメモしました。

関西地方(京都・奈良を除く)でブラタモリ

改めて取り上げる予定の古都(京都・奈良)を除く関西地方では、商都大阪(#53)、大阪城・真田丸(#54)、神戸(#64#65)、高野山(#82,#83,#84)、彦根(#93)、宝塚(#95)、有馬温泉(#97)、熊野(#131,#132)、大阪ミナミ(#133)、大阪・堺(#134)、伊賀忍者・甲賀・信楽(#158 159)、城崎・豊岡(#171)、淡路島(#184)、白浜(#193)、和歌山(#195)、梅田(#273)と、非常に多くの場所が取り上げられています。

大坂城を巡る攻防が感じられる場所

ブラタモリ大阪城・真田丸編(#54)では、大阪城を訪ねています。

番組スタッフは、大阪城の地下にある「あるもの」に確認します。大阪城の地下には、何があったか覚えていらっしゃいますか?

豊臣家が埋蔵した金塊でしょうか? あるいは、有事の際の脱出用のトンネルでしょうか?

正解は、豊臣時代の大坂城です。

※この記事では、豊臣時代の城は大坂城とし「坂」の字を使用しています。

大坂夏の陣で、豊臣方は徳川方に敗れます。その後、豊臣時代の大坂城は、地中に埋められたと考えられています。ブラタモリのスタッフは、写真の井戸のような場所をはしごで降り、古い石垣を確認しています。

しかし、豊臣時代の大坂城は、東、北、西の3方向に湿地帯が広がり、簡単に敗れたわけではありません。

ブラタモリは、大阪城の東に位置するJR大阪城公園駅から北へ1駅、京橋駅周辺を訪ねています。かつては湿地帯だったこの場所。大坂冬の陣ではどのような戦いが繰り広げられたのでしょうか?

商店街の裏手に回ると、1段低くなっています。これは川の跡。では、豊臣方と徳川方が激戦を繰り広げた、1段高い細長い場所(現在の商店街)は地理的にはどう呼ばれる場所だったでしょうか?

ブラタモリで川に関係する地形と言えば河岸段丘ですが、ここは河岸段丘ほどの高さはありません。ブラタモリ宝塚編で紹介された、宝塚駅と宝塚大劇場を結ぶ「花のみち」(約430m)と同じ成り立ちなのですが……・

正解は自然堤防(おもに洪水であふれた土砂が作った高台)です。

この狭い自然堤防の上で、徳川方約1500、豊臣方約3000の兵が激突しました(今福の戦い)。このときは豊臣方が陣を守り切りました。

ブラタモリは、京橋駅から地下鉄で4駅。大阪城の南西にあたる谷町六丁目駅周辺を訪ねています。

豊臣時代の大坂城は、東、北、西の3方向に湿地帯が広がっていましたが、南は弱点。からほり商店街の名前が気になりますが……。

商店街の脇道を入ると空堀の跡! 

諸説ありますが、深さ10m、幅30~40mの空堀の痕跡の可能性も考えられています。豊臣時代の壮大な工事が思い起こされます。

有馬温泉で分かる温泉が沸く仕組み

さて、ブラタモリでは、東の草津、西の有馬と温泉番付では位置づけられる、神戸市の有馬温泉を訪ねています。豊臣秀吉も愛好したこの温泉は、赤い湯で知られ、近年は外国人の姿も目立ちます。

さて、東の草津温泉は、火山性の温泉です。ブラタモリが注目したのは、なぜ火山がない神戸市に、温泉が沸いているのかということです。

タモリさんが有馬温泉の郊外を訪ねると、断層が作った亀裂が多数見られました。

地球の内部では、マグマだけでなく、マントルも強い熱を持っています。有馬温泉はマントルが熱源であり、地中の鉄分を取り込んで赤いお湯となりました。また、石灰岩由来の炭酸成分も持っており、有馬温泉では炭酸せんべいが名物です。

大阪城編も、有馬温泉編も、豊臣家を軸とした歴史と、地理学が織りなす、ブラタモリらしい回でした。ご紹介したブラタモリの詳細なロケ地は、以下で確認できます。

【ブラタモリ大阪城と真田丸・全ロケ地】豊臣・徳川の最後の戦いを探る#54(とらべるじゃーな!)

【ブラタモリ有馬温泉 全ロケ地】秀吉も気に入った赤い湯 人気はなぜ冷めない?#97(とらべるじゃーな!)

全国のブラタモリのロケ地は、下のページでいつでも確認できます。
【完全版】ブラタモリ 過去放送のロケ地一覧(とらべるじゃーな!)

穴場ずらし旅、愛好家

関東周辺の穴場★ずらし旅スポットを紹介。日本テレビに旅の専門家として出演(2023年4月)。Yahoo!ニュースエキスパート公式旅行ライター(2023年7月企画賞)。JTB運営・地理旅行検定取得済み。東京都在住、旅行歴500泊以上。

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