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今更聞けない!秋の紅葉、なぜ葉っぱは赤く変わるのか?

TOUYA化学系研究者

 秋が深まると、山々や公園が赤や黄色で彩られるのは、なんともロマンチック。でも、ふと疑問に思ったことはありませんか?なぜ、この美しい紅葉が起こるのか。意外と知らない、その背後にある化学の不思議を解説します。

 葉っぱが緑から赤くなるには、全部で4つの工程に分かれています!

①緑の主役、クロロフィルの退場

 葉っぱの緑は、クロロフィルというスターによるもの。この子は、光合成の過程で大活躍するんです。でも、日が短くなったり、気温が下がったりすると、クロロフィルはさっさと退場。すると、緑色が減少し始めます。

②黄色いヒーロー、カロテノイドの登場

 実は、植物の葉には緑色のクロロフィルの他に、黄色のカロテノイドも隠れてるんです。夏の間、この子はクロロフィルの影に隠れてましたが、クロロフィルがいなくなると大活躍の出番です!

赤い美男美女、アントシアニンの誕生

 モミジのように赤くなる植物には、アントシアニンという赤い色素が秋の特別ゲストとして登場します。この色素、紫外線をブロックしたり、虫を遠ざける特技を持ってると言われています!

④褐色のミステリー、タンニンの役割

 葉が褐色になるのは、タンニンという化学物質の仕業。タンニンは、植物が害虫や病気から身を守るために生成される成分。また、タンニンは水やミネラルの吸収を調整する役割も持っています。このタンニンが紅葉の期間中に葉に蓄積されることで、特有の褐色を呈するようになります。

 紅葉はただのきれいな風物詩じゃない!その背後には、自然の驚異的な化学ショーが繰り広げられているんです。紅葉の季節、この裏話を思いながら、より一層その美しさを楽しんでくださいね。

化学系研究者

東京工業大学大学院の修士課程を卒業後、化学メーカーの研究者として従事。研究成果がメディアに取り上げられた経験有り。化学に関連する記事を書いています。

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