春日井市坂下町にある春日井市立坂下小学校が今年度創立150周年を迎え、現在校舎や県道に面したフェンスに150周年を祝う横断幕が掲げられています。
令和5年9月には150周年記念式典も執り行われるなど、様々な記念事業も開催されました。
実はライターは坂下小学校の卒業生で、祖母、曾祖父母も卒業生です。
今回久しぶりに伺い、現在の小学校と過去の映像が残る貴重な資料を見せていただきました。

坂下小学校は明治6年（1873年）に学制の発布によって創立された学校です。
市内には他にも同じ年に創立された学校として味美小学校・牛山小学校があり、こちらも共に150周年を迎えます。

明治、大正、昭和、平成、令和と、なんと5つの時代を地域の人々と共に過ごした小学校です。
ライターが通っていたころは平成ですが、祖母は昭和、曾祖父母に至っては大正時代に通っていたことになります。
歴史が長いため、我が家のように何世代にも渡って家族が通っていたというご家庭も少なくないのではないでしょうか。

現在の校舎に変わったのは昭和48年だそうで（昭和47年着工、48年に竣工）、それ以前は木造校舎が使われていました。

こちらは坂下小学校で見せていただいた、100周年を記念して作られた資料の一部です。
創立から現在の校舎に至るまでの移り変わりが記されていました。

校木である五葉松も明治時代から坂下小学校にあるそうです。
昭和36年創刊の学校新聞にも「五葉」という名前が使われており、現在も年度末に発行されています。

二宮金次郎像は昭和12年に当時の坂下親友会から寄贈されたそうで、現在は五葉松の横に設置されていました。

こちらの写真はライターの祖母の昭和28年の学級写真なのですが、このころ既に二宮金次郎像があったことが分かります。
ただし現在の場所とは違う場所にあったようです。
当時は泊まり込みで学校管理をされる宿直の方もいたそうで、校庭の様子も今とは大きく異なる様子が見てとれました。
また祖母の話によると入学前には校庭に兵隊さんがおり、きょうだいと遊びに行くとお菓子がもらえて嬉しかった記憶があるそうです。
テントを張って宿営していたようだ、ということでした。

学校の資料にも当時の時代背景が表れた夏休み日誌・冬休み日誌の画像が残されていました。

現在の南門も歴史が古く、昭和3年に建てられてから当時のままの姿を残しているそうです。

こちらは校名改称と変遷の資料です。
始めは「正賢学校」という名前だったようで、その後も様々な経緯を経て現在の学校名になったことがよくわかります。

100周年の時点での校区図もありました。
100周年は1973年、昭和48年です。

100周年の時にプールや自然観察林ができたそうで、学校の資料にはプール建設のための費用を集めるために運動会でみたらし団子やおでんなど販売するバザーをPTAが行ったと書かれていました。

坂下小学校は自然観察林という、子どもたちが学んだり遊んだりすることができる森があるのも特徴です。
ライターも子どものころ休み時間には必ずここで遊んだほど大好きな場所でしたが、自然観察林も100周年の際に作られたそうです。

自然観察林の入り口には自然観察林を建てた記念碑も建てられていました。

今では少なくなってきている学校での動物飼育ですが、坂下小学校では現在もうさぎを飼育しているというお話で最後に見せていただきました。

2羽のうさぎが仲良く寄り添っていてとても可愛かったです。
子どもたちや教員の皆さんにとても大切にされている様子がうかがえました。

明治から始まり現在に至るまで、150年もの間地域の人々と共にあった坂下小学校は今も昔と変わらず日々子どもたちの成長を見守り続けています。
今回の取材で長い歴史を経て現在の学校の姿があることがとてもよく分かりました。
これからも地域の子ども達の今後の人生の礎となる大切な学びの場として、その歴史を刻んでいってほしいと思います。