Yahoo!ニュース

【日本人には謎】韓国ドラマによく出てくる不思議な行動!Part214:服を頭にかぶって身を隠す 他

トリリンガルのトミ韓国語講師/YouTuber

みなさん、こんにちは~!

韓国ドラマを見ていると、日本人の目には不思議に映る行動やシーンが出てくることがありますよね。

この「韓国ドラマによく出てくる不思議な行動シリーズ」では、そんな韓国ドラマの不思議をジャンジャン紹介していきます。

そして、その不思議に隠された理由や背景についても解説していきますよ!

それでは、さっそく今回の不思議を見ていきましょうか?

今回は、韓国の時代劇のなかで見られるこんな不思議を紹介します!

「伝統衣装があんなにカラフルなワケは…?!」

韓国の時代劇のなかに出てくる伝統衣装って、とってもカラフルでかわいいですよね!

日本では、「チマチョゴリ」の名でよく知られていますが、韓国では「韓服(ハンボク)」といいます。

現在でも、結婚式や旧正月などの特別な行事があるときには、韓服を着ることも多いんですよ。

この韓服は、さまざまな色が使われているのが特徴的ですよね。

さらに、そのほかの伝統工芸品や装飾品などを見てみても、韓服と同じようにいくつもの色が使われています。

たとえば、韓国のお土産屋さんなどでも目にする「보자기(ポジャギ)」。

これは韓国の伝統的な風呂敷ですが、複数の色の生地を組み合わせて作られています。

また、女性が韓服に「노리개(ノリゲ)」という装飾品も、ひとつのなかにさまざまな色が取り込まれています。

どれも原色に近いハッキリとした色がいくつも組み合わされていて、韓国ならではの色使いといった感じがしますね。

それにしても、韓国の伝統的な衣装や小物は、どうしてこんなにカラフルな色使いがされているのでしょうか?

それには、こんな理由があったんです!

韓国の伝統衣装や小物によく使われているのは、黄・青・白・赤・黒の五色です。

これを「五方色」と書いて、「오방색(オバンセク)」といいます。

さらに、五方色の隣り合う色を混ぜた緑・碧・紅・紫・硫黄の「五間色/오간색(オガンセク)」というものもあります。

これらは中国の「陰陽五行思想」に由来するもので、それぞれの色に方位や意味があると考えられています。

「색동저고리(セクトンチョゴリ)」と呼ばれる子供の伝統衣装や、結婚式の新郎新婦が着る伝統衣装にたくさんの色が取り入れられているのには、五方色の力で身を守り、すこやかに幸せな日々を送れるようにという願いが込められているからなんです。

さらに韓国の食べ物や建物のなかにも五方色が取り入れられているものがあります。

日本でもおなじみの「ビビンバ」。

これも白いご飯の上に、色の違う食材がいくつも載せられていますよね。

さらに分かりやすいのは、「九節板/구절판(クジョルパン)」という宮廷料理です。

これは九つに区切られた器に八つの色とりどりの食材が入っています。それらを中央に入った薄い皮に包んで食べる料理です。

これらを食べることで五方色の力を身体のなかにも取り入れていたんですね。

そして、宮中の柱や天井を見てみると、ここにも五方色が取り入れられていることが分かります。

身近なところに五方色がふんだんに使われていたんですね~!

時代劇のなかの不思議をもうひとつ紹介します!

「服を頭にかぶって身を隠す?!」

時代劇を見ていると、女性が頭に服のようなものを被って外を歩いているシーンが出てきます。

朝鮮時代はまだ男女差別が厳しい時代で、女性が身内以外の男性に顔を見せて歩くのは、はしたない行為とされていました。

そのため、女性たちは外を歩くときにあのような服を頭からかぶって顔を隠していたんですね。

この顔を隠すための服は、「장옷(チャンオッ)」または「장의(チャンウィ)」と呼ばれるものです。

袖はついていますが腕を通して着ることはありません。

あくまでも顔を隠す目的で使われる服なんですね。

また、この時代は身分差も激しい時代でした。

そのため、「장옷(チャンオッ)」と「장의(チャンウィ)」は庶民の女性たちの間で使われ、貴族層である「両班(ヤンバン)」の女性たちは「쓰개치마(スゲチマ)」という「장옷(チャンオッ)」や「장의(チャンウィ)」とは、また別のものを使っていたそうです。

同じ女性でも、身分によって顔を隠す服も別のものが使われていたんですね。

しかし、この風習も時代によって少しずつ変化していったといいます。

女性が頭にかぶっているもので時代が分かるので、チェックしてみるのも面白そうですね!

いかがでしたか?

今回は、時代劇のなかで見られる不思議を2つ紹介しました!

五方色の考えを生活のなかに取り入れていたり、身分や男女の差によって身に着けるものにも厳格な決まりが存在していたり…当時の人たちの生活や風習が少し垣間見えましたね。

現在とは違う当時の生活や風習が見られるのは、時代劇ならではという気がします。

今回の五方色と「장옷(チャンオッ)」、「장의(チャンウィ)」が出てくるシーンも探してみて下さいね!

それでは、また次回もお楽しみに~♪

韓国語講師/YouTuber

韓国語講師YouTuber 登録者11万人!|韓国語講座修了者800人以上|ハン検1級→一発合格・2次試験満点|TOPIK 6級|TOEIC 985点|史上初のTOPIK広報大使|横浜領事館パートナー|ハングルの覚えかた図鑑 著者|キム・ヒチョル팬|3児の母!

トリリンガルのトミの最近の記事